国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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アラボトに住まう神様

なんか神々しい人謎の宮殿の中を宝箱を漁りながら散策したミンウは、気がつけばもうこの建物の主っぽい出で立ちの人が眼前にそびえていました。何者かはわかりませんが、紅白歌合戦の小林幸子や美川憲一を彷彿とさせるその派手な衣装からは神々しいオーラが漂ってくるようです。よくみると玉座に座っていると見せかけて、足は下ろしていません。多分、玉座の上で正座をしているのでしょう。足元に霞がかかっているため目視できたわけではありませんが、ミンウの到来を居を正してくれているっぽいのだから、きっといい人に違いありません。

皇帝!?ところがどっこい、こいつの名前は「皇帝」でした。この世界の中で皇帝と付くキャラクターはパラメキアの皇帝しかいませんでした。また、フリオニールが世界中を駆けずり回った際に、政体に帝国制を敷いている国もパラメキア帝国だけでした。すなわち、こいつは異世界の皇帝であるか、憎きパラメキア皇帝その人、ということになりそうです。ただ、口調と顔が穏やかで、釣り目の能面・皇帝ともパンデモニウムに鎮座する皇帝(地獄バージョン)とも別人のような雰囲気です。
皇帝を名乗るこの男は、ミンウたちに向かって「ようこそ、聖なる戦士たち・・・。」と気さくに声をかけてくれました。皇帝なのに偉ぶってないところが好感度が高いですね。多分、そのうち「そなたたちのこれまでの活躍を冒険の書に記しますか?」とか聞いてくるに違いないでしょう。

あの皇帝とは違うらしいしかし、突然「皇帝」を名乗る男(?)に話しかけられて、ミンウ陣営も当惑しきりです。メンバーの中でリチャードだけは、能面皇帝も、ウボァー皇帝も両方対峙した経験がありますから、彼の知識が4人の状況判断に重要な役割を持つことになります。「俺が戦った化け物とは雰囲気が違う・・・!」しかし、リチャードにもこの人が皇帝かどうかはわからないようです。「目元とか似てるっちゃ似てる・・・かなぁ、自信ないけど。」みたいな曖昧な表現にならざるをえません。

別人みたいだすると皇帝の方から助け舟です。なんと、地上でのパラメキア皇帝の殺戮行為について、謝罪会見が始まりました。「彼のやったことは、僕から謝るよ」みたいな態で、4人の聖なる犠牲者に侘びをいれます。まぁ、もちろん「本人を出せっ!」って言いたいところですけどね。とにかく、この皇帝とあの皇帝とは別人だということはわかりました。先代の皇帝とかなんでしょうかね。後継者選びを間違えてごめんなさいって感じなのかもしれません。

別人じゃないんだと思ったのも束の間、やっぱりこの皇帝とあの皇帝は同一人物だと吐露しやがりました、この人は。能面皇帝だったこの人は一度、フリオニールに倒されて死んだことを認める発言があったのですが、じゃあ、死後にここにいるはずのお前さんが、どうしてパンデモニウムごと地上に再降臨しているというのでしょうか。実は双子でした、みたいなのは勘弁してくださいよ。双子で辻褄をあわせるのは「最後の手段」ですから、抜いてはいけない伝家の宝刀なんです。

ピッコロ大魔王と神様すると衝撃の事実が発覚します。死んだ皇帝は、「いい皇帝」と「悪い皇帝」に分裂したんだそうです。これはつまり、ナメック星人のような現象が起こったということです。人間にしては魔力が異様に強すぎるなとは思っていましたが、皇帝の力の根源にはナメックの血が・・・多分、龍族の出身です。いやはや、分裂して片やピッコロ大魔王に、片や神様になってしまったと考えれば理解が早いです。ピッコロ大魔王の方は、パンデモニウムに君臨していますが、こっちの善良な方はカリン塔のはるか上空でミスター・ポポと暮らしているわけですね。じゃあ、死んだはずの4人がここにいるというのもドラゴンボール的な力で、目の前の神様が復活させてくれたのかもしれません。ミンウの感じていた運命は、この神様皇帝との出会いに対するものだったのでしょう。じゃあ、謝罪を受け入れてマハノンでのんびり過ごすという選択肢もありうるというわけですね。

