国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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墜落人生

なんか変な巨人像の脇を通っただけでサドンデスなこのゲームに相変わらず不信が拭えないこの頃ですが、人生未知の領域には危険がつきものですし、何も知らずに異国を冒険する方がむしろ非常識なのかもしれません。むしろ、近頃のゲームの親切設計の方が人のインスピレーションを鈍くするという意味で危険なのかもしれません。そんなわけあるかー!

ゲームをデザインするにあたって、ユーザに何ができて何ができないのかを説明書を読まなくても理解させるということは、ゲームへの導入にあたって大事なことだと思います。これは工業デザインにもいえることで、アイテムの使い道をデザインで示すことができないとお客さんにそっぽを向かれてしまっても仕方ありません。巨人像の脇を通り過ぎることがどうして悪いことだと思うでしょう。むしろ、大地にそんな変わった建造物がいくつも建っていれば、冒険を求めるユーザにとっては好奇心の対象としかなりえず、近寄ってみようとするのが自然な考え方だと思います。そしてチョコボに乗れたら遠出をしてみたくなるのが人情というものだと思います。チョコボを降りた瞬間に勝ち目のない敵に囲まれて、セーブでもしようものなら元いた土地にも戻れない。ファイナルファンタジーにはずっとそんなイメージがつきまといます。ヒルダ姫の誘いに乗るとラミアクイーンになる、そんなゲームです。

だからもっと禍々しい雰囲気とか刺々しい見た目とか「この先危険」の看板とかでプレーヤーに危険を知らせないとドット絵やローポリゴンの世界では大事なことが伝わらないんじゃないかと思いました。こまめにセーブしろというメッセージなのかもしれませんが、DS本体にCtrlキーとSキーがついていればまた感想も違ったかもしれません。死んだら王様に怒られて復活するというシステムがどれだけ親切設計だったか思い知らされること何回目でしょう。

ともかく、ルーネスたちはあんまり関係ない場所を旅すると危険だということを思い知りましたので、帰ってきたエンタープライズ号で自由に航海することを諦め、アムルで名前の挙がったサロニアという場所を目指すことにしました。確か、アムルより北西に進んだ場所にあり、飛空艇技術の発達した内乱中の国という情報を収集していたと思います。先に行ったダスターを経由しつつ、地図の北西に位置する大陸にエンタープライズ号をつけるとそこは細い川が複雑に入り組んだデルタ地帯のような形状をしています。川を一つカヌーで溯ってみると山中の行き止まりにそれっぽい茂みがあり、やはりそこにはチョコボが群生していました。「チョコボみーっけ!」とその背にまたがり、しばらくチョコボで大陸を散策すると城壁で囲まれた都市を発見しました。城塞都市メルキドのように城門をゴーレムが守っている可能性も考えましたが、巨人像はよその大陸にあったのできっと大丈夫でしょう。しかし、南にある大きな正門は押しても引いてもびくともしません。どうやら地上からの侵入は難しいようです。

となれば、やるべきことは一つ、飛空艇エンタープライズ号で空から侵入することにしてみました。ルパン三世かはたまた怪人二十面相かといったように華麗に空から参上といきたいところですが、もしもこの都市がサロニアであれば、戦争ムード真っ只中で、しかも飛空艇技術に優れて上空戦にも長けてそうな印象です。他の国と比較してもっともやりにくいはずです。とりあえず、城壁の中央に位置するお城の方に向かってエンタープライズ号を進めてみるとなにやらイベントが発生しました。あまりに突然のことだったのですが、エンタープライズが大破し、4人は城の領地の中に墜落していくのでした。

ルーネス:うーん、どうしたんだ?
イングズ:どうやら大砲があたったらしい。
アルクゥ:エンタープライズは粉々だね。
イングズ:(周囲を見渡し)この空気・・・戦場のにおいがする。ただごとじゃないな。

人生、飛空艇での墜落も二度目となると慣れたもので、特に動じることもなく淡々と状況を把握していく三人の姿がちょっとシュールでした。ジョセフ・ジョースターを彷彿とさせる乗るものが全て大破するジンクスを着々と積み上げていくこの4人。最後の「時の歯車」を使ったシドの大作が無残な姿になってしまいました。元は海賊からもらったものでしたが、長いこと冒険をともにした船がついに・・・さようなら、ゴーイングメリー号。