反乱軍のキャンプに合流し、リーダー格のゴードンに「主力を張れ」と命令されたフリオニールたちは、ヒルダ王女を取り戻して士気の上がっている反乱軍の勢いにまかせてフィンの城に巣くうパラメキア軍の一掃作戦をついに決行することになりました。元々はヒルダ王女の父親である国王の所有にかかっていた城ですが、魔物の力を借りたパラメキア皇帝によって占拠されていたのです。ここまでくるのに多くの艱難辛苦を乗り越えてきましたっけねぇ。失ったものも多かったですが、城を取り戻せばやっとパラメキアと対等になります。反乱軍も解散し、正規軍として改めてパラメキアに睨みを利かせることになります。城を取り戻した後のことは、まだ何も知らされていませんが、パラメキアとの戦争状態はやはり継続することになるのでしょう。あちらが講和を求めてくることもありえないわけではないと思いますが、こちらの被害は甚大です。賠償条件をあちらが飲めるかどうかもわかりません。
私も日本で生まれて日本で育ったものですから、戦争をむやみやたらと推し進めることは好きじゃありません。平和主義もそんなに悪いことじゃないと思います。じゃあ、パラメキアを許せるのかと聞かれると辛いところですね。スコットやヨーゼフといった漢たちのこと思い出すと、あまりにも無念です。しかし、ここでそれを持ち出すと今後の平和についての話も平行線のまま終わってしまうのです。あぁ、和平交渉って難しいですね。お互いの妥協点を探りつつ、少しでも有利にことを終えたいなんて、人間は欲張りなもんです。フリオニールもフィン王国復興となれば、そのポジションも英雄としてそこそこのところまで保障されていると思います。ですから、こういった政治の話にも少し意見がいえるぐらいにならないといけませんね。
じゃあ、パラメキアは潰す方向でっ!
さて、キャンプからカヌーで湖を渡って北上するとフィンの城がみえてきます。作戦では、反乱軍の兵士が雑魚を抑えている間に敵の司令官をフリオニールが叩くということになっています。しかし、フリオニールたちはフィンの城下町にはこっそり潜入したことはありますが、城に入るのは実は初めてです。確かオープニングのときに王様との謁見の部屋に黒騎士がズカズカと入り込んできて、城を攻め落とされるというシーンがあったと思います。そのとき以来の城の内部です。青くてきれいなお城です。
入城後、すぐに司令官がいると思われる上層階に一気に攻め込もうと階段を探します。どうやら、司令官のいる王座の間までは入り口からまっすぐ一直線なようです。それは黒騎士も攻め入るのが楽だったでしょう。建築物としての城の美しさは備えていても、要塞としての軍事機能的な面でこの城は落第点です。おそらく、パラメキアが攻め入るまでのフィンは長い間平和な時間が流れていたのでしょう。平和は文化を育みましたが、徐々に国民から危機意識を奪っていったのでした。反乱軍となって初めて国防の大事さが身にしみたことでしょう。今、日本も丁度そんな感じです。ボーっと平和に暮らすのは理想ですが、ボーっとしてたら誘拐されたなんてことになったら大変です。
すると階段を駆け上ろうとするフリオニールに待ったがかかります。声の主はレイラさんです。例によって一人称「あたい」で助力を申し出てくれました。パーティーは四人編成となって敵の司令官を目指します。
最上階では敵のボスとおぼしき司令官が王座にふんぞりかえっていました。他の敵は反乱軍が抑えていてくれているので、いきなりの直接対決となります。それにしても敵の城をのっとった場合、やはり王座があったら座ってみたくなるものなんですかね。社長室の椅子とか、校長室の椅子とか、やっぱりむやみやたらと座りたくなるオーラを放っていますもんね。偉い人ほどいい椅子に座るという格差が人々の欲求を駆り立てているのです。この司令官もこの地位につくまではいろいろと苦労したのでしょう。そしたら、やっぱり座りたくなりますよね、王座。
のうのうと王座に座っていた敵の司令官・ゴートスに話しかけると、やっと異変に気付いたのか慌てふためきだします。反乱軍の策謀にまんまとハマって、一人でフリオニールたちに囲まれてしまいます。作戦大成功ですな、これは。ここでこのゴートスを落とせなければ、一生の恥ってもんです。ん?それにしても「ゴートス」って誰だ?今までそんな名前出てきたことがあったでしょうか?記憶にはないですが、司令官をやっているくらいですからなんかすごいんでしょう。サージェントよりは上の階級なんじゃなかろうか。
いざ、戦闘になるとゴートスは半裸の状態でした。ドラクエでいうところのエリミネーターのような出で立ちでフリオニールの前に立ちはだかります。マリアは手で目を覆い戦闘どころではありません。いや、でも指の隙間から明らかにみてます。レイラさんにいたっては、一切の恥じらいもありません。そりゃフリオニールの偽ヒルダ王女へのあれやこれを一部始終覗いていたくらいですから、肝っ玉もすわっています。とにかくこのカンダタじみた敵を倒してしまいましょう。なんか、フィンの王座に座っていたのがこんな変態ルックスだと、俄然やる気がそがれます。
英語表記は「Ghotos」みたいなんですが、翻訳はできませんでした。「半裸」とか「ふんどし」とかいう和訳が出ることを期待したのですが、そういうわけではないようです。人の名前なんでしょうか。
確かヘイストとか使ってくる敵だったのですが、わりと簡単に倒せました。やはりゴードンよりレイラさんの方が頼りになります。こんな実力でよく占領したフィンを守っていたものです。城下町をうろつくキャプテンの方がむしろ手ごわいぐらいです。城を奪い返すために反乱軍なんて大それたものが結成されたわけですが、この程度の相手にはたしてこんな組織は必要だったのでしょうか。いやいや、司令官こそダメでしたが、その配下は手ごわく、それを抑えるという意味で反乱軍のみんなは必要でした。ありがとう、反乱軍。レジスタンス、万歳。
無事に城を取り戻し、ついにヒルダ王女が彼女の玉座に戻ってくる日がやってきました。半裸のゴートスが座っていた場所にはゴードンが座っています。「ゴー」で名前が始まるもの同志、何かシンパシーを感じたのかもしれません。いけてないものに共通する「ゴー」というキーワードが今後どうかかわってくるか楽しみです。(何もありません。)
ヒルダ王女も感慨深いといった様子です。頑張ってよかったです。
しかし、うかうかしてはいられません。パラメキアに占領されていた期間に治安やら経済やら法律やら国の基盤となる秩序が失われてしまいました。また、国家の礎たる国民も多く流出してしまっていることでしょう。とりあえずアルテアに反乱軍とともに息を潜めていた民衆はさっそく城下町に移り住んだようですが、キャプテンたちに随分と荒らされているはずです。補助金などを出して再整備を進めなければなりません。といった具合に忙しいフィン王国ですが、ヒルダ王女様には他にも懸念事項があるようです。ハッピーなムードに流されてフリオニールは何か忘れているようです。