旧友レオンハルトを新たに配下に加えて、フリオニールはパンデモニウムへの通り道・ジェイドを目指すことになります。パンデモニウムが地獄から生えているせいで、地上からのアクセスが不能だということなのです。バスでも出てれば楽チンなんですが、行政の怠慢でしょうか。そういえば、最近近所のバス会社がやっとPASMOを導入したので、バス用の小銭を用意する必要がなくなったのがちょっとした喜びをもたらしてくれました。ただ、目的地に応じて料金が変わるので、PASMOをかざす前に運転手に目的地を申告しなくてはならない一手間をいまだにひきずっています。・・・さて、遠回りですが、そのジェイドを探しに行くとしましょう。
と、その前にリチャードの件を報告していくべきでしょう。相手はディストで彼の帰りを待ち続けているエリナさんと息子のカイン君です。本来ならリチャードが二人の未来を築き上げていってあげなければならないところですが、約束だけを置き去りにしてリチャードは竜騎士の名誉のために皇帝に特攻してしまいました。エリナさんに宿るはずだった笑顔は、現実には涙で濡れてしまったのです。エリナさんも竜騎士の妻ですから、男の訃報を人伝えに聞くなんてシチュエーションも想定の範囲内だったとは思います。でも、頭では分かっていても、感情ってやつは御しがたいものでして、両手で顔を覆いながら、カイン君の前ですが、泣くのを止められない様子です。
カイン君はカイン君で、無邪気なそぶりです。竜騎士のおじさんの帰りをいまだに待ちわびているといった態で、フリオニールにリチャードの不在について尋ねます。おそらく横で母親がむせび泣くのをみて、幼心に何かあったのは感じ取っているはずでしょうが、そこを理性で判断できない子供らしさを前面に押し出してきます。こういった、無邪気な一言で人の心を突き刺すという演出をイノセント効果といいます。今、自分が勝手に命名しました。「マイガール」「ホームアローン」「アイアムサム」みたいな子供の使い方をされると非常に感情移入しやすいので、気をつけて下さい。(何に?)「フォレストガンプ」のトム・ハンクスは、あの歳にしてイノセント効果を自在に使いまわすという荒業をやってのけました。すごい俳優さんですね。
ディストを廃墟から再興させるという宿願も適わず、エリナさんは思い出深いこの町を捨てて、どこかに移住する決断をくだしました。息子の手をとりフリオニールの前から去っていきます。母は強し、別の町でもしっかりとカイン君を育て上げてくれることでしょう。飛竜や竜騎士たちとの楽しい思い出も、皇帝によって辛く悲しいものに上書きされてしまいました。この地を離れて一からやり直すのが、この親子にとってベストな選択となることを願います。
さて、そんなエリナさんが、去り際にすごいものを置いていってくれました。竜騎士団最高の宝「エクスカリバー」です。エクスカリバーといえば、FF1では希少金属・アダマンタイトから鍛冶屋のスミスが叩き上げたあれです。FF2でもアダマンタイマイというモンスターが存在することから、もしやとは思っていましたが、よもや竜騎士団に伝わる秘宝的なものになっているとは。FF1とFF2の時間軸がつながっていれば、ひょっとしたらスミスの銘が打ってあるかもしれません。もちろんこれは勇者・フリオニールがありがたく装備させていただきましょう。リチャードたち竜騎士の無念もこの剣で打ち払ってみせましょう。
それでは、最終決戦の準備もOKということでジェイドに向かいましょう。一応、ミシディアの町にも顔を出してみましたが、やはりここにジェイドがあるわけではなさそうです。カシュオーンの昔話に出てくるミシディアという言葉はやはり「ミシディア地方のどこか」ということのようです。カシュオーンのカビの生えたような言い伝えよりも、レイラさんの海賊知識の方が具体的でわかりやすいので勝ちです。
せっかく立ち寄ったのでエーテルを大量買いしていたら、ミシディアの町でも少しジェイドの話が聞けました。「ジェイドは悪魔と共に現れる・・・」悪魔というのは何を指すのでしょう。パンデモニウムのことか・・・あるいは皇帝自身か・・・。一度は死んだにも関わらず、再び地獄から力を得て舞い戻ってきたあの悪魔のような皇帝(能面)は、はたしていまだに人間足りえているのでしょうか?ともすると、パラメキア皇帝自身でも、その巨大なパワーを制御しきれず、暴走しているのかもしれません。FF1のラスボス・ガーランドも元は一人の人間でした。それがカオスの力であんなことになりました。パラメキア皇帝だって人として生まれたその時から、世界をこんな風にしたいと思っていたわけではないと思います。皇帝が何を考えて、何を求めているのか。とりとめもないことですが、人が悪魔と並び称されるなんてこと、なかなか考えがたいことです。何となく理由を求めてしまうのは、自分が人間だからでしょうか。
さて、ミシディアを東に結構な距離を移動すると、海峡の手前に泉のような地形がみえてきました。ふと気付いたのですが、ここまで飛空艇であっという間に移動してきました。一体、いつの間にパラメキア城の屋上からフィンの国まで飛空艇を移動できたというのでしょう。ルーラのように船や気球を持ち主の元に戻す魔法があるのかもしれません。それかシドによる改良によってフリオニールを自動追尾してきたということでしょう。どちらにしても、シドの遺品がパラメキア城と一緒にパンデモニウムに取り込まれていなくてよかったです。
泉に近寄るとフリオニールの体は星のようにまたたきだし、発光する粒子状になってジェイドの中へと誘われます。もちろんジェイドという特殊な地場の影響だと思います。この光の塊へと姿を変えることで、現世と地獄を行き来できるようになるに違いありません。特にこれまで悪いことをしたつもりはありませんでしたが、ついにフリオニールは地獄へと堕ちるのでした。やはり殺生はよくないのでしょうか。倒したモンスターの数なら半端ないですからね。気分はロンダルキアへ向かう洞窟です。