ついに飛空艇へと進化を遂げたエンタープライズ号に乗り、光の戦士たちは生まれ故郷である外の世界へと出航しました。しかし、なんだか外の世界は全てが暴風域で操縦もままならないといった状況です。はたして、本当に得られる情報があるのか、先行きが不透明なまま船は雲間に沈んでいきます。
ルーネス「なんだこの雲は!?力が吸い取られていくみたいだ。」
イングズ「ふんばれ!大地に行けば全ての答えがあるんだ!」
シド@カナーン「あやつら無事に大地に降り立ってくれるじゃろうか。お前たちだけが唯一の希望なのじゃ。」
アルクゥ「抜けた!?」
ルーネス「なんて広い!まるで別世界だ!!」
といったような描写を受けて、どうやら嵐の雲を抜けて、浮遊大陸の外側の世界に到着したようです。気分は天空の城ラピュタの竜の巣に突っ込むタイガーモス号ですが、幸いなことに誰ともはぐれることなく眼下に暗い海がみえてきました。どんよりとした黒い渦のような波間が雲のようでもあり、何もかもを呑みこんでしまったようです。DS上画面に映し出される地図には、何とか着地できそうな島が数か所見えるだけで、何もない終わってしまった感じの世界がただただ、戦士たちを取り囲んでいました。
終末を迎えた世界という描写は、20世紀の終わりかけのファミコン時代には漫画なんかにも多く登場していました。わかりやすいところでいうと北斗神拳伝承者のアタタなあの人の漫画なんかで生き残った人類がヒャッハーってなっているあの感じですね。米ソの冷戦の中で人類は核戦争で破滅するというのが実際に起こりえた時代ですので、変なリアリティがあった時代です。そういえば、最近は世界的に不況になって、いろんなところでリアルにヒャッハーしてますね。金融に強い地域なんかはITを駆使してヒャッハーされてました。あとは独裁政権のひざ元あたりもそうですね。今時の暴動はちょっとあの頃とは性質が異なるのですが、暴力という原始的な手段がまかり通る世の中っていうのは、FF3で言うところの闇が蔓延した無秩序な状態と似た状況なのかもしれません。とりあえず、遠くに見える島にいって、人間を探してみましょう。できればモヒカン刈りではないことを祈りつつ・・・。
最初に見つけた島は中央に神殿と北に洞窟があるだけの小さなものでした。オーストラリアのタスマニア島みたいな小さな群島もついてましたが、岩だっていて侵入はできそうにありませんので、本島の方にエンタープライズ号をつけます。神殿の方は「水の神殿」という名前でクリスタルが何かの力によって守られている場所のようでした。水の神殿のクリスタルですから、きっと水のクリスタルなんでしょうね。今後このクリスタルの力も借りるであろう予感がしつつも、ルーネスたちの手は届かなそうなので、北の「水の洞窟」の方に移動します。・・・しかし、こちらも入口の扉が閉ざされた状態で、中へのアクセスができません。まだ、この世界に来て人と接触をしていないせいもあって、なんだか拒絶されたような気分で気が滅入ります。
他に行く当てもないので、エンタープライズ号は渋々地図の北の方にみえる小さな点を目指すことにしました。ここに何もなかったら、浮遊大陸に戻ってシドに「Nothing!」と報告するしかありません。ちょっと生まれ故郷という響きに胸を躍らせていたルーネスはややテンションが下がっていますが、着いた先にあったものをみて、再度目を輝かせます。そこには一隻の難破船が漂着していました。神殿に続いて二つ目の人工物ですから、人がいる可能性がいくらか高まります。さっそく乗りつけて、中を物色すると「ブラッドソード」や「ゼウスのいかり」といったアイテムが見つかりました。これでこの旅の最低限の戦利品を得ることができましたが、どうやら船内から人の気配がしますので、中をちゃんと調べて回ることにしました。
暗い難破船の中には、頭巾をかぶったおじいさんと、ベッドに横たわる女性の姿がみえました。船内が暗いせいか、はたまたローポリゴン描写の成果、女性の年齢までははっきりわかりませんでしたが、何やらおじいさんが女性に向かってなにか訴えている様子。「あわわ、エリア様、大変ですぞ。このままではわしらの時間も止まってしまう。」あわてるおじいさんにルーネスがかけより気持ちを落ちつけさせます。この何もない世界に揺れる難破船で若い女性とあわてるおじいさんという不思議な状況をなんとか説明してもらったところ、この世界は闇に覆われてから時間が停止してしまい、エリアという女性がそれを何とかしようとした結果、昏睡状態に陥ってしまたということらしいのです。しきりにおじいさんはエリアという女性の容体を気にしていますが、さっきの話しぶりからすると、この女性が何らかの力を閉ざすといよいよおじいさんを含めてこの世界の時間は完全に停止してしまいそうです。ひょっとしたら、ルーネスたちだって、そんな闇の時間停止現象に巻き込まれるかもしれません。こんなときは万病に効くエリクサーの出番では?とカナーンのシドの奥様の時の要領で口に苦そうな薬品を含ませてあげると、たちまちこのエリアという女性が目を覚ましました。基本的に気を失った女子を起こすときは王子様がキスをするものと相場が決まっているのですが、我がパーティーのメンバーはガキ大将、いじめられっ子、男勝り女子、軍人という編成なので、残念ながら彼女を起こすには荷が重すぎます。「おとめのキッス」なんてアイテムならあるので、そこらに蛙でもいれば、王子様を調達できた可能性も少しはあるのですが、難破船には他に生き物の姿はありませんでした。まぁ、こんなときにデッシュがいたら、とりあえずあいさつ代わりに自然な感じでキスをしてもらうんですが、彼の生死はいまだ不明です。
とにかくエリクサーでよかったみたいなので、目を覚ましたエリアから話を聞いてみましょう。目を覚ますと、まずこの子自身も状況がうまく飲み込めないようで、謎の4人組と難破船の中という状況に戸惑っていたようですが、「えっ」と驚いた様子でルーネスたちの胸元に視線を落とすと「あなたたちの心の中のその光・・・」と何かに気がついたようで、少し安心そうな顔をみせてくれました。とりあえず、ルーネスがクリスタルに導かれてやってきた旨を説明すると、「クリスタルが光の戦士を選んでくれたのね」と笑顔になりました。この子はひょっとしたら光の戦士が選出される以前よりも何かと戦っていたのでしょうか。随分と喜んでいるようですが、光の戦士の来訪がすなわち時間の流れを元通りにするというわけではなかったようで、船の外は依然として暗いままです。どうやら、このエリアを水の神殿に連れて行き、この子の持つ水のクリスタルのかけらを封印されたクリスタルに捧げれば、状況の改善がみられるらしいので、エリアからお願いされた通り、彼女を水の神殿に連れていくことにしました。ちょっと気にかかるところは、エリクサーを飲んだとはいえ、彼女が会話の途中で「ゴホッ」と咳を一つ入れたことです。彼女の体力は相当消耗していると思われますので、水の神殿まで同伴することにはいくらか抵抗があります。しかし、この世界を戻すためにはどうしても水のクリスタルの力添えが必要らしいというおじいさんの情報もあるので、エリアをパーティーに加えて、先来た道を戻って水の神殿に向かうことにしました。咳払いをするキャラにいい未来はあまりない気がしますが、覚悟してお連れいたしましょう。