あたいあたい詐欺
あけましておめでとうございます。結局、FF2のクリアは2008年に持ち越されてしまうという情けない事態になってしまいました。が、まぁ、いいじゃないですか、ドラクエ9だって間に合わなかったことだし。全ての締め切りは「ドラクエ派だから」の一言で破ってもいいのです。・・・よくないですね、だめですね、すいません。ドラクエをはじめ、よく発売日が延期されるときに「よりよい作品にするために」とか「クオリティアップのために」とか、そんな言葉が言い訳がましく使われますが、実際問題どこらへんがどのように改善されているのか説明されたのを聞いたことがありません。
「ぶっちゃけスケジュールの見通しが甘かったんでしょ」といつも内心思ってますが、自分も人のことは言えないので、口をつぐんでおきましょう。何を作るにもおおまかに出来上がってくると90%できた気分になるんですよね。でも、細かい設定とかディテールへのこだわりとか、瑣末な部分が実は一番時間がかかるんですよね。納期までの時間の90%を使ってほぼ出来上がってきたな、なんてうかれていると、最後の仕上げには実はもう90%分の時間が必要だったりして。
クリエーター「すいません、やっぱ間に合いません。」
プロジェクトマネージャー「えっ、昨日まで余裕で笑ってたじゃん。」
クリエーター「やっぱり、よりよいものをユーザーに提供するには、もう少し時間が・・・。」
ユーザーのためなら仕方がないですよね。
さて、前回、フィン王国の王様が天に召されて、父親の死を受けて王女までもが部屋にこもってしまうというお家の一大事が発生しました。パラメキアの戦力を着実に奪ってきてはいるものの、こちらはこちらで屋台骨から揺らぎ始めているという事態です。結局、戦争なんてお互いに傷つけあうだけで何も生み出したりはしないんだねと、平和主義者っぽくきれいごとで濁しておきたいところですが、フリオニールはあまりにも当事者すぎるので、国境を越えるスナフキンにはなれません。とにかく、パラメキアは悪いやつで、フィンは犠牲者。この図式を頭に刻み込んで反乱軍を引っ張っていかねばならないのです。
さて、そんな反乱軍を新たに指揮することになったのが、あのへたれ王族・ゴードンなわけですが、王様亡き後の凍りついた現場をちゃっかり仕切りだしました。よもやお前に仕切られる日が来るとは夢にも思いませんでしたが、フリオニールと行動を共にしたことが、彼の中でよい変革を生んだのかもしれません。残念なことに平民出身のフリオニールよりも、カシュオーン王家の血をひくこの男の言葉の方が、うまく王制が機能しているフィンでは民衆受けがいいのです。目指すはゴードン傀儡政権です。影でゴードンを操ることができれば、フリオニールの権力も光源氏の君ばりにかがやかしくおんなりけむ。
反乱軍のことはとりあえずゴードンに預けるとして、パラメキアとのガチンコ勝負においてこちらの優位性を築いておかねばなりません。それが王様の遺言にあった「アルテマの本」と「ディストの竜騎士」にあるようなのです。前者はミンウさんの担当だし、さっぱりわからないのでフリオニールの手に余ります。であれば、持たざる者・フリオニールとしては足で武功を稼ぎましょう。さっそくディストに行くための情報収集に入ります。
船は一路、ディストに向かってパルムから東に進み、途中で南進しはじめました。海図を確認したわけではありませんが、きっとこっちがディストへの近道なんでしょう。ディストは雪原の東ですので、本当はパルムの北東に位置するのですが、レイラさん(女船乗り)の勘が安全な航路を選んでくれているのでしょう。
しかし、初めて自由に航海できる移動手段を手に入れたフリオニールは、なんだか気分が昂揚してしまい海図をみつめて、広い海の中にぽつんとマークされている地点が気になってしまいます。ドラクエなんかですと、船を手に入れるイベントを超えると突然行動範囲が広がり、初心者はどこに進んでいいかわからなくなったりするようですが、逆にいうとどこにいくのも自由なわけでして、ついつい本筋からそれた方向に舵を切ってしまうこともあるわけです。そんなドラクエ派がプレーヤーですから、孤島に何かあるとなれば、ちょっと背伸びしてみたくなるってもんです。小さなメダルの一枚や二枚探すつもりでちょっくら足を伸ばしてみました。
