国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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ウルのいじめられっ子

お買いもの育ての親のトパパ村長から、本当の親が他にいたことを告げられ、さらにクリスタルに世界を救う希望の種として選ばれたことに意外な顔をされたルーネスは、それでもクリスタル様のご宣託の通り、仲間を探す旅の準備にいそしむのでした。
準備と言えばやはりまずは武器・防具・魔法・道具といったアイテムのショッピングです。冬物の新作を探し歩くOL女子のように、ウルの町のいろんなお店をグルグル巡ってみることにしました。
まぁ、さすが田舎村のウルですから、品ぞろえには期待できませんでした。とりあえず、ゴブリンからせしめたお金でポーションを揃えておきましょう。どくけし、めぐすりはとりあえず後回しです。毒を撒き散らしたり、視界を眩ますような敵が出るエリアに入るまでは、不要なアイテムですからね。FFの状態異常についても少しずつ慣れてきました。とはいっても、いまだにエスナとバスナの使い分けを説明できません。
下画面でショッピング中は、上画面で店内をキョロキョロ見回すルーネスの姿が確認できます。そういう細かい演出が嫌いじゃないですよ。実際にお店に入ったら、陳列された商品をあれこれ手にとってみるでしょうからね。「アイテムリスト」から選択して買うというのがRPGのスタンダードな気がしますが、レストランやネットショッピングじゃあるまいし、実店舗ではやらないですよね、そんなこと。こういう買い物シーンにこだわったRPGというのがあってもいい気がします。っていうか、女子のゲーム購買につながると思います。着せ替え大好きですもん。防具の試着シーンとか力をいれるとなおよしです。下手すると防御力よりもファッション重視で買い物しますよ。鉄仮面ださ~い、みたいな。ドラクエ6リメイクのときはぜひ!目指せ、ベストドレッサー!

突然踊り出す女買物の途中、酒場に寄ってみましたところ、昼間からたくさん人がいらっしゃいます。ドラクエだと昼の酒場は準備中なことが多いのですが、ここはそんなことはなさそうです。そういえば、昼と夜という時間帯の概念は、ドラクエだと3で初めて導入されたんでしたっけね。FFだとそこらへんどうなんでしょうか。夜のグラフィックを用意したり、夜用のメッセージを書いたりしなきゃなので、面倒くさい概念ではあると思いますが、情報の隠し場所が4次元的に広がるので、冒険の幅にも厚みがでるんですよね。やろうやろうと思って、結局できずじまいだったゼルダシリーズのムジュラの仮面がそこらへんを追及してくれていたように思いますが、あれはシステム的にうまくできていたのでしょうか。過ぎ去った時間が戻らないとなるとちょっとユーザはしんどいかなぁとも思いますけども。
酒場というと社交場ですから、昼から営業しているところも普通にあったんでしょうね。別にお酒を飲まなきゃならないわけでもなし、タバコを吹かしたり、お茶を飲んだり、今の喫茶店みたいな場所だったのだと思います。
そんな田舎村のサロンで、とある女子に話しかけると、突然ピアノの前で踊りを披露し始めました。あまりの唐突さにルーネスは口をあんぐりとあけて、ポカーンとした表情ですが、そんなことはお構いなしにちょっとおしゃれした赤いリボンの女の子は踊り続けます。この曲は歌劇カルメンの中で使われるハバネラという結構有名な曲ですね。なんだか聞き覚えがありますよ。まさかカルメンのように情熱的にルーネスにアプローチしているわけではないでしょうね。
こんな田舎村の酒場でもきれいに着飾った踊り子のような娘がいるんですね。このダンスで生計を立てていたりするのでしょうか。多分、よく踊れたら、村民たちからポテトや卵などが現物で支給されるのでしょうね。だから、彼女の夢はもっと都会に出て、スポットライトを浴びながら踊ることです。そして、ちゃんと出演料をもらって生きていくのです。まぁ、都会でやっていくには、コスチュームの露出や煌びやかさが足りないと怒られるかもしれませんが、それはおいおい頑張ってもらいましょう。
仮にこの子を「カルメンちゃん」と呼ぶことにし、今後も暇を見ていろんなダンスに挑戦してもらうことにしましょう。
踊り子で思い出すのは、FF1コーネリアの大臣のことです。物語の序盤では、情報通として戦士・エフエフにいろいろなことを教えてくれた大臣の秘蔵っ子の踊り子がいましたっけね。こういった酒場を出入りすることが多いのか、キャバ嬢ぐらい世情に詳しいのが踊り子というものなのかもしれません。カルメンちゃんとも心を通わせるうちに何か面白い情報がきけたらいいですね。

