少年漫画の中で、守られるべきヒロインとして大事にされてきた女子キャラクターが、「暴れだした」のはいつの頃からでしょうかね。この手の話題は、ウーマンリブ運動あたりと絡めて語られることもありますが、私が知る範囲では80年代の週刊少年ジャンプにはそういった兆候が現れてきています。北斗の拳のマミヤさんやキン肉マンのビビンバあたりは「はねっ返り娘」的な役どころを持たされていますが、まだ守られる側の域を出ていないと思います。(敵に衣料が破られたら、「露出を隠す」のはまだ守られれる女子の反応という解釈。)車田漫画の菊ねえちゃんから沙織さんへのへの変遷なんかも面白いトピックかもしれません。「ストップ!!ひばりくん!」「ウィングマン」「きまぐれオレンジ☆ロード」あたりはいずれも80年代のジャンプ漫画です。これらのヒットで「男子が当惑するほど話をグイグイ引っ張る女子」は、少年漫画に市民権を得たのかもしれません。そして「男子よりもつおい」アラレちゃんの存在も、女子の社会進出に貢献したものと勝手に想像しております。
最近のジャンプでは、普通に女子が戦闘要員だったりしますから、着々と男女平等社会が近づいてきているのかもしれません。就職難も男女平等になってきていますでしょうか?
FF3(DS版)においては、主人公グループに一人、女子のレフィアが入っています。FF3のファミコン版では、主人公キャラに名前はなかったと聞きますから、リメイクの際につけられた新しい個性のようです。FF1もそうだったように、FF3もFC版ではおそらく男子4人を光の戦士として戦っていたんじゃないかと思いますが、女子という個性を与えたのにはいろいろな理由があったのでしょう。確かにファミコン時代は、ゲームをする女子というのは少なかったです。男兄弟がいるとまた違うのでしょうが、「男子みたいにファミコンばっかりやっていると馬鹿になる」という男子防衛線が張られていたように思います。今は女の子も熱心にDSで遊んでたりしますもんね。女の子向けのタイトルも増えているようで、TV広告まで打っているのを見たときは感心したものです。話が脱線しましたが、FFは女性にも熱心なユーザがいるようですので、女性の目を意識したキャラクター造形がなされるのは当然のことでしょう。感情移入の対象である主人公グループに女子がいない方がむしろおかしい時代なのかもしれません。
そんなレフィアのバックグラウンドには、鍛冶屋の修行が嫌で、家出したという思春期の女子っぽいエピソードがあります。男子も家出を試みるやつはいますが、女子のそれとは意味合いが異なる気がします。新天地を求めている点で同じですが、女子の場合、「家への束縛」から脱出したいという願望がより強く詰まってませんかね。自分は女子ではないので、自身の体験談として書けないんですけどね。このブログでレフィアのことを書くときはそんなところにも注意した方がよさそうです。
では、前置きはここまでにして、ルーネスたちの旅に目を移しましょう。ワイトスレイヤーを手に入れた一行は、封印の洞窟を目指して飛空艇に乗り込みます。大陸の北にあるその洞窟は、北の山岳地帯と南の大きな湖に囲まれているので、徒歩での移動は困難な場所にありました。なんでそんなところに封印の洞窟を作ったのかを考えると、それだけジンという魔法使いが凶悪だったことが想像されます。腫れものには遠くで蓋をしておけば、触る必要はないですからね。ちなみにワイトスレイヤーは、ルーネスが装備しています。元は王家のものだから、サスーンの兵卒たるイングスに渡すのでもよかったのですが、まだ仲間になりたてなので、強そうな武器を渡すほどのシンパシーを私が感じておらず、自然とルーネスが持つことになりました。早くパーティーになじんでほしいのですが、ちょっと斜に構えてクールを装っているので、とっつきづらい奴だったりします。まぁ、そのうちククールぐらい人間臭い一面を発揮してくれることを期待しましょう。
洞窟の中には、うわさ通りアンデッド系がひしめいていました。そして、想像通り、骸骨がいたるところに散見されます。これは誰の骨なのか・・・なんか過去のジン騒動でいろいろ痛ましいことがあったのでしょうね。そのときの被害者がアンデッド系モンスターとなって、ルーネスの行く手を遮っていると考えるとやりきれない感じです。倒して成仏させるのが供養になる、という勝手な解釈でやってきていますが、FF3の世界の宗教観はまだ謎なので深く考えないでおきましょう。
サスーンで仕入れた情報の通り、そんな頭蓋骨の一つに光るものがありましたので、すかさずタッチしてみると、轟音とともに行き止まりだった道が開かれました。こういったイベントは瞬間的に写真が撮れないので、「道が開かれる」というかっこよさそうなシチュエーションの画像がお届けできないのが残念です。DSを改造して画面出力をレコーダーに保存するなんていうことはやりませんよ。
