さて、思わぬ珍客・ヨーゼフさんを引き連れてフリオニール一向は雪原の洞窟を目指します。女神のベルがその洞窟にあると雪原マニアのヨーゼフが言っているので、間違いないでしょう。彼は自分の秘密基地に雪上を滑走する船なんて隠しているチョイ悪親父です。
しかし、驚くべきことに、前回手に入れた雪上船は帆船でした。帆船というからには動力は「風」です。凹凸のない雪の上なら・・・多分、これで移動できるのでしょう。ブリザードにでもなったら、帆に雪が積もって破れちゃうんじゃないかとも思いますが、現在は快晴なのでOKみたいです。他の移動手段はありません。なにせ人の足では雪原に踏み込むこともままならないらしいですからね。ものすごく深いんでしょうね、積雪が。でも、普通にスキーが欲しい今日この頃です。それかスノーモービルとまでは言いませんが、何かエンジンで駆動するのがいいなぁ。風任せで呑気に雪上の洞窟に向かっている場合でもないでしょうに。動力といえば、太陽の炎なんかが適任ですよ。その熱量で除雪しながら進んでくれそうなイメージです。いや、太陽の炎があったら飛空艇で飛んでいけばいいのか。
雪原の洞窟はいかにもな寒色系の色調です。雪は別に青くないのですが、青の視覚的効果が寒さを演出するんでしょうね。洞窟内がちょっぴり明るいのは外の光を雪が反射して奥まで注いでくれているからだと、勝手に解釈しながら先を進みます。雪原に入る前にちゃんと毛皮のコートなどを着込んだので、寒くありません。そんな描写は一切ありませんが、私の脳内では、ヨーゼフが自分の秘密基地から「これを着るといいだろう。」とかいいながら暖かそうな衣類を用意してくれているのです。変な顔でも気配りは忘れない男なのです。まぁ、もちろん雪山で彼が狩った熊の毛皮でできてるわけです。チョイ悪ヨーゼフは、熊の革をなめしながらチョイ悪気分に酔いしれるのでした。革製品は大人の遊びなのです。
敵を倒しながら洞窟を中に進むと、凍っていない湖に辿りつきました。ちょっと強くなっているフリオニールたちには、この洞窟の敵はミスマッチなようで、わりとすんなり進めます。で、湖で発見した珍妙な生物が「ジャイアントビーバー」となります。きっとビーバーのでっかい版なんでしょうね。この樹木の生えそうにない雪原で、一体全体このビーバーは何をかじって生きているのでしょう。えぇ、ビーバーといえば木をかじり倒して、ダムを作るものと相場が決まっています。建築現場でおじさんたちがかぶっている安全第一の黄色いヘルメットが一番似合う生物といっても過言ではないでしょう。ジャイアントビーバーともなるとひょっとしたらもっと単価の高い建築行為を行っている可能性もあります。日本の大手ゼネコン的には国から河川のダム建築の依頼を受けるだけでも嬉しいはずですが、ジャイアントビーバーともなるともっとどでかい箱モノを建ててナンボです。官民癒着の象徴としてマスコットに選びたい動物ナンバーワンです。
ビーバーに対する偏見はそのぐらいにしておき、彼らと積極的に会話を持とうと思います。が、やつらは流暢にビーバー語で語りかけてきますので、人間様のフリオニールにはさっぱりわけがわかりません。言語の壁は国際化においてやはり大きい障壁となります。ジャイアントビーバーと心を通わせるにも一苦労です。多分、FF1の戦士・エフエフであればジャイアントビーバー語ぐらいたやすく通じたことでしょうが、FF2の主人公・フリオニールは、出世欲や名誉欲といった自分を飾り立てることだけにしか秀でていないので、残念ながらジャイアントビーバーは見なかったことにしましょう。
と、思いきやここで意外なあの人が頭角を表します。
ガイ「おれ こいつの言葉 わかる。」
相変わらず人語はカタコトですが、なんとガイはジャイアントビーバーとの意思疎通が可能であるそうなのです。っていうか、やはり人造人間16号のように鳥や小動物と会話することができそうな雰囲気です。何、この外見は怖そうだけど、実は心優しき青年というギャップキャラ。シザーハンズでチョキチョキし始めるつもりでしょうか。ぜひとも「おおばさみ」(ドラクエ3)を装備していただきたい。もう、動物と話始めたら、間違いなく心清き人認定がおりてしまいます。筋斗雲に乗れるくらいに心が澄んでいると、多分話せるようになるんです。ナウシカのように「ほら・・・こわくない・・・」と動物の警戒を解き始めるに決まっています。それで蟲とか腐海の植物にも語りはじめるんだから、同時に不思議ちゃん認定も受けてしまうのです。うちのパーティーの電波ちゃんはマリアだけで十分だってのに。
さて、ガイ伝いにビーバーから聞いた話によると女神のベルの隠し場所に行くにはこのジャイアントビーバーの湖の隠し通路を抜けていく必要があるのだそうです。雪国の動物は、どうも隠し部屋を作るのが好きなんですかね。お前のことだよ、ヨーゼフ君。面白い習性ですね。やはり、餌の乏しい環境では、大事なものは「隠す」のが吉なようです。ヨーゼフの愛娘ネリーも自宅でちゃんと隠しておけばボーゲン伯爵に誘拐されることもなかったのにね。まぁ、ネリーのハートは天才泥棒のポールさんに盗まれちゃってますけどね。(脳内設定)
ジャイアントビーバーのアドバイスによって、ついに一向は女神のベルの間近までやってきました。何気にすごいね、ガイ。デスノートの模木さんくらい初めからすごかったのかも知れません。寡黙な人は誤解されがちなのです。