国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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ドレミファソラシド

本当の兄弟のように育ったレオンハルトが、あろうことか敵側国家の新皇帝の座につき、随分と差をつけられてしまったフリオニールは、兄の反逆ともとれる行為に自ら説得を試みることを志願したマリアとともにパラメキア帝国の本拠地に乗り込むことになりました。ヒルダ王女の言うことにゃ、そのパラメキア城は四方を山で囲まれた要塞で、とても人の足で踏み入ることはできないだろうということ。しかし、あの竜巻ですら乗り越えた飛竜がこちらにはついていますから、十分に勝算はあります。ドラクエ5で石化したビアンカを救いにマスタードラゴンの背中に乗って大神殿に向かったあのときの昂揚感がよみがえってきます。

ほんとすげーなところがどっこいものすごい人がいたもので、なんと難攻不落のパラメキアの城への侵入に成功した人がいるんだそうです。レイラ姐さんの話によると、我らがよく知る人物が昔、山登りに挑戦したのだとかなんとか。どこかのアルピニストのようにそこに山があれば登らざるを得ない性分なんでしょう。天下の大怪盗・ポールさんこそ、今回のレオンハルト懐柔ミッションの鍵を握る人物なのでした。もちろんポールさんの侵入の動機は「盗み」です。何も警備の厳重な場所にお宝を求めなくても、適当な民家で失敬しとけば安全なのでしょうが、ポールさんほどになるときっと「お宝」なんか二の次で、あのパラメキア城に侵入して無事に帰ってきたという名誉の方が大事なんでしょうよ。凡人には天才の考えることはわかりませんね。もちろん天才的なテクニックで無事生還を果たしたポールさんは、この偉業を誰かに話さずにはいられません。元海賊という肩書きを持つレイラさんに自分の武勇伝を語りに語ったそうです。人の自慢話なんて退屈でしょうがないのに、話している方は当時の心境を思い出しちゃったりしてテンションが上がりっぱなしなので自然と長話になってしまいます。レイラさんもうんざりした様子です。
それにしてもいつの間にポールとレイラさんは、そんな世間話をするほど仲良くなったのでしょう。思い出してみるとポールさんと接点があったセミテの洞窟や闘技場の地下にいたときには、4人目のメンバーがミンウさんやゴードンだったじゃないですか。なのでフリオニールの目の届いていた範囲で二人に接点はありません。ということは、フリオニールと会う以前から二人に交流があったか、あるいは、フリオニールがリバイアサンに飲み込まれている間に二人はフィンで一緒にお茶をするような関係になったということになりそうです。前者はやはりお尋ね者同士、一般人にはわからないようなネットワークがあったのかもしれませんね。でも、後者も捨てがたい仮説です。フリオニールの居ぬ間に、ちょっといい女のレイラさんにちょっかいを出してきたポールさんというのもありえます。ただ、自慢話はよくなかったですね。レイラさん、脈はなさそうな感じです。

説得するそうです続いて、へたれ王族にしてフィンをあわよくば自分のものにしようとしている節のあるゴードン皇子にもパラメキア情報をうかがってみましょう。期待はしていなかったものの、やはり敵の大将がマリアの兄であることをチクチクと攻めてきましたよ。「戦うことはできるのか?」なんてもう戦闘を前提にした考え方しかできていない男です。マリアがあれだけ自分で説得すると熱弁をふるったのにちっとも聞いていなかったようです。もうなんかこいつの目にはマリアが裏切り者のゴミのようにみえているのかもしれませんね。それどころか、英雄・フリオニールを貶めるいいネタになったと内心喜んでいるかもしれません。確かに親友が敵の皇帝だなんてスキャンダラスにもほどがあります。友人の友人がタリバン、というぐらいの破壊力は秘めているでしょう。実はフィン国内で英雄・フリオニールの立ち位置はかなり不安定なものになっているのです。レオンハルトの即位の速報が王室内だけで情報官制されていたのならば、国民の前ではまだ英雄でいられたでしょうが、ゴードン派がこのニュースを使わない手はないですからね。きっとフィンの城下には伝わっちゃっているでしょう。

そうでもないと思うがあんまりゴードンがマリアのことを蔑んだ目で見下すので、ちょっとフリオニールはテンションが上がってしまいました。「これは俺たちの問題だ!」と言い放ってちょっぴり男らしいです。でも、敵の親玉が交代したっていうことはどう考えてもフリオニールの仲間うちで何とかすべき問題じゃありません。現にパラメキア兵から被害を継続して受け続けているフィンにとっては、今後の外交戦略を練るためにどうしたって重要な事項となります。北朝鮮の後継者がどうなるのか危惧する日本政府と、パラメキアのレオンハルト政権を危惧するフィン王国とで何ら変わりはないのです。

