宇宙空間の中、輝く恒星の周りを巡る青き星とさらにその周りを回る二つの月。視点が星を飛び出してついに月面に到達した今作のスケール感は大きかったですね。ドラクエもいろんな世界を旅してきましたが、宇宙船となる乗り物はあったっけ?天界的な場所より上はなかったかな?そういう意味でドラクエは古い宗教観の縛りみたいなものがありますよね。FFは地底にいっても鬼や悪魔や地獄や魔界はなくって、マグマと共生するドワーフがたくましく生きていました。そしてそこにもクリスタルが置かれ、均衡を保つように配置されているのです。ドラゴンボールみたいに集めちゃダメなアイテムなんですね。
ミシディアの伝承が流れてきます。
竜の口より生まれしもの 天高く舞い上がり 闇と光をかかげ 眠りの地にさらなる約束をもたらさん。 月は果てしなき光に包まれ 母なる大地に大いなる恵みと 慈悲を与えん。 されど、つかの間の休息なり。 その月は自らの光を求めて さらなる旅に導かれん。 同じ血をひく者、一人は月に 一人は母なる星に 時の流れが、その者たちを引き離さん。
なんとあの伝承には続きがあったんですね。ネタバレにならないように伏せられていたんでしょう。ゼムスが倒れて月は光に包まれ、地球もハッピー。セシルとセオドールは今生の別れになっちゃったね、っていうことだと思います。
魔導船は帰還後、元の場所に収めるようです。ミシディアの祈りの塔で緊急時にだけ祈って利用する、という取り決めでもしたんでしょうか。地球の一部の人、国家の上層部だけが知る秘密ですね。どこかの国が独断で利用するにはオーバーテクノロジーすぎて、今はタブーとするのがいいんでしょうね。セシルが「僕が預かる!」と言ってもさすがに揉めるでしょう。カインが「オレが公正に預かろう!」ってギャグを一発かましてくれたらウケるかな?笑えないかな?あっ、どこかで見たんですが伝承にあった「竜の口」ってミシディアの地形のことを指していたそうですよ。・・・まあ、竜もいろんなタイプがいますしね・・・月にはたくさんドラゴンいたし、入り江がドラゴンの口っぽいって見えちゃった人がいたんでしょうね。私には見えなかったけど。
ここから後日譚です。セシルたちが帰還してどのくらい経ってるのかな?ミシディアでは長老の元、修行に勤しむポロムと・・・パロムの姿はなし。勝手知ったるポロムが外に飛び出します。試練の山でセシルを見極めるという大任をまかされた武勇伝をちっちゃい女の子にうそぶくパロムに盛大なゲンコツが降り注ぎます。
「そんなことでテラを目指すなど10年早いわ!」長老はイマイチ魔法の研鑽に身が入らないパロムに呪文の書き取りを命じるのでした。この二人はたまたまテラっていう大御所賢者と同行することができて幸せでしたね。セシル的にも同行者がこの二人でよかったですよ。シリアスな展開(難破してパーティー消滅)を和らげるようなチームワークが生まれました。それだけにカイナッツォのせいで石化を余儀なくされたときは辛かったな・・・突然、パーティーの高齢化が進んでえらい絵面になったもんです。世が世ならこの二人でスピンオフが一本出てそう・・・あっ、「ファイナルファンタジーIV ジ・アフター -月の帰還-」なんていう次世代編があるのか・・・。FF5とどっちから手を付けるか悩ましいな・・・。
次はエッジです。エブラーナ城に戻って王位に着いたようですが、口うるさいじいに捕まって小言を言われているようです。「だいたい若は王位継承者としての自覚が足りんのです!」「わかっておられたら娘どもの尻など追いかけておらずにですな・・・!」毎度のことに空返事のエッジ、パロムといい、こいつといい平和になったら女の子のことばかりに気が向いてっしまうのでしょうか。男子ってばわっかりやっすーい。
でも、女の尻の中でも特別な尻があるようです。「でもよ、リディア・・・。こっちの世界にゃおめえほどの女は、いやしねえよ・・・。」若様を叱らせたらじい以上と定評のあるリディアの名前がこぼれでちゃいます。やはりリディアの前だとお調子者レベルが上がってましたもんね、この子。でも、その話しぶりだとリディアは別の世界・・・まぁ、幻界しかないですが・・・にいっちゃったのでうまく口説き落とせてはないようです。脈がないとも言い切れないのですが、ちょっと特殊な子なので、この恋がどうなるかは何とも言えないかな。
エッジがいてくれただけでストーリーがよく回転しましたよね。バロンの3人だと一斉に黙りこくっちゃうことがあるんでね。大人リディアとの掛け合いが、それこそパロムポロムみたいに場を和ませたものです。エブラーナはかなりの人口減があって、国の規模は縮小してそうですが、新王が率先して女の子の尻を追いかけているので復興は早いかもしれませんね。バブイルの塔でみつけた飛空艇・ファルコンがエッジの物となったかどうかが気になります。
リディアは案の定、幻界で暮らしているようです。幻獣王とアスラ様に丁度帰還の報告をしたタイミングっぽいですね。そこに子供っぽい幻獣が入ってきて「ねえ、リディア。どうして僕にはキバが生えてるの?僕もリディアと一緒がいいな・・・。」と問いかけます。リディア、どんだけ幻獣に好かれてるんだろ。この謎のカリスマ性はついに本編で描かれませんでしたが、描かれなかった以上、リディアの性格や容姿に魅力があったというしかないでしょう。子供のときにタイタンを呼んで地球を割るという衝撃的な出会いがセシルとありましたが、これも召喚士の才能以前にもうタイタンに好かれているっていうことだったのでしょう。突如大人になって再開するっていうギミックがやはりリディアを特徴づけていて、立ち位置がずっと不思議ですね。なお、幻界の時の流れのせいで、そのうちセシルの齢を抜き、エッジとは吊り合いがとれなくなる予定です。エッジは行動するならお早めに!
「何言ってるの。人間も幻獣も一緒よ。」キバがあろうが翼があろうが人間と幻獣に違いなどないというリディアの言葉を聞いて安心するアスラ様。見た目じゃないって話をしているのに「んー、なにしろ美人じゃしな!」と素っ頓狂なことをいう幻獣王様・・・このゲームの男はみんなこんななのか・・・。
リディア「大事なのは・・・心。そうでしょ・・・?セシル!」
リディアのセシルへの気持ちって基本的に好意的で、子供のころは初恋かどうかもよくわかんなかったけど、とにかく誠実に自分を守ってくれた人で、ずっとそれが尾を引いていると思います。出会い方はひどいもんでしたが、ローザ以上にセシルのキャラクターを決定付けたのはこの子との序盤の旅路だったと思います。暗黒騎士だけどやってたことはリディアを守るパラディンでしたもんね。このゲームで一番重要な役割を果たしたのはセオドールかちびリディアでしょうね。ギルバートを叱りつける辺りからガンガン前に出ていくようになったし、一歩引いたところにいる大人なローザよりも主演女優感ありますね。
エンディングトーク・・・長くなっちゃうな、これ。