ついに対となる白い仮面と黒い仮面の両方を手に入れたフリオニールは、一度ミシディアに戻ってきていました。行く手を阻むドッペルゲンガー対策をまとめるためです。二つの仮面を手に入れるとミシディアの洞窟の先に進めるというのはわかったのですが、具体的にどうすればドッペルゲンガーをどかすことができるのかがわからなかったのです。ミシディアの魔道士連中に話を聞いても、仮面を揃えること以上の情報が得られないので埒があきませんが、思い起こせばこの魔法都市には大きな大きな図書館があるのでした。うちの近所にも大きい図書館がありますが、普段から利用しないとその存在はついつい忘れてしまうものですよ。・・・現住所に引っ越してきてからまだ一度も利用してないや。
図書館では「たずねる」コマンドでいろんな事象について直接回答をいただけるのでした。これは魔法で本棚が応えてくれるのか、それともフリオニールが手動で調べているのかは定かではありません。ミシディアらしくしゃべる本棚というのがあってもかわいらしいと思います。
アルテマの本について尋ねてみると前にヒルダ王女から聞いたような逸話がひきだされました。やはり、地獄の魔王の宮殿パンデモニウムとともに魔物が地上にあふれかえったときに窮地を救ったのがこの呪文だったそうです。しかし、ミシディアの民はその呪文の威力が世界の均衡を破ることを恐れて封印してしまったのだそうです。なかなかの賢人ぶりじゃないですか、ミシディア人のみなさん。核廃絶が叫ばれて久しい現代にあってもまだまだ核兵器はなくなりませんし、それどころか近所の国が新たに作り出そうとしてる始末です。あろうことか、じゃあうちも作った方がいいんじゃないかなんて言い出す人も国内に出てきてしまいました。そりゃ、小学生の頃の用に盲目的に平和主義を信奉するわけにもいかないでしょうが、核兵器を所持するデメリットがどれだけデカいかよく考えて発言してくださいよ。古のミシディアの人はそこら辺を考えた結果、アルテマの本を厳重に封印したのでした。おかげでミンウさんは行方不明になるし、フリオニールは仮面探しに奔走する破目になりましたが、苦労すればするほど、アルテマの破壊力に現実味がましてきます。
さて、ここからが本題です。白い仮面の使い方を調べてみると「地下の女神に捧げよ」とのことです。もちろんミシディアの地下に設置されているあの女神像のことだと思います。銀を鋳造したものであれば25000Gで物好きな金持ちに売れそうなあれです。あの女神様はクリスタルロッドを守護する女神像とかなんとかいう話でしたので、アルテマの封印を解くギミックの一部なんじゃないかとは薄々思っていましたが、よもや白い仮面をかける場所だったとは。
白い仮面を女神像にかけると、具体的にはミシディアの洞窟の中で出会ったあのドッペルゲンガーがその動きを止めるんだそうです。フリオニールのマネをして相当うざかったあいつですが、動かなくなってしまうと思うとそれは少し寂しいような。ただし、ドッペルゲンガーを止めるには一つ条件がありました。
その条件とは、フリオニールに「良き心があること」だそうです。ドキリとしましたよ、一瞬。少し不安になりましたもの。これ、万が一ドッペルゲンガーが動きを止めなかったら、フリオニールには良心のかけらもないってことを意味するわけですから。そんなことになろうものなら、マリアやガイのフリオニールを見る目がちょっと変わってしまいそうです。レイラさんなんかニヤニヤしながら、ますますプレッシャーかけてくるに決まってます。居心地の悪いパーティー誕生の可能性が・・・。
私はフリオニールのことはお調子者だけど根はいいやつだと思っていますよ。スコットさんやヨーゼフとのことがあったときの彼は友情に厚い感じでしたし、ヒルダ王女救出のときも懸命に立ち振舞ってました。ただちょっとラミアクィーンとの一件で男子の性分が前面に出てしまっていましたが、それ自体は悪じゃないですよね。かっこ「悪」かったですけどね。あそこでヒルダ王女を袖にするのも男としてどうですよ。いや、臣下の礼をわきまえていないとマイナスにとるべきなのか・・・忠誠心と自制心が足りなかったのか・・・。
とりあえず、ドッペルゲンガーが動きを止めるかどうかは賭けです。とにかくうまくいったと想定して、その後のことを調べましょう。黒い仮面の方は、その動きを止めるはずのドッペルゲンガーにかぶせればいいらしいです。なるほど、動きを止めなきゃ仮面をかぶせることはできないですからね。アルテアの本の封印を解くにはこういった手順が重要だってことなんでしょう。子供の頃は、大人が社会に出て仕事をこなしている姿を面倒くさそうにみていましたが、「手続き」の重要性は自分が大人になって初めてわかるんですよね。思いつきで生きていられるのは子供のうちだけで、大人になるといろんな事務仕事を積み重ねていかないとなかなか成果が見えないのです。しんどいですけど、子供の作り出すものよりはずっと高度です。そんな手続きの煩雑さを軽減する作用がITにあると思うのですが、欧米ほど合理性を重視しない日本の企業では(以下、仕事の愚痴)
黒い仮面をかぶったドッペルゲンガーは、自身の悪い心と共にいなくなってしまうんだそうで、それをもってやっとミシディアの洞窟の先に進めるようになるということですね。ドッペルゲンガーのことを調べると、本体の悪い部分を抽出したかのような悪いやつなんて話も聞かれますから、こいつはきっと消えてくれることでしょう。せっかくだからフリオニールの良からぬ心も一緒に浄化してくれるといいですね。
白い仮面は良い心、黒い仮面は悪い心を象徴するアイテムだと聞いてなるほどと納得しました。仮面(ペルソナ)が人間性を表象するものであるという話は心理学の分野でいろいろ議論のあるところだと思います。人間誰しも二面性があって、表の自分と裏の自分をうまく使い分けて生きていると表現することもできると思います。私なんて双子座ですから、聖闘士星矢の十二子宮編を読んでいるときには、自分もサガみたいに善悪入り交じった二重人格者だったらどうしようか悩んだものです。ジーキル博士みたいに悪い心に憧憬をいだいてしまわないように気をつけないと。
最後に「ディスト」のこともチラッと聞いておきました。ディストは元々飛竜の済む土地だったのですが、人間が侵入して今のような飛竜と人間が共存する暮らしの形態を築いたのだそうです。その最初の入植者の名前は戦士・ハーン。名前が出てくるあたりが意味深ですが、今のところ特にハーンが今後の展開に関係してきそうな感じはありません。
そういえば、死に際の飛竜が竜騎士のことを少し話してくれたような気がしたのを思い出しました。飛竜が毒水に侵されて全滅しかけていることを受けて、竜騎士の一人がパラメキア打倒を願って究極魔法を探しに出たって話だったと思います。そのときは軽く聞き流してしまいましたが、今まさにフリオニールもアルテマの本を取りにきたところです。ひょっとしたら近くにその竜騎士が生きているのかもしれません。ただ、ドッペルゲンガーに行く手を阻まれてうわーんと泣いているかもしれませんが。
それでは、ミシディアの洞窟に行く前に、女神像に白い仮面を装着してみましょう。仮面をかけた彫像というのもちょっとシュールな絵柄です。さて、これでフリオニールに良き心があれば・・・ドッペルゲンガーが動きを停止しているはずなのです。・・・頼む、止まってくれドッペルゲンガー。フリオニールの信用がかかっているのだ。