父王の自害 父王の自害

国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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ガルーダ × 竜騎士

父王の自害

アルス王子とともにサロニア城内へ訪れたアルクゥたちですが、その日の晩に王様自らの夜襲を受けました。どうやら背後にはギガメスという男がおり、王様の行動をコントロールしている状況だったようです。しかし、子を思う気持ちが強かったのか、ゴーン王は息子に向けた短剣を自らの腹に振りおろして、ギガメスのコントロールを打ち破りました。思わぬ出来事に「くっそー。なぜ術が破れたのだ!?」と動揺するギガメスという男。どうも身なりからいって、怪鳥ガルーダ疑惑のある大臣がこの人なのでしょう。この大臣の出現と王様が豹変してしまった時期は重なるようですから、深く考えるまでもなく、怪鳥・ガルーダ扮するギガメス大臣一人にサロニアという巨大軍事国家が落とされかかっていたということになります。「愛する子供を手にかけるぐらいなら自ら命を絶つ。お前の思うようにはさせん!」とゴーン王。ギガメス大臣の誤算は、おそらく彼には理解できないであろう親子愛にあったのでしょうね。怪鳥・ガルーダはカッコウのように托卵でもするのでしょうか?親子の愛が希薄な環境で育った怪鳥なんじゃないかと推測されます。親子愛をテーマにした作品は昔から今にいたるまであらゆる媒体で発表され続けてきており、ファミリー受けがよいのでいわゆるテッパンなテーマだと思います。どこか見たような内容でも、子供のために身を呈する大人の姿は涙を誘います。これを強調するために、ギャップを作っておくというのも定番の手法です。反目しあう親子が何かをきっかけに助け合ったり、かばい合ったり。あのベジータ様ですら、トランクスのピンチに逆上したものです。ところで、関連するかどうかわかりませんが、碇ゲンドウさんとシンジ君、ダースベイダー卿とルークの間には親子愛はあったのでしょうか?

ギガメス大臣

「ならば、まとめてあの世へ送ってやる!死ねぃ!」とギガメス大臣はついに自らの手で戦う気になったようです。この人は王様をコントロールして、国内のほぼ全権を掌握していたというのに、なぜ王様自らに王子を殺害させるなんていうリスクを冒したのでしょうね。兵隊で部屋を囲めば王子の死はより確実だったはずです。また、王子を追放するのではなく、初めから殺してしまうという選択肢もあったはずです。あくまでも自分の解釈ですが、ギガメス大臣は人間にそなわる親子愛という事象をある程度、意識していたんじゃないでしょうか。それを知った上で父親に子供を殺させて、その気持ちをボッキボキに折ろうとしたのかもしれません。王様が抵抗できないほどに精神を傷つけて、完全な傀儡としてしまえば、その後の仕事もやりやすいでしょう。それだけではなく、そういった非道なことを好む性質が備わっていたのかもしれません。もしくは、よい親に巡り合えなかった反動が、嫉妬にも似た感情とともにギガメスを突き動かしたとか。そんなギガメス大臣の思惑をコントロール下にあっても察知したゴーン王が、何とか王子の命を助けようと城から追放してギガメスから遠ざけたと考えれば、ゴーン王の株価は急上昇です。

ともかく、ギガメス大臣へは同情の余地が全くありません。アルス王子に王様のことを任せて、アルクゥが大臣と対峙します。そしてギガメス大臣は真の姿である怪鳥の姿をあらわにします。

怪鳥ガルーダ

怪鳥・ガルーダは首や腕が鳥の姿をした、半鳥半人といった姿です。魔神英雄伝ワタルのクラマを大分恰好悪くしたような出で立ちです。中ボスということなので慎重にいきたいところです。まずはアルクゥがロキの竪琴を奏でて、味方陣営の火力を補強します。大事なお友達のアルス王子のこともあるので非常に真剣な表情です。そして、もう一人、怪鳥と因縁のある竜騎士というジョブを選択したイングズがその特技・ジャンプを繰り出します。竜騎士のジャンプ攻撃は空を飛ぶ対象に絶大な威力を発揮することはサロニア城下でさんざん聞かされましたし、過去にガルーダを対峙した者も竜騎士だったといいます。イングズとアルクゥという二枚看板をいかに使うかでこの戦いの結末が決まりそうな予感です。と思ったら落下してきたイングズの攻撃を受けたガルーダが・・・死にました。

戦いには相性問題がつきものですが、ガルーダにとって竜騎士は天敵と呼べるほどの脅威だったのかもしれません。だとしたら、竜騎士と縁のあるこのサロニアを攻めようとしたギガメスは過去の復讐に気がはやったか、あるいは竜騎士を克服しようとしてのあえて挑戦したのか・・・ともかくイングズという竜騎士の存在に気がつかなかったのが敗因でしょう。アルクゥも一応アシストしているので、王子に対して面目は立ちました。場面は王と王子のシーンへと切り替わりまして、父を呼ぶ子の声に対して「おぉ、アルス王子よ。わしは操られていたようだ。お前はもうわしのことを許してくれぬと思っていた。」とせつない会話が始まりました。腹からの出血は相当のものですので、安静にすべきところですが、王様が何かを息子に伝えようとしているところを止めるわけにもいきません。「だが、こうして戻ってきてくれた。そのおかげでまた自由な魂に戻れたのだ。アルスよ、頼む。わしの後を継ぎサロニアに再び平和を・・・。」王子様は認めたくないでしょうが、これは遺言というやつですね。王としての使命を息子に託し「愛している、アルス・・・」という言葉を残して王は絶命しました。まだ若そうな王様でした。