国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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飛行少女R

飛空艇でくだくってえぇ~~~~~~っ!といった感じでルーネス一同は仰天です。なにがってシドさんがものすごい計画を飄々と語るからです。前回、シドを仲間に引き入れて、鍛冶屋のタカの元へレフィアを取り戻しにいったのですが、そんな事情は一切お構いなしにシドがタカに「ネルブの大岩をくだこうと思うんじゃ」とか言い出すじゃありませんか。カナーンで待つばーさんへのはやる気持ちはわかりますが、サスーンとカナーンの国境線でもあるパルメニ山脈の峠道を塞ぐ大岩を、個人でなんとかしようというチャレンジ精神に唖然とするばかりです。通常、こういう場合は通商の妨げになることを理由にサスーン王国の負担で国策事業として「ネルブの大岩除去工事」を計画し、業者に入札を募って、業者間の談合と入札担当者による発注予定金額のリークを経て、(不)適切な業者が選定されて、国税を投入して工事にあたるも、当初の予定以上の工期が必要であることが判明して、追加の予算繰りを検討中に、民間団体からのつきあげを食らって、行政訴訟にまで発展して、ぐだぐだと何年も工事が着工しないまま政権担当者が交代しちゃって、当事者の誰もがよくわからないまま迷走するというプロセスを経てやっと決着がつくものですが、シドじいさんほどの男気を持ってすれば、「よっしゃ、わいがいっちょやったる」と大岩の一つや二つガツンと砕いてくれるんですね。改めてすごいです、じいさん。

驚異のミスリルパワーはたして、どういった手段でネルブの大岩を砕くのかというと、じいさん曰く「飛空艇にミスリルの船首をつけてもらって、ドッカン」ということらしいです。ん?船首っていうのは船の舳先を含む前面部分ですよね。そこをミスリルで強化するということはすなわち、正面から飛空艇で大岩めがけて突入するって意味でしょうか?私にはじいさんの言うことが理解できないのですが、そういえば日本人は先の大戦でそんなことをしていたっていう話はとても有名ですね。俗に言うKamikazeってやつです。滅私奉公の最上級の活用事例です。シドさん、あんた国に残した女に会うって言ってたじゃないか!?

秒速の業一気に不安を募らせるルーネス。さっきシドを仲間にして「カナーンに連れて帰る」ことを約束したばかりですが、ひょっとしたら、大岩への突撃作戦には自分も含まれているのでありましょうか、隊長殿!思いとどまらせる間もなく、ミスリル鍛冶のタカが「ちょっと待ってな。おい、レフィア手伝えっ!」と工房にこもり、しばらくすると「できたぜぃ」とまた姿を現しました。平然とシドの自殺行為に手を貸すのもやはりお上(王様)への忠義からなんでしょうか?さようなら、ニーナ母さん。ぼくはここで国のために命を捨てます。
それはともかく、船首の改造なんていう大掛かりな作業をあっという間になしとげるこのタカという男、恐るべしです。必要になるミスリルの量を見積もって、工費や工期を出して、クライアントであるシドの了承を得るというプロセスを一切省いて、二つ返事でこの大作業をやってのけやがりました。シドとタカはどうやら相当のツーカーの仲のようですが、見積もりも確認しないシドの財布はさぞかし大きいことなんでしょう。そんな金持ちの無茶ブリをこれまでもいろいろとこなしてきたのでしょうね。偉大な職人を育てたのはわがままで金持ちなクライアントだったというのは、他の業界にも当てはまりそうな図式です。

やっぱり家出少女なんだか、ものすごい大人二人のやり取りに翻弄されて、肝心のレフィア奪還が叶わなかった三人は、渋々とシドに続いて外の飛空艇に乗り込みます。クリスタル様の御心に導かれた4人でしたが、早くも一人脱落です。理由は「お父さんがうるさいから」という一人娘にありがちなものでした。
しかし、我らがレフィア嬢。そこは頼りない男子三人と違ってしっかりしています。飛空艇の中に待ちくたびれたといった態でいらっしゃいましたよ。そう、この子も初志貫徹、家出をやり遂げることを決意した模様。家出といえば不良少女には定番の初歩の非行ですが、レフィアさんのは「クリスタル様お墨付き」の家出ですから大義名分で道理が通ります。心配性のタカには悪いですが、この娘はこのまま連れて行ってしまうことにしましょう。夜回り先生にだって手出しはさせない意気込みです。

宿命優先我らがアリーナ姫ことレフィアもクリスタル様に与えられた使命のことは大事に思っているようです。世界で一番「会心の一撃」を出したいといった自己研鑽が目的でしたら、タカは絶対大事な娘を止めるでしょうが、彼もユーレイ化を経て薄々世界がやばい方向に向かっていることに気が付いているのでしょう。そして、それを食い止めるのがレフィアに課された使命であれば、許さざるをえなくなるはずです。まだ、義理と人情の板挟みにあって、素直にレフィアに外出許可を出せないようですが、いつかわかってくれるでしょう。再び訪れた娘の不在に彼は何を思うのでしょう。走馬灯のようにレフィアの成長シーンが頭をよぎり、頬を伝った涙が熱い金属に落ちてジュッと蒸発するわけです。あぁ、そんなのはレフィアの嫁入りのときにやってください。

みんなみなしごここでレフィア的にも父親との思い出が頭によぎります。「みなしごだった私を育ててくれた父・・・」しかしそんなフレーズから思わぬ方向に話が進みます。

ルーネス「お前もみなしごかよ。」
アルクゥ「実はぼくらもなんだ。」
イングズ「ちょっと待て、私もだ。」

まるで超新塾のコントを見ているかのようなきれいな流れです。「俺がみなしご」「俺がみなしご」「俺がみなしご」「4人もいたらややこしなるやろ」
まぁ、これは全てクリスタル様が仕組んだことなわけです。4人とも出生が不明なのは、何らかの力でクリスタル様に生み出された存在とかそんな感じなんでしょう。プレーヤー的にはそんなクリスタル事情を察していかないとならないわけです。クリスタルパワーで発生したクリスタル人間が、通常の人間コミュニティの中で生涯を平穏に終え、また子孫を残すことが可能であるのかどうかはわかりませんが、世界が平和になったからという理由で、4人が消えてしまわないことを切望します。サラ姫とかニーナお母さんとかタカがかわいそうだし。