前回、ヨーゼフをストーキングしていたボーゲン(ゾンビ)を、つきまとい禁止条項に基づいて逮捕(のち粛清)したミンウとスコットは、3人に課せられた宿命が何であるのか考え中です。キーワードは「フリオニール」だってことはわかっているのですが、ヨーゼフが参加しても結局考えはまとまらないままです。そんな余所見をしている3人に背後からT-ウィルスへの感染が進行したゾンビボーゲンがリッカーとなって背後からしのび・・・よってはきませんでした。でも、ほら、バイオハザード的に、ゾンビは倒したらファイアで焼いておきたいですね、念のために。今でもすばやいゾンビにおいかけられたあの時のことを思い出すと戦慄モノです。
ジェイドの中を3人で進んでいくと、またもや懐かしいキャラクターが現れます。リヴァイアサンの肛門のギョウチュウことラウンドウォームです。実際は、リヴァイアサンの口内でフリオニールたちを待ち伏せていた歯周病菌だったので、ホッとしたのを覚えています。そんなデンタルプラークはデンタルフロスで除去しないと、歯石となって歯医者さんでなきゃ除去できなくなりますので、要注意です。結構好きですけどね、歯医者さんのクリーニング。
するとそこに颯爽と現れたのは、仮面の戦士・リチャードです。竜騎士として名誉の戦死を遂げたこの人もまたフリオニールに幼い飛竜と未来を託していった人です。竜騎士といえば飛竜にまたがってナンボの職業だったはずです。地上では絶滅しかけていた飛竜も、もしやこのジェイドなら死してなお一緒に戦ってくれるのではないかなんて期待が湧いてきます。しかも、パラメキア兵によって同時期に大量に毒殺されていますから、大群で味方になってくれる予感。大挙して押し寄せる飛竜なんて画面的になかなかありじゃないでしょうか。
ボーゲンがヨーゼフを追ってきたように、やはりこのラウンドウォームもリチャードの臭いを嗅ぎつけてここまでやってきたようです。スコットだっておそらく生前戦って倒したサージェントと黒騎士に襲われていたことでしょう。でも、ミンウにはそんな因縁がないため誰もおいかけてきてくれなかったみたいです。追いかけられてもはた迷惑なだけですが、一人だけおっかけがいないというのも少しだけ寂しいですね。ミンウと因縁がありそうな敵って・・・ん?もしやセミテの滝の洞窟でミンウたちにミスリルを奪われた・・・「サージェント」!そうか、スコットと戦っていたサージェントこそが、ヨーゼフの娘を誘拐してサラマンドの住民を労役につかせていたあいつだったんですね。ちっとも気がつきませんでしたよ、小物過ぎて。
ミンウ→サージェント
スコット→黒騎士
ヨーゼフ→ボーゲン
リチャード→ラウンドウォーム
という対比構造があったのですね。そうなると、リチャードの相手だけ人間じゃなくてギョウチュウという点がひどく目立ちます。人と人の間には何かとドラマが生まれやすいわけですが、相手がギョウチュウだと対話も一切なく、本能だけで戦いを挑まれるので、なかなか感動できる話にはなりません。一方で「ミスリルを巡るフィンとパラメキアの代表戦」、一方で「カシュオーンの存亡を巡る皇子と敵の武将との戦い」、そして「政治的失脚からの卑劣な策謀と自己犠牲による若者の保護」といったすばらしいストーリーが紡がれた中、リチャードの組み合わせだけは「ギョウチュウ退治」という見出しで語られてしまうことになるのでした。
でも、それを補って余りある強さをリチャードは発揮しました。なんといっても一番最近までフリオニールと前線を張っていた仲間ですからね。ちょっとやそっとの強敵には屈しません。そして、パラメータも他のキャラとは段違いです。どうやらリチャードの戦闘能力をもって、このダンジョンの攻略には苦戦しないで済みそうな気がしてきました。
