ついに念願のフィン城奪還を成し遂げたヒルダ王女率いる反乱軍。その立役者はもちろん変態司令官・ゴートスを倒したフリオニールたちです。しかし、元の玉座に着いたヒルダ王女の口から出たのは別の男の名前でした。ミンウさん、そう究極魔法アルテマの本を探しにさすらいの旅に出たまま一向に帰ってくる気配のないあの人です。一時はフリオニールたちも彼の捜索に踏み切ったものですが、フリオニールにはまだ入れないミシディアの塔にいったという情報を最後に彼の消息をトレースすることは適いませんでした。
ミンウさんはいつもヒルダ王女の傍に仕えていて、特別に覚えがいいのでしょう。そんな彼のことが気になるとはなんとも部下思い。いつかは自分もミンウさんのポジションに立ってヒルダ王女に心配してもらいたいもんです。いや、太陽の炎入手のミッションのときに既に相当心配してもらってたんでしたっけね、そういえば。その結果、ヒルダ姫は飛空艇ごとさらわれたんでした。むしろ部下思いもほどほどに、と進言した方がいいのかも。あんまりミンウが帰らないとそのうち、レイラさんの代わりに四人目としてパーティー入りを志願しそうな勢いですよ。まぁ、国民的にはそんな指導者はウェルカムなんですけどね。無茶なさるなよ。
ヒルダ王女からはミシディアのことも少し教えてもらいました。パラメキア皇帝の魔力には、やはりミシディアの民の魔法力を借りて対抗するしかあるまいということらしいです。この世界の中での魔力とか魔法力とかについて、まだ漠然としたイメージしか掴めていませんが、町の中に魔法の本を売っている店が普通にあるあたり、結構社会に溶け込んだ存在だと思うんですよ、魔法。でも、魔法には魔法のエキスパートがいて、庶民とはレベルが格段に離れているわけです。パソコンが一般家庭に普及したけど、多くの人はインターネットの利用ぐらいしかできないのと同じ状況なわけです。プログラマとか専門的に勉強した人じゃないとパソコンを芯から使いこなせないのと同じ感じで、魔法も魔道士じゃないとせいぜい「ファイア」と「ケアル」が使える程度なんじゃないでしょうか。そういえば、スーパーハッカーを「ウィザード」なんて呼んだりしますよね。現代の魔法使い・プログラマ。でも、日本国内での社会的地位はイマイチ低空飛行です。
そうなると、ミシディアの魔道士集団は、IT企業のSEとかPGとかそんな立場に例えられそうです。そして、パラメキア皇帝は一人でものすごいプログラムを作ってしまったハッカーという感じでしょうか。ウィルス(ゴブリン)とかスパイウェア(キャプテン)とかを駆使して世界を混乱させるマッドな方のハッカーですよ。そんなハッカーが一国家の長に収まっているのだからなかなか興味深いです。アメリカの大統領選挙戦で「初の女性大統領」だとか「初の黒人大統領」だとか騒がれてますが、まだ「ハッカー大統領」はみかけません。もしもそんなことになったら、国防省のコンピュータに不正アクセスを試みようものなら返り討ちにあうこと間違いなし。情報操作で戦争特需を生み出したり、敵国のコンピュータを外から有利に操作したりとやりたい放題です。
そんなハッキング皇帝に対抗するには、IT企業ミシディアの社員の力添えが必要なのです。そんなミシディアの究極プログラムがミシディアのサーバーマシン(塔)に暗号化して保存(封印)されているので、その暗号を解読しに我が社のエースハッカー・ミンウさんが出向中なのです。過酷な労働現場で連絡業務すら怠ってしまっているミンウさんのことは、ヒルダ社長的にはとても心配です。ミンウさんほどの人材を流出すると会社が傾く可能性すらあるのでしょう。
究極魔法の話が出たついでに、このフィンの城に隠された秘密を教えていただきました。やっぱり城には秘宝がつきものですよね。カシュオーンにだって太陽の炎なんてものがあったんですから、フィンにはさらにすごいものを期待してしまいます。「さいごの鍵」を手に入れた後に諸国を漫遊しなおして、各城の財宝を順にいただいていくあの楽しみ。FF2では国の数が少ないのでそんな楽しみもなかなか味わえません。はてさて、フィンのお宝はなんでしょう。と思ったら、ここで「白い仮面」ですか。白い仮面を後生大事に保管しているフィン王国ってなんだよ。なんか戴冠式的な特別な宮廷行事の際に、王族は着用しなければいけないとかそんなアイテムなんでしょうか?そういえば、ドラゴンクエストソードに仮面の女王様が出てきましたっけ。あれは結局魔王を自身の内に封印するアイテムだったと思います。顔を隠すという行為には、心理学的にあれこれ諸説あるようですね。ユングのいうペルソナとかいう概念は、個性とかキャラクターとかいう抽象化された人格とも関係してきそうです。仮面を被ることによって本来の自分を隠し、別の人格を表象するということから、「仮面」と「封印」を結びつきやすいのでしょう。あぁ、あとは「王家」と「仮面」という結びつきからは仮面舞踏会なんてイメージが湧きます。はたしてフィン王国の白い仮面は、何のためにあるのか。よもやマリーアントワネットよろしく不倫の隠れ蓑じゃあるまいな。
いやいや、それは「アルテマの封印」を解くためなのです。先日ミシディアにミンウさんを探しにいったときに黒い仮面と対になっている白い仮面の存在は既に聞いています。
では、ミンウさんを探しに行く前に白い仮面を入手しておいた方がよさそうですね。肝心のお宝はどうも城の地下にあるらしく、そこに入るにはなにか呪文が必要なんだそうです。大事なものは地下!これはどこの城にいっても共通ですね。本当の大事なものは光の当たるところに置いておけません。そんな共通認識を逆手にとるのがポールさんのようなプロの泥棒なんでしょうけど。
じゃあ、一体全体どの呪文で地下への扉が開くというのでしょう。「ケアル」や「ファイア」でないことは確かです。おそらく私の経験からその呪文は「アバカム」ではないでしょうか。
残念はずれです。「エクメトテロエス」そんな長ったらしい呪文を教えてもらいました。元ネタは調べたけどわかりませんでした。「ex-met-tero-es」それっぽい音節で分けてみましたがさっぱりです。古くから伝わる呪文なのできっと古代の言語に起因するのでしょう。今どきの呪文は「ケアル」とか「ファイア」とか短いのですが、これは呪文も経年につれて省略されてきたのかもしれません。詠唱中にモンスターに殺されちゃいますもの、「エクメトテロエス」なんて。16個覚えられる魔法の欄も長い名前だと半分しか入らなそうですし。アブドルダムラル・オムニスノムニス・ベルエスホリマク。
それでは、白い仮面を求めて出発しましょう。
ヒルダ:私はその扉の場所を知らないのです。
おーい。王女不在の間に王様が亡くなられたため、王家の秘密が微妙に伝承されていないままのようです。あぁ、ヒルダ王女以外に扉の場所を知っていそうな人物なんてミンウさんぐらいしか思い当たりません。ミンウが先か、白い仮面が先か。フリオニールは道を見失ってしまいました。
ちなみに自分が王様だったら、王家に伝わる秘密って王子や王女が何歳になったら伝えたらいいのでしょう。天空の城ラピュタのシータはちっちゃい頃に滅びの呪文を教えてもらってました。でも、成人してからというのがポピュラーなのですかね。昔だと12~14歳くらいかな。イシスのピラミッドの秘密みたいにわらべ歌に潜ませるのもおしゃれでいいかもな。