浮く巨木 浮く巨木

国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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空席の円卓

浮く巨木

生きている森に生息する妖精のお願いで、ルーネスたちは城の姿に変えられて空を浮遊している森の長老を救出すべく、トルッカの南の砂漠に移動しました・・・が、前と変わらず巨木はプカプカと空を浮いているのみでした。妖精との会話で何かのフラグが立ったんだろうなと思っていたのですが、城は降りてくる気配がありません。やっぱり天空の装備がないと入城できないということなのでしょうか。これで陸続きにアーガス城に行くことも、森の長老を助けることもできなくて詰んでしまいました。

でも、まぁ、ルーネスたちにはまだエンタープライズ号っていう頼もしい相棒がいるわけで陸がダメならパンを食べればいいじゃないってことで、フランスを革命しながら、海路で新しい土地を目指します。途中、アーガスの兵隊にボロボロにされたトルッカに立ち寄って何とはなくルーペ機能で町の中を覗いて回ったら、未回収の道具が三つも落ちてました。隠れアイテムは近寄ってみないとわからないという、このゲームの基本的なところをすっかり忘れていたので取り損なっていたのですね。「氷の杖」「ラミアのうろこ」「グレートボウ」をゲットしたのですが、「ラミア」っていう単語にちょっとひっかかりを覚えました。ドラゴンクエスト3には卵からラーミアという怪鳥を復活させるイベントがあるので、その辺がどうしても意識されます。「不死鳥」をモチーフにしたこの鳥は、ドラクエ8に再登場したときには「レティス」って名前で、似たような鳥のキャラクターとして、西洋では「フェニックス」、中国では「鳳凰」、「朱雀」、手塚漫画では「火の鳥」、車田漫画では「一輝」など様々な存在が確認されています。でも、このアイテムの名前は「ラミアのうろこ」です。鳥だったら「ラミアの羽根」となりそうなところじゃないですか。とりあえず、Wikipediaさんにおうかがいを立てたところギリシア神話では・・・

・子供をさらう化け物
・ポセイドンの娘
・子供の血を吸う吸血鬼
・デルポイの怪物
・子供をさらう女の幽霊

といった扱いをされているとのこと。ゼウスとくっついて、ゼウスの奥さんの怒りを買うという典型的なギリシアあるあるの結果、自分の子供が皆殺しにあって、他人の子供を羨んで食べちゃうようになって下半身が蛇の化け物になったというのがラミアのイメージでしょうかね。となるとラミアのうろこは下半身の蛇部分のものと考えればよさそうです。ラーミアからレティスへのネーミングチェンジの理由にもなりえそうな壮絶な女性です。さて、この「ラミア」をWikipediaでひくという行為、なんだか既視感を覚えませんか?このブログを読んでくださっている方の中には、「あれ?なんか前にも?」って気持ちになった方もいらっしゃるかもしれません。そう、我々は知っている。あのベッドに横たわるヒルダ王女の下半身が蛇に変わる瞬間を!そう、FF2の主人公フリオニールのさらした一番の醜態でおなじみの連れ帰ったヒルダ王女が偽物だったことが判明する場面に、既に「ラミアクイーン」というキャラクターと触れ合っていたのですね。断じて触れ合ってなどいないと、フリオニールさんはおっしゃいますが、レイラ姉さんがしっかりと目撃しています。あのラミアを思い出すと、このうろこの所在に少々戸惑います。