戦闘が終わると、ミンウとリチャードが話し始めます。そういえば二人は既に面識があったんですよね。この生まれも育ちもバラバラな4人にあって、唯一ミンウだけがヒルダ王女の元で多方面で活躍していて、顔が広いのでした。そんなパイプ役のためなのか、Soul of Re-Birthの主役に抜擢されたのも分かる気がします。
さて、リチャードとミンウいえば、実はクリスタルロッドを使ってアルテマを求めていたライバルでもあったわけですよね。結果的には竜騎士は全面的にフィン側についてくれたので、アルテマの本のことで喧嘩することもありませんでしたけどね。そして、リチャードはなにげにミンウの最後を看取っていたりもするんですね。超かめはめ波によってアルテマの封印を破ったミンウは、気功砲のように生命エネルギーを使いすぎて息を引き取ったのでした。で、その後このジェイドにすぐさま送られてきたわけですが、この場にリチャードがいるってことは、ダンジョン攻略中に皇帝が復活して、リチャードが殺されたってことになるんですね。いやはや、時間の経過が地上とジェイドでは異なるのかもしれませんが、リチャードが既にここにいることにはびっくりです。
ミンウさんにしてみれば自分の身を呈して手に入れたアルテマのことが気がかりです。この中で一番最近まで地上にいたはずのリチャードに、情報を求めます。
リチャード:アルテマは・・・マリアが・・・。
そう、私のプレイでは、アルテミスト・マリアとして、アルテマを使わせ続けた挙句、結局使い物にならなくて、最後には放置されていたという経緯があります。マリアは今では立派なケアリストです。そんなこと、我が身を犠牲にしてアルテマの本を入手したミンウには言えやしないよ。
なので、話題は強引にフリオニールとレオンハルトの引き抜きにいったときの話に移ります。アルテマのことはきっとうまいことごまかしたに違いありません。「レオンハルト相手には戦闘がなかったし、俺はその後復活した皇帝相手に死んじゃったから、アルテマの真の威力はわからないままさ。」なんて感じで。ミンウにしてみれば納得いきません。雑魚を相手に試しに使ってみたりしなかったのか?と深く追究したいところです。が、スコットとヨーゼフは「皇帝復活」の報せの方がびっくりなはずです。
そう、リチャード以外の3人は、竜巻の中で一度皇帝がフリオニールに倒されたことを知らなかったのです。ですから、「皇帝復活」と聞いてもピンときません。彼らの中で生きているはずだった皇帝が、いきなり「甦った」といわれてもメダパニもいいところです。FF風にいうとコンフュです。地上では皇帝の最初の死亡で、フィン国中がダンスを踊るほど喜び、皇帝の復活で再度落胆に沈んだというものすごい起伏があったわけですが、ジェイドの中の3人は死亡と復活を一度に聞いたため、微妙にリアクションがとりずらい感じです。
でも、「この地獄で皇帝がさらなる力を・・・」というくだりでやっと事態が悪化していることに気がつきます。プラマイゼロ、むしろマーイ。
さて、ここで「地獄」というキーワードが出てきました。4人がジェイドにいる理由には、フリオニールが関連しているというのは薄々わかっていましたが、「地獄」で皇帝が力をつけたという点も何気に関係してきそうです。この「地獄」には皇帝の力の源になるものがあるのかもしれません。もしかしたら、この4人に課せられた使命とは、フリオニールのために地獄でその悪の根源を断つというところにあるのではないでしょうか。だとしたら、このジェイドを抜けたところに何があるのかがとても大事なことになってきました。そこに黒っぽいクリスタル的なものでもあれば割るのが使命です。皇帝の人形でもあればそれを倒すのが使命です。水晶玉や鏡的なものがあれば、そこにフリオニールを映して友情パワーを送るのが使命です。4人揃えば、何でもできる。そんな気がした15の夜~♪