ピアノ練習中そんなカルメンちゃんの後ろのピアノが気になったので調べてみると、ルーネスが突然、演奏を始めました。なんとルーネスには、好奇心旺盛、天真爛漫属性以外にも、意外な音楽的才能が隠されているのでした。と思いきや、指の滑りが悪く、ガタガタの演奏です。一応、エリーゼのゆうう・・・もとい「エリーゼのために」の形にはなっているものの、運指がたどたどしくてこれといって魅力を感じさせてくれません。要練習ですね。
さっきのダンスといい、ピアノといい、芸術的なアプローチがFF3に見受けられましたが、これは何かシステム的な傾向なんでしょうか。まさかジョブチェンジの末「音楽家」になって、モーツァルトのようなグルグル巻きのかつらを装備できたりするのかもしれません。ヨホホイ♪やっぱり旅の仲間に音楽家は必須です。ってルフィ(One Piece)も言っていました。
ジョブチェンジの夢が広がってやまないのですが、水墨画家とか、トランペット奏者とか、振付師とか、俳優とかあったら楽しいですね。その場合、推奨ジョブは「漫画家」になります。岸部露伴的なスタンド攻撃や水木しげる先生的な点描攻撃を繰り広げたいところです。「編集長」という天敵ジョブに気を付ければきっとすごい攻撃力を誇りますよ。

カナーンにはまだいけない酒場での情報収集の中で新たに地名が出てきたので、ここにメモっておきましょう。先ほどの大地震(ルーネスが祭壇の洞窟に落っこちた地震?)のせいで、ネルブの谷が岩で閉鎖され、カナーンに行けなくなったとのタレこみから考えるに、パルメニ山脈で囲まれたサスーン王領の隣にカナーンという領土があるのでしょう。高い山が屹立するパルメニ山脈のうち、ネルブの谷は交通の要所となっているのでしょうね。ここが閉じてしまった影響で、カナーンとの通商が断絶してしまったということでしょうかね。そう考えると昔の商人って大変だったんですね。今は流通がシステマチックに整備されているので、遠くの国の商品も簡単に手に入れられる時代ですが、この時代、海が時化ても、土砂が道を塞いでも、商人の生活に大打撃です。それどころか生活必需品の流通が困難になる地域だっていっぱいあったのでしょう。
このウルは、基本的に自給自足で成り立っているので(憶測)、カナーンとの交易がどの程度重要であるかは不明ですが、道具屋で「エーテル」が売っていないのは、そういった背景があるのかもしれませんね。

ジョブの勉強さて、酒場をあとにし、引き続き街中を散策すると、とある民家のご年配がジョブのことを教えてくれました。どうも、現在のルーネスのジョブのことを教えてくれるキャラクターらしく、「すっぴん」の特徴を簡潔にまとめて教えてくれました。

・レベルの低い呪文が使える
・ステータスは低め

これがすっぴんの特徴です。なんというか貧相なジョブです。でも、呪文が使えるならたいしたものです。「レベルの低い呪文」という単語が気になったので、ステータス画面を眺めてみたら、どうもFF1のときみたいに、呪文にはランクがあって、魔法の習得には、一定の条件を満たしている必要があるみたいです。FF2みたいに呪文ごとに熟練度を上げていくというシステムは確かにわかりづらいところもありましたからね。「ランクの高い呪文=威力が強い呪文」という方がわかりやすい気もします。使い続けているうちに威力が増していくというFF2のシステムも嫌いじゃなかったんですけどね。修行して強くなるみたいな感覚が。