ここはどこ?ちょっと腑に落ちない感じのミンウが、良い皇帝に軽くジャブを入れます。謎の宮殿に入ったときに「ここはパンデモニウムっぽいぞ!」とみんなに告げてしまった手前、ここがどこであるのかはっきりさせておきたかったのでしょう。良い皇帝にここがどこなのか確認を入れます。生きているのか、死んでいるのか、やっと判明する瞬間です。

第七天アラボト「ここは天界の宮殿アラボトだよ」と親切にも良い皇帝が教えてくれました。なんでしょう、この素直な感じは。ぞんざいだった地上時代の皇帝とは大違いです。まるで「きこりの泉」に投げ込まれた「きれいなジャイアン」ぐらいの変貌ぶりです。
ちなみにアラボトという名称はキリスト教系の「天国」観が元ネタになっているようです。天国を七層にわけたうちの七番目の階層がアラボト(第七天)というらしいです。第七天ともなると、地上の物質世界とは相当隔たっていて、光とかエネルギーの世界らしいですよ。ミンウたちもパッと見た感じ人間の体でこれまで戦っていたかのようでしたが、エネルギーの塊が描いていたイメージだったのかもしれません。あぁ、すなわちこの状態が「ソウル」だったりするのかもしれないなぁ。

第二天ラキアそして、ジェイド似の謎の洞窟にも「ラキア」という名前がついていました。先ほどの元ネタからいうと「第二天」にあたるらしく、捕まえた堕天使を最後の審判までつないでおく場所に当たるとか何とか。
さらに突っ込むと「マハノン」の町は第四天にあたる場所で、エデンの園なんかがある場所なんだそうです。
他にも何かないかと探してみたのですが、第六天「ゼブル」がちょっと「ベルゼブル」と語感が似てるぐらいでしょうか。関係あるのかないのかは不明です。

僕らも堕天使?しかし、ミンウをはじめ、ここにいる4人とマハノンで暮らすシドたちは初め、ラキアで発生しているのですよね。良い皇帝も言っている通り、ラキアは堕天使の封印所にあたるわけですから、下手すればみんな「堕天使」扱いってことなんでしょうか。白魔導師にして堕天使になってしまったミンウ。背中の羽根が真っ黒に染まってしまったというのでしょうか。でも、それだと良い皇帝が最初に言った「聖なる戦士たち」と矛盾するような気がします。堕天使はどちらかというと「聖ならざる戦士」じゃないですか。

ここにくるまで天使はみなかったが不思議に思っていると、すかさず善い皇帝がフォローに入ります。考えが見透かされているのでしょうかね。どうも堕天使というのはラキアで倒していたモンスターたちのことみたいです。罪を犯した天使は魔物に変身させられちゃうんですね。パーマンの秘密がバレたら動物に姿を変えられちゃう・・・みたいな感じで、懲罰としての変身というのはいろんな寓話でも見かけられますね。まぁ、そんな元天使たちを熟練度を上げるためにバッサバッサと切り倒してきたわけですから、ミンウたちもちょっと罪深い気がします。魔物だからといって迂闊に殺すと、冤罪天使だったりして後で賠償請求されかねません。
堕天使といえば、ここにくるまでに「ルシファー」とも対峙しましたっけ。パンデモニウムの「アスタロート」なんかも堕天使仲間みたいですね。一体何をやらかしたら、宝箱の中に押し込められる罰を受けるというのでしょう。

この人はいい人なんだで、結局、悪い皇帝はパンデモニウムの主に、善い皇帝はアラボトの主になったんだそうです。なんだかとんとん拍子に出世が進んだようでうらやましいですね。魔力が高いとそんな優遇措置もあるんですね。それにしても、アラボトの主になってこの人は何をやっているんでしょう。地上に現れた自分の半身のことは放置しておいて、ミンウに謝罪されても困りますよ。あぁ、さては元は一つだった相方を殺すと自分も死んでしまうというジレンマがあるんですね。そんなところもドラゴンボールをなぞっているのかな。ドラゴンボールに神様が出てきた時期はFF2の発売時期と丁度重なるのですが、そのときに追加シナリオの構想があったのかは不明ですね。

でも、とにかくクライマックスを前に何だかすごいのが出てきましたね。長くなったので次回に続きを書きます。この段階では、善い皇帝は謝罪を申し入れてきているので、それを処理した上で今後のことを考えていかねばなりません。とにかく、ここがどこなのか、ミンウたちがどういう存在なのかが少しずつはっきりしてきました。