真意はなんだ?でも、なぜかゴードンは納得してフリオニールたちの単独行動を許可してくれます。それどころか「生きて帰ってきてくれ。」なんて気持ち悪い台詞をノウノウと言い放ちます。熱でもあるんでしょうか。英雄・フリオニールのさらなる活躍によってパラメキア皇帝がひっくり返れば、ゴードンとフリオニールの発言力の差が縮まります。それでも、フリオニールを応援してくれるあたりがちょっぴり怪しいです。真意のほどはひょっとしたら、パラメキアでフリオニールが戦死すれば、英雄・フリオニールの名前を使って自分が大軍によってパラメキアを占拠して、フィン国内での不動の地位を築き上げることにあるのかもしれません。「これは俺たちの問題だ!」とフリオニールが発言したことで、サポートにフィンの軍勢を連れて行くことはできなくなってしまった雰囲気です。とすれば、パラメキアからフリオニールが帰ってくる可能性はガクンと落ちるのです。

また自慢かフリオニールを死への旅路に向かわせようと画策するゴードンは、パラメキア城侵入のヒントとしてポールが過去に侵入に成功した事例を持ち出してきました。まぁ、それはさっきレイラ姐さんから聞いていたので知っていましたが、どうにもポールさんには自慢癖があるらしく、ゴードンにも何度となく執拗に自慢を繰り返していたようなのです。ポールさんのキャラクターが徐々に軽薄なものになっていきますね。自慢の多いキャラクターはやはりあまり好感度があがらないものですからね。FF1のウネさんのような自惚れの強いキャラクターと同様の感情を抱いてしまいます。
ゴードンに気がついて欲しいのは、ポールさんがパラメキアに入っているということは、過去にカシュオーンにも入っていたかもしれないという点ですね。自慢話を呑気に聞いている場合じゃありません。さすがにカシュオーンの王子には、自慢をしなかったようですが、レイラさんに聞き込みをすればそんな新事実もでてきそうです。

生きてたんすねまぁ、とにかくみんなが「ポールの自慢」について言及するのですから、パラメキア攻略にはポールさんが必要なのでしょう。ひょっとしたら、ついに4人目にポールさんが加わる日がくるのかもしれません。ドキドキしながらフィン城下のポールさんのお家にお邪魔すると、意外な人が現れました。
元・フィンの白騎士にして飛空艇狂・シドさんです。プレーンクレイジーとはこの人のことでしょう。竜巻でパルムが崩壊した後に一度尋ねていったのですが、行方不明となっていたこの人がなんとポールさんの家にいらっしゃいました。彼が言うには竜巻の脅威によってシドさんも例外なく傷つき、知り合いのポールさんの元で静養中だったんだそうです。

心配させるなよフリオニールが話しかけると、ヨロヨロと体を引きずりながらベッドに戻り、ぶっきらぼうな口調で何かを伝えてくれそうな感じです。あの快活で気風のいいシドさんがこんな弱った姿をさらすことになるなんて、あまりのギャップにフリオニールもキョドり気味です。心優しいガイも真剣にシドの体を心配しています。

やった、商売しようシドといえば飛空艇、飛空艇といえばシドというほどの関係にある飛空艇に関しては、シドの怪我とは対照的に竜巻の影響を受けずに無事なんだそうです。っていうか、多分シドがその体を呈して飛空艇が壊されないように守りきったんじゃないでしょうか。そうでもなければ、この人が竜巻なんかでこんな状態になったりはしなそうです。その大事な飛空艇をフリオニールに貸してやるなんてぶっきらぼうに申し出てくれました。いやっほう。そしたら、飛空艇を使ったビジネスをシドさんに代わって開始して、なかなかのお金持ちになれそうじゃないですか。なんといってもこの世に一機しかない飛空艇ですから、ビジネス的には独占状態なわけです。公正取引委員会だって、ライバル企業のない飛空艇ビジネスについて文句もいいづらい状況です。国家に接収されない限り、飛空艇は金づるです。が、手放しに喜べません。シドさんはどうしてそんな飛空艇を貸してくれるというのでしょう。

いつ返せばいいのさ言葉も切れ切れに、シドさんは念をおしてきます。「いいか・・・貸すだけだぞ・・・。大事に・・・使えよ・・・。」なんかもう今にも死にそうな感じです。とりあえず、ご好意に甘えて飛空艇はお借りすることにしましょう。そう、当面の目標パラメキア侵入がこの飛空艇によって可能になるであろうことはすぐに察しがつきます。でも、返却はいつ頃なんでしょうか。
そういえば、ミンウさんに借りたカヌーも、ヨーゼフに借りた雪上船も借りっぱなしで返せていません。っていうか、もう返す相手が亡くなってしまったので、返すことはままなりません。シドの飛空艇は・・・ひょっとすると。