泉は簡易宿そのほかにも、最初の村だけあって、村民が冒険に役立つ情報を不自然なほどにたくさん話してくれました。「クリスタルの光を暴露すると、泉でHPや戦闘不能状態を回復できる」なんて雑学めいた知識まで披露される始末です。昨今のお笑い芸人のように、町中が雑学的知識を得ることに貪欲なようです。多分、テレビ番組の影響ですね。どのチャンネルを回しても、漢字のクイズとかやってるご時世です。最近テレビをみる時間、減ったなぁ。
とにかく、この村民の雑学によって、祭壇の洞窟の泉のほとりで体力が回復した理由がわかりました。美しい水のある風景に心情的に癒されただけでなく、物理的にもヒーリング効果を受けていたということですか。クリスタルから放射される光線には、人間の細胞を変質させる効果があり、変質した細胞は泉の水を媒介として、血液の循環を促進して、疲労や外傷への生理的治癒能力を高めてくれるに違いありません。要するにキン肉フラッシュと同じ光線なわけですね。わかります。
こういった場合、一番気になるのは副作用です。光線による細胞の変質が、有害でないとも限りません。極端に免疫力が落ちるとか勘弁していただきたい。血液の循環量の増大とともに血管壁の消耗が激しくなるとか。ルーネス30代の頃には60歳の体ですね、なんて診断されたりしないでしょうね。

スイッチをレミラーマもっと人間ドラマ部分をたくさん書きたいのですが、予想以上にシステム部分で言及したいことが多くて、長々と書き続けてしまいました。お付き合いいただきありがとうございました。そして、もうちょっとだけ続くんじゃ。
村の北の方にいるおじさんに「不要になったアイテムをやる」と言われ、アイテムがあるという村の裏の林に入っていくと、一応村の中であるにも関わらず、ゴブリンの強襲にあいました。人通りの少ない場所は、例え村の中であっても気をつけないといけないようです。私の実家のある田舎は、ゴブリンはさすがにでませんが、ちょっとした林が近所に残っていまして、そこを歩くといろんな虫や蛇が出るものでした。通っていた小学校なんかは完全に山の中だったので、アホみたいに枯れ枝を振り回して、落ち葉や下草を踏みしめて暴れていました。きっとゴブリンなんて山で出くわす小動物みたいなものなんでしょうね。だとすれば、村の中にいたって、ちっともおかしくはありません。
林道を抜けると、立派な建物があり、中に入ると青い服を着た髭のおじいさんが、隠しスイッチシステムのことを教えてくれました。隠しスイッチをみつけて押すと、アイテムがみつかったり、隠し通路が開いたりするらしいのですが、2Dで表現できなかった遠近感を使ったギミックですので、カメラ操作ボタンを駆使しないとそのスイッチは発見できないのだそうです。ちなみにスイッチがある場所をアップにすると、キラキラとレミラーマを唱えたときのように光りますので、それが目印です。
さっそくこの部屋の燭台に隠されたスイッチをポチッとしてみると、ゴゴゴゴという音とともに右手の壁に隠し通路が現れました。最初のおじさんが言っていた不用品(旅人の必需品)はこの通路の奥にありました。
ということは、祭壇の洞窟でみかけた不思議な岩は「スイッチ」だったんですね。祭壇の洞窟の謎が、ウルの村であっさり氷解しました。