前回、飛竜に話しかけたら何だか怒られたフリオニールたちは、飛竜語を話すことができるようになるという「ペンダント」を求めて飛竜の洞窟へと向かいます。動物と会話できるというのが唯一の自慢だったガイが何だか落ち込んでいて手に負えません。最後の一匹になってしまい飛竜の気も昂ぶっていたのかもしれません。だから、ガイは悪くないよ。
飛竜の洞窟はディストの城の北西の山岳地帯にありました。飛竜っていう種族が元々は山岳地帯の出身なのかもしれませんね。竜の生態って何だか謎めいた感じです。世界中でいろんな竜の伝承が残っていますが、翼があったり、恐竜みたいだったり、蛇みたいだったり、火を吹いたり、ボールを七つ集めると登場したりとわりとバラエティに富んだ内容になっています。私が知る限り「爬虫類っぽい」ぐらいの共通点しか思いつきません。そんなイメージの核になる部分がない不安定な仮想の生物のミステリアスなところがクリエーターの想像力を刺激するんでしょうね。ドラゴンクエストは、もろに「ドラゴン」をその名に冠して、一応ドラゴンにまつわるエピソードがシリーズを通して登場しますが、FF2でもやはりドラゴン要素は欠かせないようです。FF1のバハムートからFFでは竜には翼があるというイメージで統一されていくのでしょうかね。で、穴を掘って住まうという感じなのかも。火を吹いて岩盤を削ってるシーンとかあったらかっこよさそうですね。
飛竜の洞窟の中は、薄暗く物静かな感じです。どのくらい深い階層構造なのかもわからないので、とりあえず慎重に中を進んでいきます。もちろん敵もでます。敵が出るってことは、パラメキア的にもこの洞窟で何かを探しているのかもしれません。意外とペンダントが超重要アイテムだったりして。
生き残った最後の飛竜が残した卵を無事に孵すべく命の泉に投入したフリオニールたちは、経過報告のためディストに戻ってきました。竜騎士の奥さんから飛竜の最期を知らされ、分かってはいたことですが、この遠征がすぐには意味をもたなかったことことに脱力します。もちろん、奥さんの言うとおり「卵」という最後の希望を泉の中で眠らせることにはつながりましたので、全てが無駄だったわけではありません。気丈な奥さんは、息子さんとともにこのディストの城に残って暮らすそうです。そして、飛竜の卵を見守ってくれるとのこと。このディストにきて二組の親子との出会いがありましたが、お互いがお互いを思いあう気持ちをまざまざとみせつけれらました。金髪の息子も母親を助け、一緒に卵を守ってくれることでしょう。そして、卵が孵化したあかつきには、次世代の抵抗勢力として育ってくれることでしょう。
特に手柄もなく、手ぶらでアルテアに戻ってきたフリオニールたちが、いつものように反乱軍やアルテアの避難民の集まる広間にくると、話題はヒルダ王女のことで持ちきりのようです。王様の死後、気持ちを塞いでいたヒルダ王女の様子がいよいよおかしくなってきたのだそうです。黒騎士に敗れて瀕死の状態だったフリオニールたち3人を拾ってくれたときの威厳あふれる在りし日の姿は思い出すべくもなく、寝室に閉じこもったまま不気味な笑みを湛えているという・・・気丈なようでいて、中身は女の子ってことか。しかし、反乱軍の中枢をまとめあげるという重職は彼女にしか担えません。カシュオーン王子・ゴードンが現在反乱軍の指揮をとっていますが、それを面白く思わない連中がいないとも限りません。フリオニールに何ができるわけでもありませんが、王女の寝室へ向かってみましょう。
完璧に騙されたという怒りも手伝って、無事に偽のヒルダ王女を倒したものの、穴があったら入りたい心境のフリオニール。仲間との会話もなんだかギクシャクしています。変に仲間が気を使ってくれるのが逆に気まずいんですよね。頼むから何かしゃべってくれ、マリア。