ハードの改造はともかくとして、ソフトの方の不正コピーは結構深刻な問題になっているみたいですね。ソフト側で対策を施しては、回避されるといういたちごっこを続けた結果、どうもゲームの流通形態自体が大きく変化するような流れができてきそうですね。WiiWareとかiPhone向けアプリとか、ダウンロード販売が主流になるとしたら、いよいよ日本の料金収受の仕組みも変わってくれるのでしょうか。一応、ソフトウェア産業に片足を突っ込んでいるものとしては、「形のないもの」を売る方法には敏感になりもします。
さて、光るドクロの先の通路を進んでいくと、ここでは珍しい生きた人間があるいていました。豪華な装飾のついたドレスから察するに、高貴な生まれの女性なのでしょう。文脈からすると、サスーン王女のサラ姫としか考えられませんが、とりあえず話しかけてみます。すると彼女は開口一番、イングスの安否を気遣いだしました。ここで前々から感じていた関係線が一気に太くつながりましたよ。
この女性はまぎれもなくサラ姫その人で、そしてイングスに惚れているようですね。これまでのイングスの言動から察するに、二人は相思相愛の仲であることは間違いないでしょう。ここで「身分の差」という障壁が頭をよぎります。お姫様と王家の騎士が関係を持つなんてことは、別にそれほど珍しいことではなかったというようなことをどこかで聞きかじってはいましたが、王女様というのは和平の要として敵対国や親交国に人質に出されたり、政略結婚に使われたりすることも多いので、兵士との逢瀬を表沙汰にするわけにもいかないでしょう。しかも、イングスみたいに若く、おそらく有力な後見を持たないであろう男が、立派なお城も構えているサスーンの一人娘に手を出そうものなら、王様も政治機関もいい顔をしないでしょう。だというのにこのサラ姫は、結構赤裸々にイングスへの気持ちを傍仕えのメイドに明らかにしている様子でした。それってちょっと配慮が足りないかも。イングスの方は、男子の面子を保つためか、そこまではっきりとは言ってませんよね。自分の出世とも絡んでくることですし。なので、サラ姫的には優柔不断なイングスの態度にいくらか不満と焦りがあったりして。「早く城から連れて逃げて!」と喉元まで出かかってたりして。
そんな恋する王女様は、どうやらここへは自分の意思でいらっしゃったようです。王族の血がたぎったのか、生まれつきの正義感なのかはわかりませんが、ミスリルの指輪を自分が持つ以上、ジンを封印するのは自分しかいないと思いつめてしまったようです。このアンデッドひしめく洞窟を王女一人でやってくるというのは、一見無茶なようにも思いますが、私たちはアリーナという名前の王女を知っているっ!そんなアリーナ姫だってパデキアの種を探すときはパーティーを組んだというじゃありませんか。(あのパーティーでは、ひと際浮いていたようですが。)じゃあ、イングスもいることだし、サラ姫はこの4人で保護しようじゃありませんか。
そんなわけで5人目のメンバーとしてサラ姫がパーティーに加わりました。この王女様、気位が高くて、行動力があって、今時のヒロイン像にかなり近い感じです。正直なところ、私はサラ姫にはおしとやかな女性像を描いていたので、これにはかなりびっくりしました。戦闘なんて到底無理な感じで、慎み深く、いわゆる男子が守ってあげたくなるようなタイプの女の子だと勝手に想像を膨らませていたのですね。蓋を開けたら、服の露出は大きいし、口数は多いし、間違いなく男子を振り回すタイプの女子でしたけどね。何でそんなに王女のことでミスリードさせられていたのか考えてみると、やはりレフィアの存在が大きいのですね。ぶっちゃけ、キャラクターがかなりかぶってます。動と動というか、モンバーバラの姉妹が両方マーニャというか。
レフィアは初対面のときからルーネスと衝突を起こすというかなり気の強い女子でしたから、次の主要女子キャラはおとなしめの子がくると思うじゃないですか。しかし、今のところ一番おとなしめなのは育ての母のニーナさんです。この気の強い女子が多いという傾向は時代によるものなのかな。FC版のサラ姫も同じ性格なら、レフィアのキャラクターの方が後付けなので、ここはレフィアが変節すべきなのでしょうが、既にパーティーのムードメーカー的にルーネスの喧嘩相手のポジションについているのでひっこみがつきません。ゲームのバランス的に女子がみんなこんなに威勢が強くていいのか?なんて余計な心配をしてしまうこの頃です。後々、レフィアとサラ姫のキャラクターの分岐点を見つけ出してやるとしましょう。