魔法は着脱可能一通り、村人の話を聞き終わり、買い物も済みました。武器・防具の買い物が終わって一つ不満がわきました。「そうび さいきょう」がないのです。いや、探せばあったのかもしれませんが、あのとりあえず数値の高い武器・防具を勝手に装備してくれる機能が何気に好きだったのです。ファイナルファンタジーの見知らぬ武器防具は、あの機能のおかげで使いこなせてきたといっても過言ではありません。「とりあえず、おいしそうなところを握ってよ」という鮨屋みたいな便利な機能だったのに残念です。
また、魔法屋でも一つこれまでのシステムを覆すような体験をしました。まず、魔法は本を読んで覚えるものという概念が私の中でコンセンサスを形成してきたというのに、魔法屋のメニューには「ケアルの本」はなく「ケアル」という謎の物体が売られていました。本という具象があってこそ売買ができていた魔法なのに、いきなりの抽象化です。「お父さん、ケアルってな~に?」と聞かれても説明はできますが、「お父さん、ケアルってどれ?」って聞かれたら何を指させば子供はわかってくれるでしょうか。とにかく魔法屋にはそういった魔法名が売られていましたので、とりあえず購入してみました。低級魔法しか使えないすっぴんとはいえ、さすがにケアルは使えるでしょう。
で、アイテム欄で「ケアル」を「ルーネス」に使ってみました。そしたら、ルーネスはケアルを覚えました。一体、この間にどういったことが行われたのでしょう。ルーネスがPCでアイテムの「ケアル」がインストーラーみたいな感じなんでしょうか。インストーラー「ケアル」を実行すると、実行ファイル「ケアル」がルーネスの体内の適当な場所に設置されるみたいな。
理解不能で苦しんでいる私に追い打ちをかけるような事実が発覚します。なんと、この覚えたてのケアルは「忘れる」ことが敵わないのです。その代り、「ケアル」を外すことはできるのです。すなわち、まるで装備品のごとく魔法は着脱が自在であるということになります。外した「ケアル」は、多分、他のキャラクターに付けなおしたりもできるのでしょうね。???魔法って一体何なんだ!?
考えた結果、「ジョブチェンジ」システム導入にともなう魔法の扱いの仕様変更ということで納得しました。例えば、戦士から武道家に転職したとき、これまで使っていた「大はさみ(武器)」は装備できなくなります。なので、転職の際に装備品は一度全部ダーマの神殿で脱がされます。これと同様にすっぴんで唱えられたケアルも他の職業では唱えられなくなったりするのでしょう。かといって、覚えた魔法を片っ端から忘れてしまうわけにもいきません。それまで魔法に投資したお金が無駄になるからです。そこで、魔法を物質のように取扱い、自由に着脱できるようなシステムが新たに考え出されたというわけです。装備できなくなった「大はさみ」は道具屋で売るなり、別の戦士に装備させるなり自由なのと同様、使えなくなった魔法もこれで財産価値を残したままになります。ほら、誰かが命がけで復活させたというあの魔法だって、転職した拍子に忘れちゃったら一大事でしょう。逆にいうとマリアに覚えさせてしまったアルテマをFF3ならフリオニールに覚えなおさせることもできたわけですね。
じゃあ、こういうことにしましょう。魔法の効果を封入できる便利な物質があるわけですよ。例えば、きれいな石ころとか宝石とか、それっぽいミステリアスな物質ですよ。それを身につけると、石の効果で誰でも魔法が使えてしまうんですね。ただ、上級の呪文ともなると持っているだけでは使えないわけです。使用者である人間を媒介に魔法が発動するので、術者の器量も関係してくるのです。で、石自体は魔法屋で流通しているわけですね。石ころの横に値段が書いてあって並んでいるんでしょうね。「おじさん、これ何の石?」「ん~、それはケアルだね。」なんて感じのやりとりが生まれちゃったりしてですね。お店のメニューにも「ケアル 100円」「ファイア 100円」「アルテマ 50円(値下げしました)」とか書いてあったんです。
長々と妄想をふくらませてきましたが、とにかく本を読んで魔法を覚えるという時代は終わったってことですね。便利になったものです。

