国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

« 女子はダメ | メイン | お兄ちゃん »

毒虫

クルーヤ父さんが反対派に暗殺されてまた少し時間が経ったようです。赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。順番的にセシルの誕生でしょう。お産の後で体力が落ちてそうなセシリアママを心配するお産婆さんをの声を遮るようにして、新しい生命をこの手で抱きしめたいと懇願するママ。大変そうですが上体を起こして「良かっ・・・た・・・。」とポツリ。そして、そのまま息を引き取ってしまうのでした・・・。この出産には母子の健康に不安があると周りから反対の声もあったようですが、セシルだけはこの世界に連れ出してあげたいというセシリアママのたっての願いだったんでしょうね。そして命を引き換える現場に居合わせてしまったセオドール少年の心境やいかに。

良心を立て続けに失った少年・・・つけ込むなら今かな。窓の外を眺めて、何か考えるセオドールは、ふいにベッドで寝ているまだ名前もない赤ん坊の元に歩み寄ります。「憎かろう・・・、弟が・・・」心に何者かの声が響きます。悪魔のささやきってやつですね。お酒を飲んでるときに「もう一杯くらい飲んじゃいなよ」って聞こえてくるあの声ですね。突然の声に驚くセオドールに畳みかけるように声が聞こえてきます。「おまえの不幸は、あの時から始まったのだ・・・」「弟さえいなければ、父も母も・・・」声に必死で抗おうとする少年ですが、自分の不幸に何か理由を見つけたくなるのは人間の性ですよね。そして、その矛先は一番結び付けやすい弟に向きそうな予感です。特に母親の死と弟の誕生は直接リンクしてますもんね。「おまえは…、毒虫だ・・・。朽ちた竜のむくろより生まれし毒虫・・・」この声の主がゼムスであることはわかってますが・・・あいつちょっとポエム挟んできましたよ。わけのわからない言葉で少年を絡めとるつもりか・・・。でもちょっと気になるキーワードがあります。「朽ちたのむくろ」の部分なんですが、ミシディアの伝承にある「の口より生まれしもの」のくだりにも竜が登場するのですよね・・・。父・クルーヤか母・セシリアを竜とみなすと、今両者は「朽ちた」状態になっています。その長男の敵意を次男に向けるのがゼムスの毒虫化計画だとして、竜の子とは何をする存在なんでしょう?

竜の口より生まれしもの

闇と光をかかげ

眠りの地にさらなる約束をもたらさん。

月は果てしない光に包まれ

母なる大地に大いなる恵みと

慈悲を与えん。

なんとなく再掲。約束をもたらすのは長男?次男?それとも両方?「その毒虫の名は・・・、ゴルベーザ・・・!」とにかく、竜の子は改名して毒虫になっちゃいそうです。

基本的にセオドール・・・あらためゴルベーザは父に似て能力高めなんでしょうね。やることが決まったら実践が早いです。要らない子は捨てる、という動きに出ました。自分で手にかけなかった点と、バロン国の目立ちそうなところに捨てた点にまだ良心の呵責を感じます。そして、兵士とともに赤ん坊を見つけるのは若かりしバロン王です。30台、40代くらいでしょうかね?時代的に20台の可能性もあるか。私が知ってるバロン王はもう白髪のひげもじゃですが、この頃はまだ頭髪に色がついてます。多分、ゴルベーザはまだこの辺にいて、弟が誰かに拾われるのを確認してたんじゃないかなってちょっと思いました。

捨て子に駆け寄るバロン王は、赤ん坊の顔からセシリアさんの面影を感じ取ります・・・ん?なんかあるぞ。バロンはクルーヤからたくさんの技術(飛空艇と魔法)を授かりましたが、なぜかクルーヤたちはみすぼらしい集落で暮らしてましたもんね。望めばぜいたくな暮らしも叶うでしょうに。バロン王とクルーヤに面識もあったはずで、セシリアとも・・・セシル・ローザ・カインの三角関数のプロトタイプが前世代にもあったのかも。王曰く「私が臆病だったばかりに・・・バロンを追われた人に・・・(似ている)。」だそうですから、まあ、バロンの上層部はクルーヤの技術で戦争を仕掛けるムードが高まっちゃったんでしょう。そして若き王はそれを止められる力がなく、クルーヤとともに思い人にも去られてしまったってとこじゃないですか?バロンの政体はわかりませんが、元老院だの議会だのあって、王国であっても王が政治に携われる範囲が多くないのかもしれませんね。オーディン化するくらい強いんなら戦時の英雄としての人気はすさまじそうな王ですけど。シドとブイブイいわせてたんじゃないですかね。

