フースーヤ「目を覚ますのだ!」
フースーヤから白い光が発せられ、おじいちゃんは疲労から膝をつきます。光を向けられたゴルベーザは憑き物が落ちたように態度が急変します。「私は・・・、なぜあんなにも・・・憎しみにかられていたのだ」確か月でのフースーヤの話では、ゴルベーザ自信もまたゼムスにつけ込まれた被害者だったという見立てだったと思います。既に行われた多くの悪事への責任がゼロにはならないと思いますが、情状酌量の余地があるのかどうか、見極めるチャンスかもしれません。間接的に母を殺され、村を焼かれたリディア、恋人ごと城を爆撃されたギルバート、抵抗及ばずクリスタルを奪取されたミシディアやファブールやドワーフ国、何かついでに最強四天王に攻められたエブラーナ、友人が洗脳されたままのセシルとローザ、王様と国を好き勝手に使われたバロン・・・A級戦犯に明日はあるのか?
フースーヤに父親のことを問われ、「父・・・?クルー・・・ヤ・・・?」とセシルの父の名前がゴルベーザから飛び出します。セシル仰天!天涯孤独の身で育ての親のバロン王もオーディンに化けちゃったセシルにここで兄貴ができちゃいました。血縁を感じさせるような描写は何度もありましたが、これですっきりですね。ゼムスの協力な思念とやらに操られて、兄ちゃんが世界を滅ぼそうとしてたわけで、かなり複雑な心境ですね。実際に敵対してた相手が肉親だと突然告げられたらどうなんでしょうか、ルーク・スカイウォーカーよ。頭バグりそうですよね。理屈で行ったら他人みたいなものですが、何か兄弟間で感じるものがあったようですし、この感情を吐き出せるところなんて・・・フースーヤだってさっき突然知った祖父だし、父も試練の山で思念しかないし、育ての父もオーディン・・・。となればお母さんの存否が気になるところです。
フースーヤの話ではゴルベーザにも当然流れてる月の民の血が、ゼムスにとっては好都合だったようです。これはセシルもまたゼムスの影響を受けやすいことを表していますよね。暗黒騎士時代のセシルの精神が不安定な感じはゼムスの影響を疑っちゃいますよね。ローザにつっけんどんな態度だったのもゼムスのせいだったということにしておきましょう。バロン城左の塔の自室から眺めていた月からまさかそんな危険な思念が放送されていたとは・・・。
クルーヤの血を引く兄弟の争いに心を痛めたフースーヤは、さっきの発光で電池切れ寸前でしたが心労も重なってついに倒れてしまいました。エッジとローザが駆け寄ります・・・よかった、ぺちゃんこではない。セシルは自分のことで精いっぱいすぎて、うつむくばかりです。やはりメンタルが脆弱な子です。「僕は・・・、兄を憎み・・・戦って・・・。」ゴルベーザ討伐が自分にできる償いだと、それをよすがに頑張ってこれたセシルがまた道を見失いそうです。ゴルベーザもまた眼前の弟に驚いている様子。「でも・・・、もしかしたら逆の立場かもしれなかったんだ・・・。」何か解答を探し出そうとするセシルですが、「いや・・・、私は少なからず、悪しき心を持っていた・・・。」とセシルの考えはゴルベーザに否定されます。二人兄弟がいて、ゼムスに選ばれるのはやはりゴルベーザだったという主張です。「私は・・・おまえを見捨てたのだ・・・。」
ガガーン!!ショックを受けるセシル。ゴルベーザ兄ちゃん、ゼムス関係なくやなやつだったの?全然覚えてないけど、見捨てられたことがあるそうですよ。そして次の瞬間、回想シーンが挟み込まれるのです。回想するのは・・・ゴルベーザ!
