国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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セシルとセオドール

エッジの軽口が冴えわたるゼロムス討伐後の月の中心核です。歓談中、名残惜しいですがそろそろフースーヤはおねむの時間のようです。月の民は眠ることで青き星の文明が育つのを待っているわけですが、もう一回眠りに戻るってことは、地球はまだまだ熟してないってことなんでしょう。ゼロムス討伐後は「月の民を超えた」ぐらい言ってましたが、完全にリップサービスでしたね。エッジ以外はわかってましたよ、月のレベルとは隔世の感があるってことくらい。

セシルたちはどうするかとフースーヤに尋ねられるとセシルは地球に戻ることを即答します。そりゃそうだ。地球人に冬眠機能はついてませんし、それぞれ結構地球での残務が残っているのです。戦後処理とか面倒ごとが多いに決まってますし、月でぼんやりできたらどれだけいいでしょうか。フースーヤは良き仲間の存在を称え、再開を楽しみにしてくれるそうです。月の民を受け入れる頃には・・・セシルとローザの子供の子供の・・・だいぶ先になりそうですが、たまにはお茶をしにちょっと目を覚ましてくれてもいいですね。

どちらかというと問題はゴルベーザのことでしょう・・・世界を救ったパラディンの兄が世界を恐怖のどん底に貶めていた張本人という、ちょっとややこしい状況で、マスコミにバレたらゴシップ騒動でセシルたちの活動はやりにくくなるでしょうね。ゼレンスキーとプーチンがズブズブの仲だった、なんて記事が出たら面白がってあることないことTwitterが盛り上がるに決まってます。あっ、イーロンマスクがトップになって丁度Twitterに大ナタが振り下ろされている最中で面白いことになってますよね。前のTwitterだったらゴルベーザのアカウントすぐ凍結されてたでしょうね。

「私も・・・一緒に行かせてはもらえませんか?」ゴルベーザが歩み寄り、フースーヤら月の民との眠りを希望してきました。「ええ・・・、私は・・・戻れません・・・。あれほどのことをしてきたのです・・・。」ゴルベーザの罪ってファミコンやってた小学生時代だったら、どう判断してたでしょうね。洗脳を受けていた者の断罪って論点多くて結構難しいですよ。まずゴルベーザにいいようにやられまくった直接の被害者の立場に立てば、感情むき出しで一番ひどい目に合わせてやりたいって思うでしょうね。思いっきりメテオをぶつけてきたテラって人が典型です。では、セオドールを知る人はどうでしょう?クルーヤやセシリア母さんは、ゼムスこそが悪いと息子を庇うでしょう。セシルをよく知る人はどうでしょう?ゴルベーザに被害をもたらされた人もたくさんセシルの周りにいますが、セシルを支えてきた中でゴルベーザに同情する余地も感じてるんじゃないでしょうか?じゃあ、セシル本人は?

おー、完全に一人俯いちゃってます。彼の心はまだ決まっていないのです。ゴルベーザは父クルーヤの同胞にもあってみたいとのことで、フースーヤは長き眠りへの覚悟だけ確認して了承してくれました。ゴルベーザ許せない派にしたら、地球への引き渡しを求めるでしょうが、まあ、月にアクセスできないやつが何を言っても無駄です。ここにいる青き星の民は特に異論はないようなので、ゴルベーザは法規を超えたところにいくことになりました。カルロス・ゴ-ンですね。

俯いて無言のままの弟をみて「兄と呼んでくれたな・・・セシル。・・・・・・。許してくれるはずもないか・・・。」と声をかけてみるゴルベーザでしたが、返事がないのを拒絶と受け取っちゃったみたいです。気まずい雰囲気、やきもきするプレーヤー。セシル、何か言えよ、って気持ちが充満してきます。特に女子やエッジは介入したいけど、入っていっていいか判断できなくて内心ンガーってなってますね。フースーヤはそういった機微が関係ない人なので、「さあ、参ろう。」とゴルベーザを連れて行こうとします。長い眠りについたらもう会えないかもしれないけど・・・ここで堰を切ったのはローザ・・・そしてカイン、リディア。

ローザ「セシル・・・!」
カイン「いいのか?行かせて・・・。」
リディア「お兄さんよ!」

カインなんかは男同士で何でも言葉にしてしまいたくない気持ちもわかってるとは思うんですよ。でも親友が最後のチャンスを逃しそうなのをみて、一番真剣に考えて促してくれている気がします。

ゴルベーザ「さらばだ・・・。」

傷つけ憎まれてしまった兄は後悔と一抹の寂しさとともに去って行ってしまいました。

消えるフースーヤ・・・続くゴルベーザ。その背中をみることもできないセシル。ハラハラする仲間たち。「さよなら・・・。兄さん・・・!」顔をあげひねり出たのはお別れの言葉。

その言葉が耳に入った瞬間、ゴルベーザの黒い甲冑が消え、中のセオドールが振り向き弟に微笑みかけます・・・額あてをして将来火影になりそうな面持ちだな、セオドール。言葉はそれだけで二人だけの時間が過ぎていきます。セオドールは間違いなく二人目の主人公でしたね。ゴルベーザサイドの描写もちょくちょく入ってましたしね。あの回想エピソードだけでかなり許されちゃいましたよね。このゲームに副題をつけるとしたら「兄弟げんか」なわけで、地球が滅びかけたことすら副次的なものになっちゃいました。最後は仲直りして終わりましたが、ここから総括が始まります。