挽回のミンウさん
「これが・・・私の・・・運命だった・・・よう・・・だ・・・。」どこかで聞いたような台詞とともに「Soul of Re-Birth」がスタートしました。Soul of Re-Birthのプレイについていくらか葛藤があったのですが、とりあえず触りだけでもプレイしてみようという結論が下りましたので、早速プレイ開始です。「Soul of Chaosをやり直す」や「FF3を開始する」という選択肢もありましたが、なんとなくFF2続行ということでしばらくお付き合いのほどお願いします。
まず、「Re-Birth」が何を意味するのかがぼんやりと見えてきた感じです。この白い画面にて、懐かしい台詞をおっしゃっているのは紛れもなくミンウさんその人です。アルテマの本の封印を解くためにその身を犠牲にしたミンウさんでしたが、マリアには究極の呪文を使いこなせず、結局腕力とケアルで皇帝から勝利をもぎ取ったということを草葉の陰で彼は泣きながら知ったことでしょう。そんなはずのミンウさんが、また姿を現してくれました。「再生」するのはミンウさんなのではないでしょうか?
フリオニールに本を託して、看取られるまでの間の回想が済むと舞台はなんとジェイドの入り口でした。確かエンディングの中にもこのジェイドの入り口の画面がありましたが、それはこのおまけシナリオへの伏線だったのでしょうか。ジェイドは地獄への入り口ということでしたから、死んだミンウさんが到着するのもおかしな話ではありません。とはいえ、死んだ人がみんなここに送られてくるのであれば、フリオニールがパンデモニウムに向かう際に人間とは誰にも会わなかったことと矛盾するような気がします。
死んだミンウさん本人もキョトンした様子で、現状把握に務めています。死んだはずの自分に自我があるっていうのはやっぱり不思議なんでしょうか?どうもミンウさんは死後の世界というものを認めない宗教の人のようです。FFの中の宗教観は必ずしもキリスト教のそれとは異なるのかもしれません。詳しくはないですが、キリスト教の教義的には天国とか地獄の概念があったような。まぁ、間違ったことを書くと問題なので深く突っ込まないでおきましょう。
辛く厳しい道中、どこかで見知った後頭部が草むらから現れます。ミンウには気付かない様子で、誰かに向かって話しかけている坊主頭は間違いなくヨーゼフその人ではないですか。そして、声の先にあるのはなんとボーゲン将軍ではないですか。両者共に死んだ人間ですので、もはやここが死後の世界であることは疑いの余地がありませんが、因縁深いこの二人を一度に出会ってしまうなんて、なかなか都合のよい展開です。
前回、ヨーゼフをストーキングしていたボーゲン(ゾンビ)を、つきまとい禁止条項に基づいて逮捕(のち粛清)したミンウとスコットは、3人に課せられた宿命が何であるのか考え中です。キーワードは「フリオニール」だってことはわかっているのですが、ヨーゼフが参加しても結局考えはまとまらないままです。そんな余所見をしている3人に背後からT-ウィルスへの感染が進行したゾンビボーゲンがリッカーとなって背後からしのび・・・よってはきませんでした。でも、ほら、バイオハザード的に、ゾンビは倒したらファイアで焼いておきたいですね、念のために。今でもすばやいゾンビにおいかけられたあの時のことを思い出すと戦慄モノです。
ジェイドの中を3人で進んでいくと、またもや懐かしいキャラクターが現れます。リヴァイアサンの肛門のギョウチュウことラウンドウォームです。実際は、リヴァイアサンの口内でフリオニールたちを待ち伏せていた歯周病菌だったので、ホッとしたのを覚えています。そんなデンタルプラークはデンタルフロスで除去しないと、歯石となって歯医者さんでなきゃ除去できなくなりますので、要注意です。結構好きですけどね、歯医者さんのクリーニング。