話はセシリアさんの出産後のシ-ンから始まります。クルーヤさんに見守られているってことは、ゴルベーザとセシルの母親でしょうね。セシルの名前が母譲りであることは間違いないでしょう。ここで生まれたのはセオドールくんです・・・って誰?普通に考えたらゴルベーザは偽名でセオドールが兄ちゃんの本当の名前ってとこでしょうか?「セ」で始まってますが綴りはTh-はじまりでしょうからセシルとは発音が異なる「セ」です。セオドールは「神様の贈り物」という意味なんだそうです。名付けたセシリア母さん博学ね。セオ部分(θεός)がギリシャ語で「神」を表します。髭のクルーヤ父さんも名前に納得、二人はセオドールの未来に幸せしか覚えないのでした。
次の瞬間、舞台はベッドで値付けないセオドール少年の場面になり、ついにゴルベーザがプレイキャラになりました。寝室を出て自由に家の中を歩けます。隣の寝室にはベッドが二台あって片方にセシリア母さんだけ寝ています。母曰く、父は外でまだ何かしてるみたいです。夜も更けているので、早く寝なさい、と怒られちゃいましたが、セオドール少年の好奇心は家の外に向かいます。
外に出ると、プレーヤー側はまだ知らない集落でした。クルーヤが住むようになって、魔法や飛空艇技術が伝わり、村民からは便利になって感謝されるクルーヤ一家。ここから何を間違ってゴルベーザになってしまうのでしょう?村の中には便利な技術が戦に転用されることを危惧するおじいちゃんもいました。戦が日常的に行われている時代なんですかね?予想ではクルーヤの技術が一番浸透してそうなバロンの近くの集落なのかな?当時のバロンの国情とかどうだったんでしょう?好戦的なのか平和的なのか?クルーヤがこんな小さい村に身を寄せていることから察するに・・・バロンは必ずしもクルーヤが望むような国家にはなれなかったのかもしれません。この村の人にも「魔法を正しく使う」を律儀に守っても馬鹿を見る、と思っている人が多そうです。
クルーヤ父さんは村はずれの池の近くで空を眺めていたようです。湖面には月が映っているので、かぐや姫のように仲間(月の民)のいる星を懐かしんでいるのかもしれません。「ほんとに月が好きだね、父さんは。」その理由はセオドール少年がわかる齢になったらクルーヤが教えてくれるとのことですが、もう魔法も使えるようになったセオドール少年はいっぱしになったつもりなので、さっさと教えてほしそうです。「ケアルはマスターしたか?」という父の問いに言葉を濁しちゃっているので多分白より黒の魔法ばっかり優先して覚えちゃっているんでしょう。男の子は好きそうですもんね、攻撃魔法。まあ、年を取ると絶対回復魔法の方が尊いってわかると思いますけどね。ケアル下手なので今日のところは家に戻って床につけ、という父上の命令に渋々従うのでした。
家に帰ると、セシリア母さんが床に倒れこんでいるじゃないですか!すごい寝相・・・というわけではなく、多分セオドール少年が心配で起き上がって待ってたら倒れちゃったんでしょうね。顔色も真っ青だったので、母さんは多分病弱キャラです。この辺が「セシル見殺し」と関係してくるんでしょう。「無理せず、大事に育てるようになのよ。」「あなたの弟か、妹をね・・・!」この段階でセシルを身ごもっていることも判明しました。ゴルベーザとの年齢差は5~10歳くらいですかね?無邪気に弟の存在に喜ぶセオドール少年。まだ純粋ですね。私はずっと少年の髪の色が父にも母にも似てないことが気にかかってますよ・・・。まあ、緑髪の女の子がいるくらいだから、キャラ付け以上に髪の色に意味はなさそうですが・・・。
翌朝、この回想の転換点が訪れます。クルーヤさんの教え、多分技術や魔法の平和利用を説く内容だと思いますが、それをよく思わない者たちが魔法の伝道者を魔法で闇討ちするといういたたまれない事態が発生します。クルーヤならそんな輩を一掃するのは容易そうですが、自身の教えに準じて抵抗をすることはなかったそうです。・・・じいちゃん、現場をみてたんか?責めるわけではないけど・・・。池に月を眺めに来ている最中に暴徒に襲われる・・・治安が悪いですね・・・日本の田舎では想像もつかない状況ですが、海外には夜間の外出はとてもじゃないが無理っていう地域も多いそうですからね。ましてやFFの時代背景ですから、夜襲上等だったりするのかも。北斗の拳の世界かよ。
「間違っていたのかな・・・?私の・・・思いは・・・。」駆け寄る息子に弱気な心情を吐露するクルーヤ父さん。セオドール少年の言う通り、父の思いは間違っているとは思えませんね。少年は「悪用するやつが悪い」と単純でまっとうなことを言いますが、クルーヤ父さんもちょっと性善説に偏り過ぎたかもしれません。村人が危惧してた通り、誰しもがクルーヤ説に賛同してくれるわけはなく、人を出し抜いて利益を得ようとする者の登場を少しも考えてなかったらお人よしが過ぎます。理性の進んだ月の民ですらゼムスみたいな意見が出るんですから青き星の民なんてなおさらです。泣き叫ぶ母、こと切れる父・・・「ケアル・・・!」練習不足の回復呪文を何度も唱える息子・・・。
人間の悪意がゴルベーザを形作る最初の事件が起きました。回想編、次回に続く!