いじめられているアルクゥなんか、たくさん魔法の石を指輪につけて、指にはめているルーネスを想像してしまいましたが、ちょっとイメージ違うなぁ。でも、魔法使いとか呪術師のファッションって何か変なアクセサリに満ち溢れているので、あながち間違いでもないかなと。たくさん装備していたら、手を振った瞬間に一度に全部発動しないか心配ですが、そこはきっと、口で詠唱しなきゃならないとかなんとかですよ。なんやかんやは・・・なんやかんやです。
装備したての魔法を使う機会がないかと村をでようと思いましたが、一つ、忘れていることがありました。村の隅でガキンチョがたむろしているというタレこみがありましたっけ。村の隅といっても周りが林なので、どっちにいっても隅だらけです。東の隅にまだ行っていなかったみたいなので足を延ばしてみると、確かに子供が集団で存在しています。輪の中心にいるのは、どうやらアルクゥのようですが、どうしたことでしょう。

アルクゥ命名こっそり背後から近寄ってみると、三人の男子に囲まれてアルクゥがよってたかって文句を言われています。議題はカズスの町の呪いの話でした。ユーレイが出るとかいう話で盛り上がっていたら、アルクゥが空気を読まずに「ユーレイなんていないよ」と発言したことに端を発し、さんざん言葉でなじられているようなのです。「お前、そんなに言うならみてこいよ!」なんて、なかなか杓子定規ないじめ方です。いじめのテンプレートに「そんなにいうならお前やれよ、ニヤニヤ」みたいなのありますよね。ちょっとした言葉尻を捉えてネチッこく逃げ場を奪っていくやりくちが陰湿です。ジャイアン的な腕力のあるガキ大将とその腰巾着に囲まれてしまうと、精神的においつめられてのび太は言ってしまうのです。「そんなにいうなら、やってやんよ!」
こののび太キャラこそ、最初に仲間になると思しきアルクゥその人なのです。ルーネスとは性格が真逆で内気で引っ込み思案です。ルーネスと一緒にトパパ村長に育てられた幼馴染ということですから、まぁ、兄弟みたいなものなんでしょう。男の子に囲まれていじめられていたということは同じ男なんだと思われます。女の子をあんな風にいじめないよね、男子は。ルーネスと一緒に育ったせいか、気持にブレーキをかけがちなんでしょうね。人が二人集まるとどっちかがボケ、どっちかがツッコミになってしまうものなんです。特に、やたらと積極的なルーネスのブレーキを務めるには並大抵の消極性では身がもちません。10聞いて1やるかどうか悩むぐらいの慎重派なんでしょう。
内にこもるタイプらしく読書家で博識という点で、なんとかのび太キャラは免れそうですが、このアルクゥというキャラクターにはそれ以上に危険臭を感じます。消極的な人間は、コミュニケーション能力を磨く努力を怠りがちなせいか、空気の読めていない言動を行ってしまう頻度が高まります。ルーネスはあんなやつですが、人の顔色には結構敏いところがありますよ。ニーナさんが悲しそうな顔をすれば、明るく笑えるように努めたりもしました。(憶測)一方、アルクゥは本の虫です。「頭のいい子じゃ」なんてトパパ村長の覚えはめでたかったかもしれませんが、人の気持ちの機微にはうといまま育ってしまったのです。すなわち、考え方が自分本位なのです。(憶測)

力関係やばそうな空気を読んで、ルーネスがとぼけた声でアルクゥに呼びかけます。いじめの現場を目撃したからといって「お前ら何やっているっ!」なんて突撃しても角が立つだけですからね。本宮ひろ志の漫画の主人公だったら、拳から乗り込んでいくところですが、ルーネスにそんな粗暴さはありません。
しかし、村一番の問題児ルーネスの声にいじめっこたちも戦々恐々とし、クモの子散らして逃げていきます。この場の状況を問われると面倒ですからね。
いじめっ子が退散したあたりでルーネス登場です。アルクゥの傍によって気を使いますが、ここでアルクゥまでがルーネスをはねのけてダッシュで逃げだしてしまいます。おいおい、難しい年ごろだな、思春期か。
どうでもいい話ですが、ユーレイがどうだという話と、囲まれていじめられるアルクゥをみて、ちょっと前までやっていたドラクエ5を思い出しました。レヌール城のお化け退治のくだりですね。ということはアルクゥはボロンゴですか。さらにどうでもいいことですが、名前選択でボロンゴを選んだのはDS版が初めてでした。習慣的にゆうかんなゲレゲレばかりだったのですが、今回はかしこいボロンゴ路線でいってみました。ラスボス戦にも連れていきましたよ。

