ネプト竜 ネプト竜

国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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水のドラゴン

ネプト竜

チキンな海賊たちが怯える海竜とやらに遭遇することもなく湾内を優雅に移動していたルーネス一向ですが、好奇心が抑えきれずにネプト神殿脇の湾口から外へ出ようと舵をきりました。ヨーソーロー。ヨーソーローってよく聞く船乗りフレーズなんですが、「よろしくそうろう(宜候)」が縮まったものだってさっき知りました。英語で言うなら、イエッサー相当の文句のようです。お仕事のメールでよく「本件、承知しました。」とか「了解です。」なんてフレーズを使うのですが、今後は「ようそろっす♪」とか気さくに返してみたいと思いました。

そういえば、FF2のときに「チョコボ」っていう珍しい乗り物に乗って浮かれて遠出しようとして失敗したことがありましたっけ。今回もそんな感じで失敗しました。海賊の恐れていた海竜こと「ネプトりゅう」なるモンスターが突然目の前の海を割りながら登場と相成りました。首の長いタイプの竜のようで海面からニュッと突き出た首の続きと思しきアーチが画面背面にかかっています。ドラクエでいったらスカイドラゴンですが、空ではなく海の生物らしく、頭や首のとさかには水かきのようなものが張られています。正直、FF3を再開したての私は戦闘システムからして覚束なかったので、負けそうになったら逃げてみようかな、いやでも、ボスっぽいから逃げられないのかな、なんて自信なく考えていました。でも、そんなの杞憂でした。1ターン目でルーネスとアルクゥが即死して、あっ、絶対勝てない系の敵ねと悟りました。長いことFF3をプレイしなかった罰だと思って甘んじて2ターン目もネプト竜に挑み、レフィアとイングズが口から何か出てくる攻撃の犠牲になるのを見守りました。そして、最後に復活の呪文を聞いた王様に「死んでしまうとは情けない」と怒られるシステムがこのゲームにないことも思い出しました。

まぁ、ネプト竜には勝てないということが確認できたので、エンタープライズ号には見向きもせず、ネプト神殿に向かうことにしました。どうせ、大地震の影響でネプト神殿に何かが起こって、その影響でネプト竜が暴れ出したに決まっています。ネプト竜なんていう目先の問題に惑わされず、根本部分にメスを入れるのがRPG攻略の王道に決まってますよね。でも、海賊のアジトをでて、ネプト神殿よりも手前に位置する船に乗らないなんて選択肢はないので、多くのユーザが私同様にネプト竜の歯牙にかかって息絶えていったと信じます。インパスで赤く反応するのを確認して、それでも宝箱を閉じたまま放っておくことができない性分なので、ミミックのザラキで全滅することも珍しくはありません。

ネプト神殿の中は神殿特有のシンとした雰囲気で、人気もありません。奥にはネプト竜のようなドラゴンの彫像が一つ。片目には赤い宝石が嵌め込まれていて少し神秘的な雰囲気です。「片目しかない」という状況はもちろん、もう一方の目の存在を意識させます。また、目の損失という物理的な損失は、大地震の影響を連想させます。でも、近くの床を見回しても、対になるような宝石は見当たりません。

このドラゴンの像は昔、全身宝石で装飾されたそれはきれいな像でした。ツバメはそんな像がお気に入りでした。ある日、人々が貧困で苦しんでいるという事実に心を痛めたドラゴンの像がツバメに自分を飾る宝石を恵まれない人に一つずつ配るように頼みました。日ごとに宝石が失われみすぼらしくなるドラゴンの像と、越冬の準備も忘れドラゴンの頼みにつきあうツバメ。やがてドラゴンの像は存在を人々に忘れられ、ツバメも寒波に耐えられずひっそりとこの神殿で・・・みたいな話をアルクゥが話すとルーネスとレフィアが鼻水を流しながら感動して泣きだします。じゃあ、最後に残されたこの片目は恵まれない俺のものとデッシュが手を伸ばすと、レフィアが本気のグーパンチでそれを阻止するわけですね。わかります。

それで冷静な観察を続けていたイングズが気づいちゃいました。このドラゴンの像、小さな口がどこかへつながっていそうです。口元で風でも感じたんでしょうね。一般的な常識ではだからどうしたってなるところですが、「ミニマム」なる呪文があるこの世界では、じゃあ、小さくなって探検しようっていう結論にいたるらしいです。こうして見も知らぬドラゴンの像の口の中にミクロの決死圏のように入っていくことになりました。