竜騎士・リチャードが新たに参入して4人パーティーが固まったミンウは、それでもまだ自分に課せられた使命が見えないままジェイドに似た謎の洞窟を先へと進むのでした。一番最近までフリオニールの近くにいたリチャードから、皇帝が一度死んで、また復活したことを聞かされ、なんとなく「ジェイド」「復活」「地獄」「皇帝」というキーワードが浮かんできます。皇帝の魔力の源となるようなものを、既に死んでしまった体で破砕しにいくのが4人の役割なんじゃないかというのが私の見通しですが、まだ確たる証拠はありません。死んでなおできることを探すのよりは、死ななきゃできないことを探す方が、いくらか前向きな気がします。この4人にしかできないことで、フリオニールの役に立てればいいのですが。
申し遅れましたが、わしはヨーゼフ・・・と自己紹介がはじまります。面識のない同士でパーティーを組むには、一に挨拶、二に挨拶です。自分の情報をさらけ出してできる限り信頼を得ようではないですか。ここに集うは、みな反パラメキア勢力。国は違えどみなフリオニールとともに皇帝打倒を標榜してきた人たちです。どれだけフリオニールに貢献できたかが、この場でのポジションを決めます。
前回、地獄の中の憩いのオアシス・マハノンの町を発見し、飛空艇狂・シドとの再会を果たしたミンウは、しばらく逗留したい気持ちを抑えて、自分達の使命を考える旅に再出発することになりました。この町は俺が守ってやるぜ、グワッハッハというシドの頼もしい言葉もいただけたので、気兼ねなくこの町を離れることができます。とはいったもののせっかくの町ですから、武器・防具や道具を揃えていきましょう。しかし、ものすごい武器・防具・魔法があるわけでもなく、せいぜい初期装備のままで弱小だったヨーゼフ向けにちょっとした装備品を買うぐらいでショッピングは終了しました。追加シナリオ中にもう一つくらい町があってそこに強い装備品があるのかな、なんて期待をしてしまいそうになりましたが、これまでの経験からするとFFでは町に強い装備品は置いていないという傾向があります。ですから、マハノンには宿屋があるだけで満足ということにしておきましょう。町の人にいろいろ話しかけてみましたが、この町を築くまでに何人もモンスターに襲われて死んでいった・・・なんて陰気臭い話ばかりでした。中には、せっかく辿りついた町なのだから、自分の手で守り抜いてみせると息巻くおっさんもいましたが、所詮は少数派。自分の所在が不明な現状で、みんなため息をつくばかりです。
しかし、この町にはまだ隠された人材が潜んでいました。武器屋の品揃えにガッカリして店を出ようとしたときのことです。ふと、店の脇をみると鎚を振るうおじいさんの姿が。どこかでみたようなあの人は、「のばら」の合言葉をこよなく愛するフィンの名工・トブールさん、その人です。フリオニールがミスリルをセミテの滝から持ち帰ったときには、飛びつくようにしてミスリルを奪い去り、目を輝かせながら一挙にミスリル装備品を流通にのせてしまったというものすごい生産力を誇るじいさんであります。ただ、このジェイドにあっては武器の素材が思うように揃わないのか、ミンウの期待に添うような一品には巡りあえませんでした。ただ、アルテマの武器屋よりは強力な武器を扱っていたりするあたりは流石です。おそらく、このマハノンの自治は、シドの指導力とトブールさんの開発力によって保たれているのでしょう。住民はみんなオーガキラーや炎の槍を装備しているに違いありません。
封印の部屋という因縁の場所でミンウを待ち受けていたのは、直接の死因でもあった「アルテマ(?)の封印」でした。そして、今は「運命」的に大丈夫という怪しい根拠に基づいて再度封印を破る役目を買ってでたミンウは、封印に向かって魔法力の波動か何かを放ち、いつか見たような感じでその場に倒れこむのでした。どうやら、封印は2度目もちゃんと破れた模様です。そして、ミンウも2度目の死亡が確定・・・と思いきや、今回は息を吹き返します。前回の死亡は運命で、今回生きているのも運命なんだそうですよ。私はミンウの日々の研鑽による実力だと思うのですが、彼は運命を信じちゃうタイプのロマンチストなので、何もかも運命に還元して考えてしまうのです。フリオニールにあったときも運命を感じちゃってましたからね、在りし日の少女漫画の第一話のように。
封印さえ解いてしまえば、あとはアルテマをゲットするだけです。こうやってフリオニールもミンウの屍を乗り越えてアルテマの本を手にしたのですから。その本はマリアの手に渡り・・・結局ラスボス戦では、自主的に封印されたんでしたっけね。