小人といういかにもファンタジーな存在に変身を遂げたルーネスは、無事にトーザスという小人の住む集落への侵入に成功しました。西のミラノス山脈を越えないことには、ロクに世界を救う旅もできませんので、この小人の村でこの先に進むための情報を収集することにします。さすがに小人というだけあって、普通の人間とは違った風変りな情報がさっそく寄せられました。なんでも、どこかに生きている森があって、そこにいる妖精はとてもプリティーなんだそうな。生きている森という表現をされると、それ以外の森がまるで生きていないようでに聞こえてしまうのですが、おそらくにこにこ島の樫の木おじさんのように人語を操る植物でもいるということなんでしょう。となると、その森の妖精というのはじゃじゃ丸、ピッコロ、ポロリの3人かもしれません。そういえば、この先のミラルカの谷にはバイキングのアジトがあるとのことでしたが、ねずみのポロリは海賊の末裔です。何か関連が・・・。
そんなミラルカの谷へ抜ける洞窟の入り口は、この町に住むシェルコ先生しかしらないそうです。小人の中にも「先生」なんて呼ばれて尊敬される存在があるのですね。さて、シェルコ先生の職業とは!?
1.学校の教員
2.大学教授
3.医師
4.弁護士
5.代議士
6.小説家
7.漫画家
意外と「シェルコ先生の漫画が読めるのはジャンプだけっ!」みたいな創作系の先生かもしれません。原稿待ちの編集の人と居合わせたら気まずい感じですね。それにしても、シェルコ先生以外は誰もミラルカの谷への通路を知らないというのは、どういうことなのでしょう。そもそも、サイズの小さい小人に山脈越えのような長旅は難しいということなんでしょうかね。日常生活に関しては、北の泉に水を汲みに行く以外はそれほど出歩く必要がないくらい環境がよいところなのかもしれません。果実の一つも拾ってくれば、町中の人の一食分くらいになるのかも。たんぱく質はどこから摂取するのでしょう・・・やっぱ、虫とか豆とか食べるのかな。
場面が村の中に移動したので、デッシュも別のことをしゃべりだすかもしれません。話しかけてみるとこの男、今度はイングズにこびとのあり方を説きだしました。「剣は使えそうにないな」というセリフを素手で戦うモンクのイングズに言われてもねぇ。外でも「クリスタルの力を有効に使えよ!」とやたら魔法をプッシュしてくるのですが、そんなにおせっかいに言われると逆らいたくなります。でも、小人のままではウサギすらも狩れなさそうです。町を出たら、総員転職といきましょう。
ショップでは、こびとのパンについて熱心に語ってくれる小人がいました。なんでも旅の必需品らしく、こびとのパンには世界を見通す力があるんだそうです。どうして、小人用のパンにそんな特殊効果が備わっているのかわからないのですが、小人が練ったパン生地に何か秘密でもあるのでしょうか。確か、カナーンのシドの家の隠し部屋でこびとのパンをゲットしていたと思うのですが、後で使ってみて(食べてみて?)その効果を確かめようと思います。
また、トーザスには小人サイズのモーグリもいました。ミニマムで小さくなったのでしょうね。前にトパパに送った手紙の返信が届いているようなので、見せてもらったところ、その内容は、ルーネスとアルクゥの無事を確認し、不在になって二人の存在感の大きさが再確認されたことを記し、厳しい旅路を励ましてくれるというものでした。文字的な制限からかひらがなとカタカナで綴られた手紙が少し小学生っぽいですが、村長さんどうもありがとう。二人には大きな励みになったことでしょう。実際のところ、アルクゥはともかく、ルーネスはかなりやんちゃな存在だったらしいので、トパパ村長もさぞかし肩の荷がおりて助かったことでしょう。でも、「バカな子ほどかわいい」なんて言葉もありますから、やっぱり寂しいのでしょうね。ちなみにアルクゥのような大人しくて聞き分けのいい子には「バカな子ほどかわいい」という言葉が酷なときもあると思うのですよね。問題児ばかりがチヤホヤされたら、まじめな子は面白くないですよ。そんな疎外感がアルクゥを卑屈ないじめられっ子にし、またコミュニケーション能力の低下を招いたと勝手に予想してみます。
