国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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縄でできたユーレイ

縄人間!?カズスの町の入り口でうずくまっていたアルクゥを仲間に加え、ルーネスはユーレイが出没するという呪われた町の中にいざ潜入開始しようとしています。「幽霊」といいますと、死んで肉体は消滅してもなお人の姿で現れる未練がましい存在なイメージがありますが、FF3の世界においても同じ感覚なんでしょうか。話はそれますが、水木しげる先生の作品が好きな私は、先日、鳥山石燕の描く妖怪画が、白黒ではありますが文庫でまとめられているのを発見し、喜び勇んで買ってきました。角川ソフィア文庫だったかな。鳥山石燕は狩野派の門人で、特に妖怪画で有名な人です。百鬼夜行とか描いてます。狩野派ってのは、室町に起こった画師の専門集団で幕府の御用達になったりもしていた方々ですね。石燕の妖怪画は水木しげる先生のルーツにもあたりますから、この江戸時代の人が現代の妖怪のスタンダードを形作ったことになるようです。で、そんな鳥山石燕の残した作品に「幽霊」の絵がありまして、そこには月夜の晩にお墓から白装束姿で三角巾を頭に当てた女性が出てくるところが描かれていました。「恨めしや~恨めしや~」という恨みがましさはそれほど感じさせないタッチで、軽く気品すら感じます。あっ、先ほどWikipediaで「幽霊」の項をひいたら、まさしく石燕の絵が掲載されてましたよ。この絵からはわかりませんが、おそらく足元はスーッと消えていたりするんでしょうね。あと、表は蕎麦屋なんでしょうね。
では、どんな美人ユーレイがカズスの町に潜んでいるか探しにいくとしましょう。パッと見、呪われた町だけあって屋外には誰もいない様子です。とりあえず、一番手前にある魔法屋に入ってみることにします。そこで、二人がみたものは想像を絶するユーレイ第一号であったのでした。

ジンの呪い魔法屋の中は一見、もぬけの殻でしたが、注意深く目を凝らして店内をみつめてみるとなんだか人影があります。影はあれども実体はなく、まるで人型に輪郭を作ったロープが宙に浮いているような感じです。これがFF3におけるユーレイの表現手法であるとは、なかなかの衝撃でした。一応、人のナリはしているので、頭部とおぼしき円形の部分に話しかけてみることにします。すると、口がないのに言葉は話せるらしく、「ジンの呪いでこんな姿になってしまった。商売どころじゃないよ。」とのこと。おそらく、目の前の縄人間はここの店主なのでしょう。実体がないがゆえに、商品を手に取ることもあたわず、釣り銭の用意もままならない状況で、すっかり商売を諦めてしまっているようであります。じゃあ、お金を置いていくから、勝手に魔法(の込められた石(仮定))を持って行ってもいいですか?とマイペースなルーネスたち。問題の本質は魔法屋さんが商売できないことではなく、呪われていることなので、事の原因である「ジン」という人のことをもうちょっと聞き込んでみなくてはなりません。隣の防具屋も武器屋も同じ状況で、商売あがったりな様子。この町の市場が停滞して、逆にウルの村が活性化するのならば願ったりですが、おそらく連鎖的にあの小さな村の経済にも大打撃となるのでしょう。アメリカの金融バブルがリーマン・ブラザーズと一緒に弾けたとき、小さな島国の銀行株を始めとする諸所の銘柄がガクンと下げたのと一緒です。
武器屋の親父さんが「俺は死ぬまでこの姿なのか?それとももう死んでいるのか?」なんて言っていますが、本当にユーレイなのであれば、定義的に死んでいることになります。ただ、この妙ちくりんな姿をみた旅人が、「カズスにユーレイあり」なんて噂を広げただけだと思われるので、きっと本当に死んでユーレイになったわけではなく、また、元の姿に戻す方法はあるでしょう。魔法や呪いで変身させられた場合、基本的に王子様や処女のキスが有効ですが、町中の人にキスをして回るのでは、さすがに王子様も唇も持たないでしょうから、解呪の効果のある薬品やアイテムの存在に期待したいところです。っていうかキスをする唇がこのユーレイたちには存在しないのでした。

ミスリルの力!それにしても、さすが博学で名をはせるアルクゥさんです。「お化けなんてないさ」との主張の通り、ユーレイの正体見たり枯れ尾花、ユーレイの態をなした縄人間はジンという人の呪いに掛かっていただけでした。このことをウルの村に戻っていじめっ子だったあいつらにつきつけてやれば、少しはアルクゥの溜飲も下がるかもしれません。しかし、クリスタルに見込まれた者としてルーネスは困っている人を見過ごすわけにはいきません。なんといっても希望の子ですから、呪いを解く方法を調べなければなりません。調べ物となればアルクゥ博士の出番です。その博識ぶりでなんとかならないものでしょうか。
宿屋に入って店主の話を聞いてみると興味深い話がきけました。いや、入口にいただけの人なので本当に店主かどうかは定かではないのですけれどもね。縄人間はパッと見、個体ごとの特徴が薄いもので、よくよく注意して話さないと誰が誰だかわかりません。偉い人だと思って敬語で話しかけたら、実は5歳児でした。なんてこともありえます。
で、店主(仮)のいうことには「ジンを封印するにはミスリルの力が必要」とのこと。ミスリルについては、前作、前々作でもさんざんお世話になった物質です。ある意味、FF名物ですよね。その素敵な鉱物が今回、ジンという輩を封印するのに役立つんだそうです。なんていうか今作はミスリルの出番が早いですね。後の予定が詰まっているんでしょうか。
とにかく渦中のジンという男の背景がもうちょっと知りたいところです。よもやジン=フリークスという二ツ星ハンターだったりしないでしょうね。はたまた、黒い服で身を固めて、隣にウォッカという仲間を連れていたりしないでしょうね。よもや、大食いキャラで5人揃うと奇面ふr(ry
とりあえず、当面の課題はジンの身辺調査とミスリル探しになりそうな予感です。