死んじゃうの?最後の最後まで飛空艇の話をしながら、不器用なあんちゃんはベッドから体を起こせなくなってしまいました。わかりづらいです。シドさんってば、いつも怖そうな顔をしていますから表情から読み取れる情報が少ないんですが、ポールさんの家に入ってから彼が死んでしまうなんて、つゆにも読み取れませんでした。正直びっくりです。フリオニールも突然の出来事に取り乱してしまいます。ミンウさんの死から、パラメキア皇帝の代替わりに続いてのこの出来事。このところびっくりの連続で感情の起伏が激しいフリオニールなのです。戦争は人の人生を驚くほど左右するのです。死んでいった人たちはもちろん、生きているフリオニールの未来だって常に振り回されっぱなしです。ベッドに臥したままもう起き上がらないシドをしがみつくような視線でフリオニールは見届けます。

飛空艇の遺産贈与でしたシドが死ぬキャラだったとは、私にも意外なことでショックがでかいです。シナリオを進めていく中で愛着を持ったキャラクターが、死んで二度と登場しなくなる瞬間、自分は結構固まってしまいます。昔から「別れ」というシチュエーションには非常に敏感な子でした。学園漫画とかだったら、「クラスメートの転校」なんていうのもそんなシチュエーションの一つです。ギャグ漫画だったら、転校先が隣町で電車で一駅なんてオチが着いてホッとさせてもらえますが、お父さんの転勤で名古屋や大阪に飛んでいってしまう友達は、せいぜい手紙やメールで再登場するのが山です。結局、転校先で別の友達ができて楽しくやるんです。それがすごくせつなくて、悲しいというのは、独占欲なんでしょうか。そして、舞台が戦争で「別れ」というシチュエーションを書く場合、どうしても「」がつきまといます。これは再会の許されないお別れなので、再登場は思い出の中に限定されてしまいます。だから作家サイドにしてみたら、扱いが重たいことだと思います。が、「実は死んでなかった」がいつの頃からか横行するようになり、シナリオの中の死はどんどん軽くなっていきました。そりゃ、死んだとミスリードしてひっくり返せば、読み手は驚きますが、その効果を取り入れたいがために手軽に繰り返した結果、読者の中に「どうせ死んでいない」という経験則ができてしまい、びっくりしたら損をするというムードが形成されてきたのでした。作家が自分で自分の首を絞めたのです。ジャンプの一時期の漫画は面白いほど生き返ります。「実は生きていた」効果だけで当時の子供達はご飯が3杯食べられましたもんですが、最近はどうなんでしょう。
さて、シドの死を看取った後、ポールさんに話しかけてみますと、先ほどの飛空艇の賃借に関する一件は、やはり「遺贈」ととらえてもよいようでした。わかりにくい遺言ですが、そこがシドらしいのです。シドは飛空艇ごと大戦艦に取り込まれた際にフリオニールが救出したことがありました。その以前にも大戦艦攻略の相談に乗ってもらうなどいろいろお話をする機会がありましたっけ。そんな関係を通じて、彼はフリオニールのことを飛空艇を託すのに値する男と認めてくれたのだと思います。フリオニールは私が思った以上に人受けがいいのかもしれませんね。頼りない一面もありますが、そこが逆に人を惹きつけているのでしょうか。シドやミンウさんにしてみれば、危なっかしい弟みたいな感じで、面倒をみてやりたくなったのかもしれません。

口の悪い兄ちゃんでしたポールさんとシドは以前から親交があったのでしょう。元々シドはフィンの白騎士団の筆頭を張るような男だったと聞いています。男塾でいえば一号生筆頭・剣桃太郎です。ポールさんも職業こそ盗賊ですが、有事には反乱軍の一員として影ながら働くほど愛国心の強いお方です。ポールとシドの過去の友情エピソードなんてのもあるのなら見てみたいものです。瀕死のシドが訪ねてくるのですから、それなりの信頼関係はあったはずです。そして、そんな親友には飛空艇をフリオニールに譲りたい旨を伝えていたんですね。そして、自分の死が近いことも。フリオニールには「俺が動けるようになるまで(貸してやる)」なんて格好つけていってたくせに。ちょっとキザだよ。キザだよ、シドーッ!

忍者か!?で、一応ポールさんの武勇伝(パラメキア侵入編)も聞いておきます。たくさんの人に既に話しているみたいなので、なんか内容に尾びれがついていそうですが、彼が言うには忍者のようにタコを使って風の力で空中に飛び上がり、パラメキア城の屋上に降りたって侵入したんだそうです。さすが天才盗賊の発想は違います。多分ジャパニメーションの影響で思いついたのだと思われる手法です。まぁ、そんな大凧戦法もビジュアル的に結構おいしい気もしますが、ここはやはりシドの遺品でもある飛空艇を使ってパラメキアに乗り込み、敵をとるというのが男ってもんじゃないでしょうか。シドの遺志を託されたものとして、パラメキアを何とかしましょう。