国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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ひなにくわれる

空からドラゴンドラゴンの住む山をハイキング中のルーネス一行は、体力的な心配が出てきたため、一度下山しようかどうか悩みだしました。この山には石化の恐怖もあります。しかし、手持ちの金の針も残すところ2~3本です。道具屋で30本ぐらい仕入れておかないとなんとなく不安です。この金の針がメッキなのか、純金なのかわかりませんが、確かショップで1本100ギルぐらいだったと思います。ポーションやどくけしと比較するとやや高価なアイテムなので、無駄遣いは禁物です。ただ、イングズの城働きからくる堅苦しい性格やアルクゥの社交的ではない石頭、レフィアの職人である父親譲りの頑固さなどの改善に積極的に利用していこうと思います。
さて、引き返そうかどうしようかウジウジとしているところ、切り立った断崖の上空に何かの影が突如現れました。鳥だ!飛行機だ!タケちゃんマンだ!いや、これはこの山に巣くうドラゴンさんに間違いありません。緑色の鱗を持つドラゴンを見るとホッとするのは、まんが日本むかし話の影響でしょうか。それとも神龍?大きな翼を持っているので、FF2の飛竜と種族が近いやつかもしれません。上空にいるため体のサイズがよくわかりませんが、キングギドラほどではなさそうな印象。まだ、剣でギリギリ戦えるサイズっぽいかな・・・。そんなドラゴンはルーネスたちを見るや勢いよく舞い降りてきて、仲良く対話でも始まればよかったのですが、普通に4人とも拉致されました。

孵化したドラゴンもちろん拉致された先は、ひな鳥ならぬひなドラゴンの待つドラゴンの巣です。藁だの木くずだのを敷き詰めて、卵の成育環境を作るあたりは鳥にそっくりですが、そのサイズは家が一軒建ちそうなスペースであり、ドラゴンのスケールの大きさを思い知らされます。いくつも卵が並んでいますが半分以上は既に殻が破られており、雛の姿も散見されます。・・・というか、ここにいたら間違いなく食われますね。やっぱりドラゴンは人食いでした。雛といっても人間ぐらいのサイズがあるので、体力は同等くらいでしょうか。まだ人生経験が長い分こちらに分がありそうですが、多分、対戦したら「母竜を呼ぶ」という特殊攻撃をされて全滅です。
幸いなことに既に食事の後だったのか、雛は非常に大人しく、ルーネスの首を嘴でもぎ取るなどの暴力表現には至らずに済みそうでした。しかし、雛が満腹ということは、既に誰かが犠牲になっているということでもあります。モンスターを食べてくれるのならいいのですが、・・・先に入山したデッシュのことが非常に気がかりです。カナーンで恋煩い中のサリーナさんに「ごめん、これしか残っていなかった・・・」といってハンカチに包まれたデッシュの右小指を渡すとかいうシチュエーションは遠慮したいところです。もしも、デッシュが買ったという最後のミニマムがこの辺りに落ちていたら・・・あんまり下を見ないで歩きましょうか。

おまえモナーが、そんな心配をよそに、広大な巣の中で物陰に隠れるようにして探し人のデッシュが発見されました。初対面だというのに馴れ馴れしく「ドラゴンにさらわれるなんて、ザマないな」とつっかかってきました。とりあえず第一印象では、「イヤミ」キャラです。目つきもちょっと悪いしね。そんなことを言って、デッシュ自身も同様にドラゴンにさらわれてやってきた口だというのだから呆れたものです。ひょっとしたら、イヤミではなく彼なりの遠回りなギャグだったのかもしれません。

デッシュ発見そう考えると確かに友達作りが下手そうなキャラクターにも見えます。きっかけ作りには、まずちょっかいを出してくるタイプですね。自分から積極的にアプローチをかけるところは評価できますが、もうちょっと言い回しを考えた方がよいと思います。サリーナさんをその気にさせたときも、「おっとごめんよ!」なんて言って自分からぶつかっていったに違いありません。そして、口論が勃発し、お互い引くに引けない状況を作り出したところで、一転して「あえて引く」というナンパ技でも繰り出したのでしょうか。なぜか喧嘩していた相手とご飯を食べることになったサリーナは、ギャップ萌えのトラップにひっかかってあえなく沈没です。
この後、デッシュが手のひらを返すように優しくしてきたら、気をつけなくてはなりません。そうやって味方を増やし、使い終わったらポイッとサリーナのように捨てられます。

絶対に戦うなとりあえず、ここに来た目的であるデッシュには会えたので、こいつを連れて下山したいのですが、はてさてどのようにしてドラゴンの巣から降りたらいいものやら。先にドラゴンにさわわれたデッシュがここに残っているということは、脱出方法がないか、あるいは限定的だということでしょう。困ったな。
そもそも、このデッシュという男はどうして、こんな危険な山に一人で登ろうとしたのでしょう。もしもお宝的な何かが眠っているのであれば、シーフ・アルクゥの名にかけていただいていきたいところです。とりあえず脱出の前に、デッシュにいろいろ聞きこんでみることにしよう・・・とそう思った矢先、先ほどの母ドラゴンが巣に戻ってきちゃいました。デッシュがいうには、「絶対に戦うなっ!逃げるんだっ!」とのこと。

