自己犠牲の星
サンダーギガースをくだした後、昇り階段を上がるとなんだか壁の色が白っぽい感じです。これはまさかのケアルギガースの前兆かと身構えてしまいます。正直体力的にいっぱいいっぱいのフリオニールはミンウさんをおいかけてミシディアの塔を攻略途中です。3体の魔法ギガースをくだしたものの、ケアルで回復するギガースの影におびえているところなのでした。
でも、出てきたのはホワイトドラゴンでした。宝箱から出てくるモンスターだったと思います。ホワイトドラゴンといえば遊☆戯☆王なわけですが、残念ながらこのホワイトドラゴンの目は蒼くはありませんでした。こちらとしても手持ちのカードがありませんので、デュエルがはじまらなくてホッとしました。
ところで、うちの新メンバー・リチャードさんなんですが、彼のジョブ(?)が竜騎士なんですよね。それはもう竜とか龍とかドラゴンとかには精通した職業のはずなので、こんなメラニン色素の薄そうなドラゴンなんていさめて帰すくらいのことができてもよさそうなものです。
リチャード:いや、俺は飛竜専門なんだよ。
マリア:あら、でも背中に羽根があるみたい。
フリオニール:あれ、飛竜じゃね?飛竜系じゃね?
期待の眼差しにリチャードが下を向いて固まってしまったので、仕方なく腕力でフリオニールがホワイトドラゴンをだまらせました。竜騎士という名前にいくらか疑問符がつく一件でした。「竜(のごとき強さの)騎士」でも「竜(を自在に操る)騎士」でもなく、「竜(がいないと一人じゃ何もできない)騎士」ということなのかもしれません。亡きフィン国王が望んだ戦力は「飛竜:竜騎士=9:1」って感じだったのでしょうか。
先に進むとまたしても複数のドアが待ち受けていました。右から二番目の法則を信じて突き進んだら、外してしまいました。そういうときもありますよね。
ところでこんなにきれいにドアが並んでいる光景って実は意外と日常の中にありませんか?例えば人が集まるデパートの中や遊園地に映画館、一般企業の職場にも・・・そう、この写真からトイレが連想されるのは自然の流れといえるのではないでしょうか。一つくらい使用中で鍵がかかっていてもよさそうなもんです。困っている人には上からペーパーを投げ込んであげるくらいの度量はフリオニールにもあります。
いや、何の話でしたっけ。そうそうドアが並んでいる光景って少しシュールな感じがするんですよ。ドアって空間と空間の継ぎ目を弁のように塞いでいるものなんですよ。でもって空間っていうのは3次元的な広がりのことなんですよ。こんなにドアが複数近接しているのに、一番右のドアはある広がりにつながっていて、でも、隣のドアは別の広がりにつながっているという感じが少し面白い気がしませんか。いや、しないならいいです。
現実にはこんなにドアが近接している状況って狭いトイレの個室へのドアぐらいなものだと思うんですが、ゲームの中だと普通にドアを一マス間隔に並べることもしてしまうわけです。もちろん、空間を抽象化してるからこそできる技なわけなんですが、最近のゲームだともっと具体的に3DCGで空間を建設するので、こういうシュールな感覚はなくなっていると思います。リアリスティックな描画も映画みたいにきれいで、最新技術の結晶的なところが好きなんですが、昔のRPGの地面のチップを一マスずつ敷き詰めていくような表現でも人間の脳は柔軟に受け止めることができるのだよなぁと・・・いや、なんの話だっけ。
まぁ、とにかく昔のゲームにもその当時はリアルを感じていたのですが、今のゲームのリアルさとは質が違うなぁ、なんてとりとめもないことを考えだしてしまったのでした。
竜騎士・リチャードを仲間に加え、リバイアサンの腹の中から脱出するべくフリオニールは脱出経路を探ります。リチャードがいうことには既に脱出用の船が用意されているのだそうですが、周囲にいる魔物が強くて船に手が出せないのだそうです。とにかく、リチャードについていくと芋虫のような青い魔物がウゴウゴとうごめき、その横になんだか帆船っぽいものがみえます・・・。まさかあの帆船で海上に出るつもりですかいっ!?リチャードさんは平然と頷いていますが、海中からあれで脱出しても、あらためて沈没するわけで、ブクブク溺死してしまうだけだと思います。再度、リチャードの方を振り向いても、やはり平然と笑みをたたえています。この男、竜騎士だけにかなりパワフルではありそうですが、頭の方はやや弱いのかもしれません。それとも竜騎士に秘められた不思議な力でなんとかしてくれるのでしょうか。半信半疑のまま、とりあえずは当面の敵である青い芋虫を叩き潰します。
そういえば周囲を見渡すと牙のようなものがたくさん並んでいました。とするとここはリバイアサンの口にあたる部分なのでしょう。生物の体内から出る方法には二つありまして、一つが口なら一つは肛門ということになります。これが鯨であれば頭頂部の鼻孔から潮と一緒に吹いてもらえ、絵的にもホンワカするのですが、リバイアサンは国家権力の象徴みたいなやつですから、グリーンピースに守られている鯨とは性質を異にします。人間の尊厳を保つためには、できる限り肛門からの脱出は遠慮したいところだったので一安心です。ただ・・・あの青い芋虫(ラウンドウォームとかいうやつ)をみているとここは肛門かもしれないと少し不安になります。「出席番号18番・リバイアサン君は放課後、職員室にくるように」と先生にホームルームで告げられて、職員室にいってみればギョウチュウ検査にひっかかった旨宣告され、ふとしたことからそれがクラスメートにばれて、翌日からあだ名がギョウチュウになりました。その日を境にギョウチュウくだしに効力のあるクリスタルロッドを飲み込む生活が始まったと、そういう可能性も捨てきれません。いまだかつて肛門に歯がある生物はみたことないですが、リバイアサンなんていう不思議生物においてはそんな常識は通用しないかもしれません。ここは彼のためにもギョウチュウを退治してやることにしましょう。