そういえば、この姐さんも一度はフリオニールを騙そうとした経緯がありましたっけ。「女は怖いんだ」という姐さんの台詞は説得力がありすぎます。なんかもう、下手するとこのパーティーの主導権がレイラ姐さんに握られてしまったかもしれません。ごろつきを纏め上げただけあって、神経の使いどころを心得てそうな姐さんはリーダーにピッタリです。フリオニールに本当に必要なのはこんな女性なんじゃないかとすら思います。カカア天下、万歳。尻に敷かれるこの安心感。
救出したはずのヒルダ王女が実はニセ者で、本物はパラメキア支配下の闘技場で優勝賞品として出品されていると報告を受け、仲間に反乱軍総司令官・ゴードンを加えていざ出陣中のフリオニールですが、よくよく考えると姫が賞品って明らかに罠だよね。だって、ヒルダ王女を欲しがるマッチョ(闘技会参加者)ってどんなマッチョさ。そんじょそこらの美人とか、金品や地位が賞品であれば、マッチョ的にも参加しやすいですが、王家の要人、それも次期後継者なんて、貰い受けるにはちょっと重すぎるって話です。マッチョですから、政治には疎いんです。ヒルダ王女を使って民衆をどうこうするなんて頭はないのです。
さて、ヒルダ王女の一大事の最中大変申し訳ございませんが、フリオニールはここで一つのことを思い出します?「あれ?ミンウはどこ?」もしも闘技場でパラメキア皇帝と最終決戦が始まるとなった場合、究極の魔法「アルテマ」の本の封印を解きにいったまま戻らないミンウのことが気になります。やっぱりラスボス攻略に「アルテマ」は必須なんじゃないかと思うわけです。でも、町民の話ではミンウさんは、魔法都市・ミシディアに向かったまま帰らないのだそうです。さっさと闘技場にいくのが本筋なのかもしれませんが、そこでパラメキア皇帝を倒して、ゲームがエンディングを迎えてしまっては、究極魔法「アルテマ」を知らないままFF2を終えてしまうことになってしまいかねません。そしたら、FF好きな人との会話で話題がアルテマに及んだ場合、私は空返事をしながら会話を聞き流さなければならないじゃないですか。今後アルテマに関して、白熱した議論に参戦したければ、ここでミンウを追ってアルテマの本をゲットしなくてはいけないんじゃないかという強迫観念におそわれ、ヒルダ王女救出は一時取りやめて、ミシディアの方へ寄ってみることにしました。途中三日月のようなブーメラン型の島に囲まれた小島に塔っぽい建築物が立っていたので立ち寄ってみましたが、中に侵入することも適いませんでした。なんだろ、この建物。自分の中ではもうエンディングが差し迫っているというのに、まだこんな建物に因んだイベントが残っているのでしょうか。FF2のボリュームがどれほどのものなのか、いまだに掴めません。元々ファミコンの作品だったとはいえ、ドラクエ3も4もROMの容量が増やされ、結構なボリュームになってましたもんね。そのくらい覚悟しておいた方がいいのかな。だとしたら、闘技場じゃパラメキア皇帝は倒せないか。せいぜい、レオンハルトについてのシナリオが進行するぐらいかも。
まぁ、今後の展開を予想する前に手を動かしましょう。フリオニールは勝手知ったるミシディアに再度訪れました。過去に「チョコボの罠」によって巻き起こされた悲しい出来事がありまして、ミシディア地方に長期間軟禁されるという経験がフリオニールにはあったのです。あのときは、この地方の敵が強くて強くて泣きそうでしたが、今はさすがに相手になれてます。そうそう、そのときに買った「氷の弓」はいまだにマリアの主装備として重宝していますよ。しばらくマリアがパーティーで一番強いというゲームバランスが崩れた状況が続いたもんです。
アルテアから船でずっと東に進むと、カシュオーンの南に位置する砂漠が見えてきました。以前、チョコボに乗って通ったことがあったと思いますが、そのときは確か山岳部に城のようなものがそびえていて、近づこうにも近づけずそのままミシディアに歩を進めてしまったのでした。(よもやそれがチョコボの罠だとは・・・。)で、その城の麓に闘技場とおぼしき円形の建物がみえてきました。前に通ったときにこんな施設あったかなぁ?