竜ちゃんメソッド「戦うな」なんて言われると反骨精神から、逆に戦いたくなりますよね。デッシュなんて馬の骨が、ルーネスたちの戦闘力を会った瞬間に測れるとも思えません。上島竜兵が「押すなよ」と言ってるようなもんです。このドラゴンを打ち破って、デッシュの目を白黒させてやりましょう。そして、お宝をいただいて帰ることにしましょう。
しかし、ルーネスたちの想像に反して、デッシュの助言は的を射ていたらしく、ドラゴンがめちゃめちゃ強かったです。なんていうか、ドラゴンの名前がまず「バハムート」でしたしね。バハムートといえば竜の王様的な存在だったあいつ(FF1)じゃないですか。鱗があのときは赤だったので油断してましたよ。つまりドラクエ1のラスボス、ドラクエ8でいったら裏ボスのような存在です。もちろん勝てるわけはありません。パーティーが二人ほど即死してやっと目が覚めた次第です。敗走しながら、ねずみのしっぽと交換でクラスチェンジをさせてくれるというお役立ちキャラクターだった頃のあいつを思い返したりもしました。いつからこんな極悪非道なやつに・・・。

逃げ足アビリティ逃げる段になって気がついたのですが、ルーネスたちの戦闘コマンドが「すっぴん」だった頃と違うんですね。いや、気がつくの遅すぎなんですが、どうやらジョブごとに戦闘にも特色が打ち出されているのですね。最近のドラクエだと「とくぎ」欄にまとめられているような項目が「たたかう」の下に表示されています。
戦士・ルーネスの場合、「ふみこむ」が追加されています。なるほど、剣道なんかでも踏み込みは大事だっていいますからね。後で刑事にジョブチェンジしたときにも使えそうなコマンドです。ただ、バハムートが硬すぎて効果のほどはイマイチよくわかりませんでした。きっと何かいいことがあるのでしょうけど、バハムートの間合いに踏み込むのは危険です。
シーフ・アルクゥは「ぬすむ」と「とんずら」というユニークなコマンドが可能でした。二つもあってお得っぽいですが、「とんずら」は「にげる」が強化されたようなものなんでしょうね。「ぬすむ」はひょっとすると石化してくる敵から「金の針」を掠め取ってくれたりしそうなので、今後活用していきたいと思います。
黒魔道師・レフィアは「まほう」でした。すっぴんの時も使えたのでなんだか面白くありませんが、きっとレベルの高い魔法も使えるようになったのでしょう。ただ、白魔法が使えなくなったらしくちょっと不便です。「ケアル」だけでいいのですが、白と黒は決して混じり合うことはないのでしょう。赤魔道師の方がよかったかもなぁ。
モンク・イングズは「かまえる」ができます。どうもこれは攻撃されたときに反撃するというコマンドのようです。いくらか消極的なのでルーネスやレフィアにはあまり似合わなそうです。
さて、デッシュの助言のおかげで全滅だけは免れた4人は、ちょっとだけこのデッシュという男を信用してみようと思います。渋々ですけど、命の恩人ですから仕方ありません。いの一番に逃げ出したデッシュ曰く「逃げ足だけは自信がある」とのことですから、彼のジョブは間違いなくシーフです。アルクゥと被ってますが、熟練度はアルクゥより上でしょう。サリーナのハートをたやすく「盗」んだのもこれで納得がいきます。ハート泥棒はルパン3世レベルの高等テクニックですよ。ちなみにキャンディーズが歌っていた「ハート泥棒」の作曲はすぎやまこういち先生だそうです。早くドラクエ9の曲を聞きたいですね。
この流れから推測するに、多分、シーフの熟練度が上がると「ハート泥棒」や「おしゃれ泥棒」にクラスチェンジできます。「シーフ」→「忍者」とか全くもって納得できません。

ミニマムもらったそんなシーフっぽいデッシュが、何故か気前よく「ミニマム」を譲ってくれるといいだしました。今、とてもそんな状況とは思えないのですが、一緒にドラゴンから逃げるうちに心を許してくれるようになったのでしょうか。「とてもめずらしいミニマム」と少し恩着せがましく提供してくれたので、とりあえずいただいておきましたが、なんか裏がありそうで怖いですね。出会ったときから胡散臭いし、サリーナをあんな状態にしたのもこいつです。もらったが最後、何らかの詐欺、あるいはゆすりたかりへと発展したらどうしましょう。まだ、弁護士にもポリスマンにもジョブチェンジできませんから、犯罪への対処スキルがありません。こうやって、初見の印象の悪さを、もので油断させて、ギャップで落とすのが彼の手口です。気を許すわけにはいきません。
また、デッシュ曰く「俺には使いこなせない」とのことですが、シーフ(仮)なので当然魔法は使えないわけですね。ん?ということは、エアロとケアルを使ったサラ姫は白魔道師で、ファイアを使ったシドは黒魔道師?いや、ファイアはすっぴんでも使えるか・・・。魔法とジョブの謎の関連性です。多分、「お姫様」にジョブチェンジすれば、レベル2ぐらいまでの白魔法が使えるんです。王家の嗜みとして。

記憶喪失デッシュともかくデッシュには油断せずに行こうと決めたのですが、いきなりこいつがさらなるギャップ攻撃を打ち出してきたのです。この無遠慮なキャラクターはなんと記憶喪失中なんだそうです。それで、ルーネスのパーティーに入れて欲しくてミニマムを差し出してきたようです。ほほう、記憶喪失といえばドラマ作りの定番中の定番ではありますが、ここでそれを差し込んできますか。気の毒な症状ではありますし、同情を禁じえません。無下にパーティー入りを断ることも人道的にできませんよ。あぁ、サリーナもおそらくこの無防備な男のギャップにやられたのでしょう。「俺、実は記憶喪失なんだ」なんてあっけらかんと告白されたら、乙女の母性本能をくすぐりまくりです。世の男性陣は、一度夜の街でこの一言を放ってみるといいですよ。優しくされること間違いなし。
まさか、これもデッシュの計算だったとは、まだルーネスは知る由もないのであった。(嘘ナレーション)