ドーガから土のクリスタルの無事を聞かされて、頓挫しかけていた四つのクリスタルを集めるミッションに希望がみえてきたルーネス一行は、ドーガ製の金のクリスタルの方へ興味がひかれつつも、ドーガの部屋の燭台の奥の隠し部屋から魔法陣の洞窟へ向かうのでした。「見ての通り、小人にならねば入れん。」相変わらずの入場制限ぶりです。これ誰が得するんでしょうね。ユーザーを楽しませようとした結果、ここで小人になってもらおうと判断したのでしょうかね。RPGではシナリオの進行とともに行動範囲が広がっていくことがありますが、その際に「乗り物」や「鍵」の入手を以て行ける場所が増えて行ったりしますが、このゲームにおいては「ミニマム」の呪文がその代りを果たしているのでしょうか。鍵も乗り物もお手軽に使えるのでいいのですが、小人になって、元に戻るという一連の流れは面倒な上にMPまで消費するので、あまり好きになれません。その面倒を強いてまで隠しておきたいものがこの洞窟にはあるということなのでしょうか。
魔法陣の洞窟の内部は植物やキノコが鬱蒼と茂る湿度の高そうな空間でした。気まぐれにルーネスがドーガに「人間の命なんてもらってもなぁ。ザンデが怒るのもわかる気がするよ。」と話しかけます。仮にも人間のクセに人間の命に価値がないみたいな言い方ですが、これはドーガやウネがもらった「すごい魔力」や「夢の世界」と比べての発言です。これらのノアが遺した三つのもののうち、どれか一つを選べるとしたらどうでしょうか?なんか性格診断に使えそう。
1.魔力を選んだあなたは中二病願望にあふれています。現実から目を背けずに、自分の持てる力で未来を切り開こう!
2.夢の世界を選んだあなたは他人とのコミュニケーションに悩んでいるのかも。眠ったふりをしていても一人ぼっちになっちゃうだけだぞ!
3.人間の命を選んだあなたは、今の自分に満足しているリア充!人間賛歌は勇気の賛歌!今のままの自分を大切にしよう!
もちろんルーネスもザンデも1番を選択するわけです。「わが名はクリスタルの守護者、光の戦士ルーネスっ!」「こしゃくな、我が闇の力を解き放ち、時流の趨勢を堰き止めてくれるわっ!」みたいなプレイが脳内で再生されています。しかし、実際に1番を受け継いだドーガ様は「人間の命は限りがある。しかし、だからこそ人間は精一杯生きることができてすばらしいのだ。」とおっしゃりました。なるほど、ドーガさんのように地に足のついた考え方ができない人に、強大な力を与えてはいけないとノアさんも考えたのでしょう。実際に全国の中学二年生に強大な力を与えてしまったら、世界は混沌を深めそうですものね。
魔法陣での移動を挟んで、先に進んでいくとドーガさんが急に咳き込みだしました。この咳の感じは体の調子がよろしくないのかなと思ったら、案の定ドーガさんは自らの寿命が長く残されていないことにすでにお気づきのようで、「急がねば・・・」とまずはルーネスたちの船に魔法をかけ始めました。「ゼハピド ムウー カイネ!」との詠唱とともにノーチラス号は海の底にもいけるようになったそうです。なんでまた唐突にノーチラス号に潜水機能をつけてくれたのかと思ったら、サロニアの南、二本角岬の海底に時の神殿というのが眠っているから、そこにいけとドーガさんに命じられました。そこにはノアのリュートというアイテムがあるそうで、夢の世界に響き渡るこの魔法のリュートを使って夢の世界からウネを連れてくるというのがルーネスたちの次の課題だそうです。いろんなことがいきなり起こって状況が呑み込めませんが、とりあえず「ゼハピド ムウー カイネ」ってなんなんでしょう。意味を読み取ろうとしましたが、「トビハゼ」しか連想できませんでした。うーん、「ムウー」とか沈んだムー大陸と潜水機能を掛けている気がしなくもないでかね。三つの単語から構成されてますから「ノーチラス号に」「潜水機能を」「与えよ」みたいな感じで割り当てればいいですかね。それで言語は頻繁に使われる単語ほど発話コストを下げようとする特性があるので「ムウー」に「与えよ」が該当するんじゃないかと予想します。「ゼハピド(トビハゼみたいに跳んだり潜れる能力を) ムウー(与えよ、) カイネ(これに!)」古代言語との対話は難しいですね。
