国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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ヨーゼフとボーゲンの因縁

女神のベルを手に入れて目的を果たしたフリオニールたちの前に、ボーゲンが立ちはだかるも速攻で帰りうちにしたのですが、このおっさん、一体なんのつもりだったんでしょう。この手のキャラはそもそも自身の能力は低いけど権力を笠に下々をたきつけ、手柄だけをせしめるというタイプです。それが単身でフリオニールの前に立ちはだかり、あっという間に倒されるなんて合点がいきません。ひょっとしたら、周りを囲む部下すらも調達できないほど信頼がなくなってしまったのでしょうか。フィンを裏切った男の末路は、部下に見捨てられるという悲しいものとなったようです。

ボーゲンからのプレゼントそんなボーゲンさんから粋なはからいが飛び出しました。彼からの最後のプレゼントがいただけるのだそうです。ん?今までプレゼントなんてもらったことはなかったはずですが。これ、すなわちプレゼントというのは皮肉ですね。最後の妨害工作が発動する模様です。

インディ・ジョーンズ状態彼の最後の抵抗は彼自身を踏み潰しながら狭い通路を転がり落ちる大岩でした。その昔、インディアナ・ジョーンズ博士が洞窟の中で同じような危機に陥ったのをみたことがあります。ディズニーシーではこの直後に写真撮影があるはず。この細道の断面がどうなっているのかわかりませんが、転がる球体の脇は意外と大きく空間が空いているので、道の脇に寝転がることでやりすごせる可能性があります。が、可能性があったとして誰がそれを実行できるでしょうか。せまりくる大岩にフリオニールたちは軽くパニック状態です。とにかく道を下に進んでやり過ごすしかありません。そんなとき、冷静にこの事態を収拾しようという男が一人いました。

北斗の拳ではありませんヨーゼフです。まるで北斗の拳のように、男気で一旦大岩の進行を肉体で食い止めると、「ここは俺に任せて逃げるんだ!」とフリオニールたちを救います。ここで「しかし・・・」とか躊躇しちゃうところがフリオニールのフリオニールたるところです。優柔不断な彼は、現在の状況がわかっていないのでしょうか。犠牲が一人で済むか、全員死ぬかの瀬戸際なのです。声を振り絞ってヨーゼフが「いいから行くんだ!」なんて感じですごみます。フリオニールも空気を読んで、今度はその言葉に従います。

とりあえず点呼ヨーゼフの足止めの甲斐があって、フリオニール、マリア、ガイの三人とも無事に大岩をやりすごしますが・・・無残ヨーゼフはぺちゃんこにされてしまいます。「ヨーゼフ・・・」いくら呼んでも返事は返ってきません。平面蛙のピョン吉様以外にこの状況を和やかにできるキャラクターはいないでしょう。階段を振り返ると瓦礫の山からボーゲンではない誰かの血が滴り落ちています。思わず、

「シィーーーーーザァーーーーーーーッ!!!」

と叫びたい衝動に駆られます。動揺していないフリをしてもダメです。リサリサ先生、タバコ逆だぜ。これは一本取られました。ヨーゼフ死ぬんだ。あんな変な顔のキャラはあんまり死なないもんじゃないですか。だって、死んでもあんまり悲しくないし。しかし、この不意打ちは応えました。あぁ、失ってから初めて気付くこの気持ち。アタイあの人のこと、好きだったのかもしれない。今になって一つ、謎が解けました。ストーカー女のあの愛も、ヨーゼフさんの包み込むような優しさに裏づけされたのです。そんな北斗の拳みたいな自己犠牲をされると、ジャンプ好きとしては心が動かされずにはいられません。女神のベル探索についてきてくれることになったときのあのヨーゼフの無邪気な笑顔。そんな笑顔が永遠に失われてしまったのです。

ストーカーから義母へ一向は多大な犠牲を以って、女神のベルを手に入れました。そして、一応サラマンドに帰ってきました。・・・正直気まずいです。お父さんを死なせてしまいました、なんてどの面下げて娘のネリーに報告すればいいのでしょう。いや、悪いのはボーゲンなんですけどね。むしろこっちは被害者なんですけどね。ヨーゼフにかばわれて生きているという現状が、やはり空気を重くします。ネリーがけなげな女子であれば「お父さんはあなたの中で生きているもの」なんて言葉でフリオニールを逆に気遣ってくれるのですが、はねっ返りのあの娘がそんな気の利いた台詞をいうでしょうか。そういえば、この娘、ボーゲンに誘拐されていたという経緯がありました。親子揃ってボーゲンにちょっかいを出されるなんて相当な不運です。もっとランクの高い敵に絡まれるならまだ格好がつきますが、チンケなボーゲンに人生を台無しにされるなんて、気の毒であります。思い起こせば、あのネリー誘拐の際のヨーゼフの不甲斐なさが、死亡フラグを立てたようにも思えます。不甲斐なかったヨーゼフをシナリオ中で活かすとしたら・・・主人公を身を挺してかばい、命を落とす。そうすることで、過去の失態は全部チャラです。あまりある好印象だけがプレーヤーには残ります。現に、自分は一瞬にしてヨーゼフの虜です。あのストーカー女もその死に様を聞いてますますヨーゼフへの気持ちが強まったことでしょう。ネリーの後見まで買って出てくれたようです。血がつながらないとはいえ、愛した男の娘です。形見と思って大事に育ててくれることでしょう。逆にネリーはこの女にどんな気持ちを抱いているのか謎です。本当にストーカー女だったら気持ちが悪いだけですが、女手の足りないヨーゼフ一家にたまに食事なんかを作りにきている関係だったかもしれません。すんなり、二人が馴染んでくれるといいですね。

ボーゲンの受難続きの家系ネリー「お父さんはもう帰ってこないのね・・・」本当に申し訳ございませんでした。フリオニールがついていながら、むざむざチンケなボーゲンにお父さんを殺されてしまいました。あまりの気まずさにフリオニール半べそです。