その後、セシリアの名前をセシルに継いだのはバロン王でしょうね。セシルを我が子のようにかわいがったのもセシリアのよすががあってのことでしょう。私が気になるのはセオドールの髪の色が両親よりもバロン王に似ていることでしょうかね。バロンの戦争の目論見は奇しくもゴルベーザによってなされるのですが、バロン王とゴルベーザの関係性も気になるところです。そして「良かった」と言い残して亡くなったセシリアの真意が「クルーヤとの子を残せて(良かった)」だとすると、ゴルベーザの憎悪に拍車がかかっちゃうなって思いました。これらは私の妄想なので、「ゴルベーザには月の民・クルーヤの血が流れていてゼムスの思念に狙われた」というのが通説なんでしょうけどね。

「おまえを身ごもった母と幼い私を残し・・・、父クルーヤは死んだ・・・。」回想シーンは終わりバブイルの巨人に舞台は戻ります。父親のツテで幼いゴルベーザと母は暮らしていけましたが、病弱なセシリアさんはお産で亡くなったと。多分、回想シーンは後から足されたもので、ファミコン版ではこっちのテキストでいろいろ察しながら話が進んでいったんでしょうね。「おまえさえいなければ・・・母は死なずに済んだのだ・・・!」これはゴルベーザにもセシルにも呪いの言葉でしょうね。親や近親者を失ったことがある人にはわかりやすいと思いますが、もっと何かできたことがあったんじゃないかって今さらながら考えちゃうことがあるんですよね。でも、セシルにそれをぶつけちゃうのは違いますよね。もうセオドール少年じゃないんだから。この辺、まだゼムスの妄執からの混乱を引きずってますね。後で冷静になって考えると、恥ずかしくてもだえるでしょう、ゴルベーザも。「そう思った私は・・・」あっ騙された。叙述トリック!ゴルベーザ、もう冷静でした!こっちが恥ずかしいわ!

バロン領にセシルを捨てた後、辺境でひっそりと生きたゴルベーザは弟を捨てた罪悪感に苛まれていたそうです。そして、今こうして生きて会えたことが正直うれしいみたいです。フフフ・・・知らなかったとはいえ、さんざんドツキ回されてきたんですけどね、こっちは。許しを請われても、いろいろあり過ぎて歩み寄るのがなかなか難しいですよ、これは。おぼん・こぼん師匠みたいに誰かの介入でもないとね~。

「ゼムスの思念を私が受けたのは・・・、当然だ・・・。」というと踵を返してきた道を戻っていくゴルベーザ。行く先を問うとゼムスとの決着はゴルベーザ自身で着けるってことらしいです。まあ、目が覚めて、弟を苦しめたことを自覚して、兄らしいことがしたくなったんでしょう。償いって難しいですね・・・洗脳状態であれば刑法的には責任能力の有無が判断される段階で無罪に傾くんですが、被害者心理としては何を言ってるんだ!ってもんですよね。少年の起こした事件なんかも刑事立法の趣旨と被害感情が食い違うのですよね。あれはあれ、これはこれってすっぱり分けて考えることが難しいんでしょうね。付け足された回想シーンをみたらセオドール少年の情状もまた変わってくるとは思いますが、現実にはそんなビデオはないわけです。今、ゴルベーザを裁くのはやめておきましょう。まずは兄ちゃんがセシルに代わって死地に赴こうとしていることについて考えたいです。

とりあえず、ゼムスの件についてはフースーヤも関係者ですので同伴するそうです。一応、バブイルの巨人は停止したので、地球の危機は去ったのですがゼムスの思念が第二の毒虫をいつ作り出すかわかりませんので、もうゼムスの息の根を止めちゃおうって流れですね。えっと、ゴルベーザにとっても、フースーヤは伯父に当たるってことになるのかな。「さらばだ・・・、セシル・・・。」と言い残して、お兄ちゃんもういっちゃいそうです。その時セシルは・・・つづく!