そして、次の目的地である時の神殿についてですが、先日、神々のトライフォース2をクリアした私はゼルダの伝説を思い出さずにはいられません。ノアのリュートよりもマスターソード的なものを引き抜きたい気持ちでいっぱいなのです。ノアの「リュート」と言えばFF1にも同じ楽器が出てきました。確か、セーラ姫から授かったアイテムで、ラストダンジョン2000年前のカオス神殿の隠し入り口を開く鍵になっていたものです。FFのキーアイテムになる楽器といえばリュートと相場が決まっているのかもしれません。確かに高らかにトランペットを吹いたら重要な場の荘厳な雰囲気がぶち壊されること必至です。ドラクエの場合、ロザリーヒルではあやかしの笛、ゴーレムの前ではようせいの笛、馬車を呼ぶのにバロンの角笛とよく笛を吹いていたイメージがあります。ミレーユもマスタードラゴンを呼ぶのに笛を吹いてましたし、春風のフルートは季節を運びますし、天の箱舟もアギロホイッスルで呼び出します。マスタードラゴンは天空のベルでも呼べる執事みたいな存在だったので、ドラクエといえば笛というわけでもないですけどね。不思議なタンバリンとか戦いのドラムとかの打楽器も結構叩いたものです。リュートのような弦楽器といえば、銀の竪琴とかマーメイドハープとかありましたね。そしてドラクエ7のキーアイテムにトゥーラというオリジナル楽器がありました。これは多分、「リュート」がモチーフになっている楽器だと思われます。楽器の形も名前も似てますし。ドラクエ側がエフエフ側になんらかの配慮をしてトゥーラっていう名前がついてたりして。英語でリュートは「Lute」なのでトゥーラは「Tule」だと予想します。こう並べてみると楽器って物語のキーアイテムとして登場させやすいのかもしれないですね。ゼルダの伝説でも「時のオカリナ」とか「風のタクト」とかサブタイトルになるぐらいのキーアイテムっぷりです。ゲームっていう総合芸術においては「音」がシーンを演出することもできるので、楽器というアイテムが効果的に画面を盛り上げてくれるせいかもしれません。小説や漫画よりもずっと効果的ですもんね。
ノアのリュートもきっと夢の世界との懸け橋として斬新な演出でウネさんと合わせてくれることでしょう。「ノア」の名前を冠しているくらいですから、さぞかし魔力にあふれているのでしょう。さて、ドーガさんはドーガさんで魔法陣から異次元に飛び、エウレカへのカギを取りにいくそうなのでここでお別れとなりました。エウレカってどっかで聞いたことがある気がしたのでググってみたところ自分が知っていたのは小惑星エウレカでした。ユリイカも同じ意味を指す単語だそうです。古代ギリシャ語で「見つける」という意味の動詞らしく、アルキメデスがアルキメデスの原理に気づいたときに「エウレカ!」って叫んだとWikipediaに載ってました。多分、古代ギリシャ人は「ソクラテス君、エ~ウレカ(み~つけた)」みたいな調子でかくれんぼをしていたのでしょう。私も何か発見したときには使ってみたいです。なお、交響詩篇エウレカセブンという有名なアニメがあるらしいのですが、見ていないのでよくわかりません。きっと7つくらい発見するお話なんでしょう。
「また会おう、さらばじゃ!お前たちはウネを起こし、巨大船インビジブルを手に入れるのだ!ウネによろしくな!」とか言いながらドーガさんは魔力でルーネスたちを外にワープさせてくれました。気さくなおじいさんでしたが、異次元を移動したり、ルーネスたちをワープさせたり、さすが大魔道師ノアの魔力を受け継いだだけのことはあって、自然空間の法則を無視するようなことを平気でやってのけてくれます。頼もしいことこの上ないですが、ルーネスたちと別れて単独で行動したところをザンデに狙われるんじゃないかっていう不安でいっぱいです。兄弟弟子のザンデさんに弱みを握られてせっかくの力を発揮できないまま、ルーネスたちに最後の希望を託すところまでが思い浮かびましたが、そうならないことを切に祈っております。さらっとインビジブルの名前が出てきましたが、これはサロニアの図書館の蔵書で乗ってみたい飛空艇ランキング第2位になっていた巨大船ですね。巨大船が必要になるということは、なんか本格的な戦争に備えろってことですかね。ドーガさんはどこまで未来を見据えているのかなぁ。