弱虫なんかじゃないカメラはそのままアルクゥをおいかけていき、彼の心情吐露を映し出します。彼自身も内気でいじめられっ子な体質には辟易としているらしく、弱虫の克服を目標にしているようです。弱虫を克服するのって、結構難しいんですよ。傍から客観的に見たら簡単そうなんですけどね。いじめっ子の鼻先をグーで一発いってしまえば、そっからは芋づる式に成長するのですが、心理的に最初の一発がブロックされているのです。特に主観が優先的に働いてしまうアルクゥには、反抗するという選択肢すら頭にのぼらないんじゃないでしょうか。天性のいじめっ子ってやつはそこら辺に天才的に機転がきくらしく、反抗する気持ちを端からへし折ってしまい、どんどん自分の有利な場所に相手を追い込んでいくんですよ。「世界は平たい板の上にあって、太陽が地球の周りを回っているんだよ。当たり前だろ。」みたいな固定観念を植え付けておいて、アルクゥの頭の中から「やり返す」という言葉を消し去るのです。地動説なんていう観念自体がないので、「コペルニクス、( ´,_ゝ`)プッ」みたいな客観性のない状態に従事してしまい、アルクゥはガリレオになれないのです。
今回の「弱虫なんかじゃない」というアルクゥの発言は端的にそのことを表していて、客観的にみたら、彼は臆病なチキン野郎です。でも、自分を冷静に分析できない性格ゆえに、そんなことはないという思い込みで突っ走ろうとしてしまっています。

夏休みデビューこのままじゃいけないとそう思いつめたアルクゥは、カズスのユーレイを一人検証することで、村のみんなを見返すという作戦を思いつくのでした。「ルーネスの力なんか借りないぞ!」といっているあたりから、これまでさんざんルーネスに守られてきた様子が想像できます。なまじルーネスが強いせいで、この子の成長の機会を奪ってきたというのはあるかもしれませんね。ともかくルーネスからの独立の目標を胸に秘めてアルクゥはカズスに旅立っていきました。
まぁ、反目しているようでいて、考え方の中心にルーネスが居座っているというのは、やはり仲がいいのでしょう。ルーネスと比べられて育ったので、弱虫コンプレックスについては特にルーネスが意識されているようです。
ただ、その気持ちを言葉に乗せられない不器用なところが、子供っぽ過ぎるといいましょうか、感情移入の妨げにはなっています。例を挙げるならゴードンみたいな。下手をすると彼ぐらい嫌いなキャラクターに成長を遂げてくれそうな予感があります。あくまでも「嫌い」は愛情の裏返しの表現なので、それはそれで楽しみですけどね。
痛いキャラクターがパーティーにいるのも、楽しいもんです。

花摘みアルクゥが去っていた場所にカメラは戻って、再びルーネス目線でお送りします。近くにはお花畑があり、女の子がお花摘みに興じています。女子が花を摘んでいるところなんて男子は見てはいけませんよ、ルーネス。
この女の子、他の村民と比べて話す言葉が非常に日常的です。最初の村の住人にしては、冒険の役に立たなさそうなことしかいいません。

「私、を摘んでいるの。」

まさにこの言葉には裏があると考えるべきでしょう。そして、この村で仕入れた情報と照らし合わせれば、間違いなく、この花畑に隠しスイッチが隠されているはずです。
予想にたがわず、カメラで寄ってみるとキラリと女の子の近くが光っています。隠しスイッチではなく、隠しアイテムがそこにはありましたとさ。この隠しスイッチ探しはなかなかはまりそうな予感です。隠れミッキーぐらい探しましょう。