中に入ると、入り口の先にスペインの闘牛場のように決戦場となる砂地が見えてきました。あぁ、ここで屈強な男子が腕力を競っているわけですね。そして優勝者には射手座の黄金聖衣が与えられるということですね。グラード財団のコロッセオのようなエキシビジョン用の巨大スクリーンは設置されていないようですが、白銀聖闘士に壊されてしまったのかな。
さて、ドッペルゲンガーをみたせいか不運なことにパラメキア皇帝の見え透いた罠に引っかかって、ダークナイト・レオンハルトに捕縛されたフリオニールは、地下の牢獄に連行され幽閉されてしまうのでした。「ここから出せっ!」なんて牢屋に入れられたら誰しもが一回は言ってしまう台詞を吐いてみたりしましたが、もちろん看守は知らんぷりです。分かっていても言ってしまう、そんな台詞ってありますよね。それにしても、こんなところに入れておいて一体全体フリオニールをどうするつもりなんでしょう。エースの首でも晒して反乱軍の士気を下げるつもりなんでしょうか。効果絶大ですね。今やナポレオン・ボナパルトばりの活躍でツンデレじいさんに認められるまでに至ったフリオニールですから、アルテアで待っている仲間達の間でも相当の人気度です。あいつがいたら何とかしてくれる・・・そんな気にさせてくれる男さ。という少年漫画の主人公の王道をフリオニールは今まさに走っているのです。だというのにこの体たらく。正直、ガイの腕力ならこんな牢の鉄格子もブッチーンとやってくださるんじゃないかと思うんですが、きっと物理的な力ではなんともしがたいマジカルな作用が働いているのでしょう。困ったもんです。
前回、ヒルダ王女を無事に皇帝の下から救出したゴードンは、一足先にフィン王国奪還の旗を掲げたのでした。これが「反旗を翻す」ってやつですね。さぁ、やれ、ゴードン。フィン王国はヒルダ王女ごと君の手中に収めるのだっ!って、待てーいっ!主人公・フリオニールを放置し、勝手にシナリオを進行させようとするゴードンの野望を阻止せねば・・・フリオニールの天下取りが為されません。闘技場でヤツの尻をぬぐっている間に、着々と事態は進展しておりました。ゴードンはいつの間にかアルテアの反乱軍をひきつれて遠征に出てしまったとのこと。
もぬけの空となったアルテアでは、兵士が一人、事の顛末を伝えるために残っていてくれました。彼がいなかったら、突然消えたアルテア市民と反乱軍にびっくりした状態で第二章・おてんば姫の冒険が終わっていたことでしょう。世に名高いサントハイムの神隠しです。
さて、キャンプからカヌーで湖を渡って北上するとフィンの城がみえてきます。作戦では、反乱軍の兵士が雑魚を抑えている間に敵の司令官をフリオニールが叩くということになっています。しかし、フリオニールたちはフィンの城下町にはこっそり潜入したことはありますが、城に入るのは実は初めてです。確かオープニングのときに王様との謁見の部屋に黒騎士がズカズカと入り込んできて、城を攻め落とされるというシーンがあったと思います。そのとき以来の城の内部です。青くてきれいなお城です。
入城後、すぐに司令官がいると思われる上層階に一気に攻め込もうと階段を探します。どうやら、司令官のいる王座の間までは入り口からまっすぐ一直線なようです。それは黒騎士も攻め入るのが楽だったでしょう。建築物としての城の美しさは備えていても、要塞としての軍事機能的な面でこの城は落第点です。おそらく、パラメキアが攻め入るまでのフィンは長い間平和な時間が流れていたのでしょう。平和は文化を育みましたが、徐々に国民から危機意識を奪っていったのでした。反乱軍となって初めて国防の大事さが身にしみたことでしょう。今、日本も丁度そんな感じです。ボーっと平和に暮らすのは理想ですが、ボーっとしてたら誘拐されたなんてことになったら大変です。
ついに念願のフィン城奪還を成し遂げたヒルダ王女率いる反乱軍。その立役者はもちろん変態司令官・ゴートスを倒したフリオニールたちです。しかし、元の玉座に着いたヒルダ王女の口から出たのは別の男の名前でした。ミンウさん、そう究極魔法アルテマの本を探しにさすらいの旅に出たまま一向に帰ってくる気配のないあの人です。一時はフリオニールたちも彼の捜索に踏み切ったものですが、フリオニールにはまだ入れないミシディアの塔にいったという情報を最後に彼の消息をトレースすることは適いませんでした。
ヒルダ王女からはミシディアのことも少し教えてもらいました。パラメキア皇帝の魔力には、やはりミシディアの民の魔法力を借りて対抗するしかあるまいということらしいです。この世界の中での魔力とか魔法力とかについて、まだ漠然としたイメージしか掴めていませんが、町の中に魔法の本を売っている店が普通にあるあたり、結構社会に溶け込んだ存在だと思うんですよ、魔法。でも、魔法には魔法のエキスパートがいて、庶民とはレベルが格段に離れているわけです。パソコンが一般家庭に普及したけど、多くの人はインターネットの利用ぐらいしかできないのと同じ状況なわけです。プログラマとか専門的に勉強した人じゃないとパソコンを芯から使いこなせないのと同じ感じで、魔法も魔道士じゃないとせいぜい「ファイア」と「ケアル」が使える程度なんじゃないでしょうか。そういえば、スーパーハッカーを「ウィザード」なんて呼んだりしますよね。現代の魔法使い・プログラマ。でも、日本国内での社会的地位はイマイチ低空飛行です。