一通り町を散策し終えて、肝心のシェルコ先生が見つからないなと思っていたら、一軒入り忘れていたお家がありました。中には、ベッドの横たわる人が一人。消去法でいえばこの人がシェルコ先生ということになります。
さっそく話かえてみると先生とおぼしきその小人はうなされながら、「どく・・・けし・・・たのむ」と途絶え途絶えにメッセージを発信してきました。これ知ってますよ、電車男ですよね。「めしどこか・・・たのむ」とデートにふさわしいお店を2ちゃんねるで尋ねたという有名なフレーズのパロディですね。とりあえず、私が知っている「どくけし」のメーカーは一つしかないので、後日また連絡するということでよろしいでしょうか?ただ、シェルコ先生はそんな冗談も通じないような切迫した表情でこちらを眺めているので、大人しく道具メニューから「どくけし」を渡してあげました。はたして、間者に毒でも盛られたのでしょうか?唯一ミラルカの谷への道を知る者ですから、彼を邪魔だと思っている勢力もいるのかもしれません。何らかの通商ルートに使われていて、その通行料を独占していたシェルコ先生は暗殺されかかっていたのでしょう。
どくけしはすぐに効果を現し、シェルコ先生の容体も落ち着いたようです。一体誰がこんなことを・・・まだ、犯人は近くにいるかもしれません。なので、先生に心当たりがないか聞いてみることにします。すると、先生の口からは意外な犯人の名前が挙がりました。「あー助かった。何か食べ物にでもあたったらしい」・・・先生、犯人はあなた自身だったんですね。人に「先生」なんて尊称付きで呼ばれるシェルコさんは、ちょっと食い意地が張っているのか、賞味期限切れのものでも「へっちゃら、へっちゃら」と口にしてしまうような人でした。「食あたりする小人」という事象は私の記憶の中でも初めてのことなので、かなり衝撃的だったのですが、なるほど「人も小人も変わらないものなんだな」と少し小人に親近感を覚えました。「小人=ファンシー」という幻想を捨てて、ちょっと下世話な小人の存在も認めてあげることが、両者の相互理解につながるものと思います。
さて、復調したシェルコ先生は、お礼にとばかりにミラルカの谷へと抜ける通路を教えてくれました。彼しか知らない通路の謎はここで氷解します。何のことはなく単に彼の家の中に通路があったから、他の人が知らないというだけでした。先生と呼ばれるような家系ですから、小人の村の歴史の中でシェルコ家は名門ということだったのでしょう。いつかの祖先が私財を投じて作られた通路が今もシェルコ家に残されていたのでしょう。
問題のシェルコ先生のジョブについてですが、彼はお医者さんというのが正解だそうです。そう、村で唯一の医者だったから、先生の病気は誰も治せなかったというオチでした。医者の不養生を地で行くシェルコ先生が少し面白いです。食あたりって、一体何を食べちゃったんでしょうね。そして、どくけしの一つも処方してあげられないトーザス民も随分と情けないです。「どく・・・けし・・・」ってフレーズが「どこか・・・めし・・・」に聞こえちゃって、デートスポットによさそうなこじゃれた居酒屋でも探しに行っちゃったのでしょうか。
余談ですが、無医村でのお医者さんというのは、結構政治的な権力を持っているイメージがあるのですよね。名探偵的な人がど田舎の村に旅行に行くと、そこで殺人事件が起こるわけですが、村長と結託して裏で悪だくみをしているのは村で唯一の医師の人だったりしませんか?今は「Dr.コトー」のような良医のイメージの方が強いのかな。シェルコ先生は食い意地が張っているということ以外は、前髪を長く前に垂らしていて、目が隠れているという特徴を持っています。視力が低下しそうな髪型がこれまた不養生っぽいですね。これはミステリアスでやや根暗なキャラクターによくみられる特徴であります。解剖とか好きそう。あと多分男子です。小野妹子と同じで語末が「コ」だと、女子かもって思っちゃうのは日本人だけでしょうね。
短い間でしたが、トーザスに別れを告げて先に進むことにしましょう。オモシロ小人医師・シェルコ先生とまた会えるといいな。