前回、チョコボさんのいたずらによってミシディアとかいうとんでもない異国の地へ放り出されたフリオニール一行は、なんとしてでもレベルの釣り合わないモンスターから逃げおおせて故国・フィンの地へと帰らなくてはならなくなっていました。だってセーブしちゃったんだものしょうがないじゃない。チョコボできた道を歩いて帰らなければならないのですが、行きはよいよい、帰りは怖い。怖いながらもとおりゃんせ、とおりゃんせ♪
とりあえず、マップを眺めてみましょう。普通に気付かなかった機能なのですが、「トクレセンタボービ」の魔法はFF2でも継続して使えるのでした。するとカシュオーンからチョコボに乗ってきたコース以外にもミシディアからフィンへ帰るコースがあるようなのです。もちろん選ぶのは最短コースです。地図上でかろうじて陸続きになっているっぽい北西に針路を定め、フリオニールたちは出発します。外の敵が強いのですから、それなりに対策は必要でしょうが、こちらには「セーブ」という必殺技があるのです。過去にあれほど私を苦しめたFFの「セーブ」しないと全部やり直しという方針ですが、裏を返すとどこでもセーブができるということなのです。モンスターに出会ったら逃げればいいのです。逃げるのに失敗したらもちろん撲殺されて終わりですが、それでも最後にセーブしたところに戻るだけの話です。逃げに成功してしまえばその分前進できるってわけです。それどころかこまめにセーブを続けていけば、敵に遭遇せずにフィンまで帰ることだってできそうです。要するに一歩進むたびにセーブすれば、次の一歩で敵が出てもリセットすればいいだけのことです。この完璧な作戦にフリオニールもしたり顔です。マリアとガイからも賞賛の拍手が聞こえてきます。
が、しかし、フリオニールの顔からはすぐに笑みが消え、マリアとガイは愛想をつかしてそっぽを向くという事態が発生してしまうのでした。まず、FF2では次の敵にエンカウントするまでの歩数が決まっているようなのです。あと10歩で敵が出ると決まったら最後、セーブしてもその歩数はクリアされることなく、必ず10歩歩くと敵が出るのでした。
次に、敵が強すぎて「逃げられない」という決定的なダメ押しがありました。えぇ、ボスクラスを相手に逃げられないというのであれば合点がいきますよ。シナリオ的には山場ですから、「逃げる」なんて選択肢自体ありえないのです。しかし、今は外にいる敵がみんなボスクラスです。実力の差が開きすぎてフリオニールたちの「すばやさ」では逃げ切ることができず、「しかし、まわりこまれてしまった」的な状況になるのです。FFは逃げる姿が戦闘シーンで描写されるので、ドラクエよりも悔しさの度合いが高まるのですが、「逃げ切れない姿」にいたってはその恥ずかしさの度合いが急激に上昇します。ドット絵のマリアが必死に後を向いて、ジタバタと足を交互に動かし、でも、諦めて再び敵の方に向かう・・・そんな情けない姿を何度となく見せつけられながら、理解しました。逃げられないのです。
そうなると方針を転換せざるをえなくなります。
1.誰かの助けを待つ
2.セーブデータを捨てて、最初からやり直す
3.敵を倒しながら進む
一つずつ検討しましょう。まず、「1.誰かの助けを待つ」についてですが、心の中で何度となく「シド、飛空艇で僕らをさらいにきてっ!」と強く願ってみましたが、彼にその思いは届きませんでした。反乱軍の仲間も大戦艦の完成した現在では忙しすぎてフリオニール救出部隊を結成してくれるとはとても思えません。
次に「2.セーブデータを捨てて、最初からやり直す」ですが、これはあくまでも最終手段としたいと思います。これをやるぐらいならFF2に呪いの言葉をかけながら二度とプレイしないという選択肢の方がましかもしれません。本気でフィンに帰れないのだとしたら、これはシステムのバグです。今すぐチョコボを殲滅すべき、という結論さえ導きだせそうです。
消去法で残された選択肢「3.敵を倒しながら進む」を選んでみました。
となると、こちらの武力が一番の問題点となります。今マリアのファイア以外に敵に有効な攻撃はないに等しい状態です。で、敵の中にもファイアが効きやすいやつとそうでないやつがいます。となると、ファイアがきかない敵に当たったら、アウトです。あとはマリアのMPが切れてもアウトです。すなわち回復はフリオニールの役割ということになります。マリアさんのファイアを頼みの綱にセーブしながらこまめに進むという方策が唯一残された道なのです。
まぁ、何十回とパーティーは全滅しましたが、当初地図で見た北西のルートを少しずつ進んでいったわけであります。エンカウント歩数が決まっているので、一歩たりとも無駄にできない状況なわけです。ゾンビ系の極めてファイアが効きそうなやつに当たったとしても油断はできません。出会い頭に「クラウダ」とか唱えてきますから。フリオニールが高い確立で毒状態。連続して「ブライン」的な特殊攻撃も受けて目が見えなくなったりして、いろんな状態不良を経験しながら結局なぶり殺しですよ。もう地獄のような苦難の道を乗り越えて、それでもやっと橋を渡ればフィンのある大陸に移動できるという段階になりました。この瞬間、全米が泣きました。うん、橋を超えれば普通敵の強さもゴブリンレベルに下がるはずですもん。・・・あれ?
私が「トクレセンタボービ」で確認した橋でつながっていると思われた陸と陸の間に、極めて近接していかにもな陸と陸の間に・・・橋はありませんでした。地図からは橋の存在は確かに確認できないのですが、でも、こんな地形なら普通、橋の一つや二つかけるだろっていう絶妙なポイントがあったんですよ。まさかここに橋をかかっていないとは・・・。逆にいうとミシディアとの交易を始めようと思ったら、私ならここに橋を建造することをヒルダ様に進言するに違いないですよ。ってか、諦めがつきません。ミンウにもらったカヌーで越えられるものならこの川を越えていきたいです。
どこまでも自分を苦しめ続けるFF2・・・ダメージがデカすぎてとりあえず、セーブして休憩しました。