ルーペ機能ともう一つ、「連れと話す」機能というのもこのゲームにはありまして、ちょくちょくデッシュに話しかけているのですが、彼がいうには「『アーガス王が飛空艇の秘密を知っている』とカナーンで聞いた」とか、アーガストークを始めてくれました。アルクゥのような学者肌には「飛空艇の秘密」という単語が刺激的だったらしく、もう一度乗りたいとはしゃぎだしたのですが、一度、飛空艇墜落という大事故に遭遇しているルーネスは金輪際乗りたくないとのことでした。そう考えてみると、アルクゥってちょっと浮世離れしたところがありますよね。原発事故で国民は放射性物質に怯える中、科学者的立場の人が、「今回の事故を糧により安全な設計の原発を建造しよう」と主張している姿にもちょっと似ています。まぁ、ルーネス的な態度と比較して是非を問うても仕方のないことですが、二者の主張の違いがキャラクターを形作っていると思います。頭で考える人と体で考える人、バラエティに富んでいますね。デッシュがアーガスの話をするということは、船の舳先はアーガスがあると思われる北の方に向けるのでOKそうです。トックルの北に碇泊中のエンタープライズ号に乗り込みましょう。

円卓の騎士

海路を北に進むと、目前に立派なお城の姿がみえてきました。この辺でお城といえばアーガスらしいので、おそらくはこれがアーガス城なのでしょう。妖精の話によれば、この城には神官・ハインという魔道師がいるはずです。そして、アルクゥ予想ではこいつがアーガスの兵士を操って悪いことをしているはず。バリアチェンジという弱点を変更する技能もあるらしいので、心して突入しましょう・・・・って誰もいないっ!こんな立派なお城ですが、入口に見張りの兵がまずいません。中をお邪魔させてもらうと王族がいると思われる上階への階段にも誰も配置されていません。城中を隅々まで探しましたが、隠し部屋の宝箱に「ボムのかけら」「南極の風」をみつけたぐらいで、人の気配はゼロでした。城の屋上では水が流れていて、その水の力でルーネスたちの体力が回復したのはよかったのですが、神官・ハインがいないことにはこの有り余る体力をぶつける対象がありません。この不審な状況に一同いぶかりますが、あまりにもヒントがなさすぎて全員沈黙です。誰もいない広いお城で5人が歩みを止めて黙りこむと、不気味な静寂だけがあたりを支配しました。

そういえば、このアーガスの城の調度品に円卓を発見しました。太陽を象ったような文様のついた円卓でして周りにはいくつかの椅子、卓上には何かの資料のような紙が散逸しています。ファンタジーの世界で円卓といえばやはり「Knights of the Round Table(円卓の騎士)」が連想されますね。アーサー王とその忠実な12人の騎士です。詳しいことは知りませんが、「ガウェイン」とか「ランスロット」とか「パーシバル」とか「トリスタン」とか、WJ漫画ライジングインパクのキャラクター名として覚えているものもいくつかあります。鈴木央先生は、ウルトラジャンプから週刊少年サンデーへと転身を遂げていかれたので、今、どんな漫画を描いているのかよく知らないのですが、ブリザードアクセルまではコミックスでおいかけてました。金剛番長は1巻だけ読んで挫折しましたが、風の噂ですごいヒットしたと聞きました。番長っていうモチーフはギャグ漫画以外だと扱いが難しそうですね。そういえば暴走族モチーフの漫画ってまだあるんでしょうか。今時の若い子が憧れるチョイ悪な偶像がパッと思いつきません。まぁ、ルーネスもお年頃ですから反抗期の一つや二つ訪れてもいい頃です。時代背景からすると町のゴロツキとか海賊に憧れる時期とかあるのかもしれません。もしくは身近に「兵士長」とかいそうだし、そっちに憧れるのか~、この時代。私としては、アルクゥが反抗期を迎えられるのかどうかが気がかりです。トパパ長老やニーナお母さんもルーネスは放っておいても大丈夫くらいに思ってそうですが、素直すぎるアルクゥは返って心配なんじゃないでしょうか?反抗期といえば、レフィアなんかは最たるもので、反抗期女子の鉄板行事「家出」を繰り返す不良少女でしたよね。体が子供から女性へと変化する第二次性徴期ですから、心の方も不安定になりがちです。

空っぽのアーガスを後にし、再び行くあてを失った一行は、エンタープライズ号に乗り込み、まだ見ぬ外洋へと進みだすのでした。