国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

« レオンハルト列伝 | メイン | ドレミファソラシド »

アルテマを背負いし者

ステータス画面わりと本気で昨年末にはこのゲームをクリアするつもりでいたのですが、気がつけばもう三月も後半戦となってしまいました。なんでしょう、このボリューム感。FF2一本でまさかこんなにも遊べるとは。パラメキア皇帝を攻略した後もシナリオは止まることなく回転していきます。既に随分前にFF3を買ってあるというのに、パッケージも破けない状況です。
さて、前回シドの遺言で飛空艇の所有権をゲットしたフリオニールは、天才盗賊のポールさんの「自慢」を根拠に、岸壁にそびえ立つパラメキア城に空から侵入するというプランが作成されたのでした。エレベーターアクション(ファミコンのゲーム)よろしく、飛空艇からパラメキア城の屋上にロープをひっかけて、ピュルルーとつたって降りる寸法です。

一冊だけの消費アイテムただ、パラメキア侵入前にやっておかなければいけないことが二つほどあります。まず一つは、「アルテマ」のことです。ミンウさんの犠牲によってもたらされた究極の魔法は本に記されたまま依然としてアイテム欄にしまわれていました。先のパラメキア皇帝戦でも結局存在が忘れ去られたまま使用されることがなかったので、ミンウさんもさぞかし無念だったでしょう。これからレオンハルト率いるパラメキア軍相手に本当に必要になるのかわかりませんが、これ以上放置しておくのももったいないので、覚悟を決めて誰かに覚えさせることにしようと思います。せっかくFF2をプレイしたのに、「いや~アルテマの本って最後まで使わないまま忘れてましたよ。」なんて本物のFF好きの人に言った日には、その場がブリザド状態になってしまい、二度と口をきいてもらえなくなるかもしれませんしね。ドラクエで「いや~パルプンテって結局一度も使いませんでしたよ。」なんて言われたら、私も内心その人の評価を下げざるをえませんから。全部の効果が出るまで繰り返し唱えろなんて無茶なことはいいませんから、とりあえず暇なときに唱えてください、パルプンテ。あなたの心にパルプンテ。ハーゴン戦で「とてつもなくおそろしいもの」を呼び出してしまい、ハーゴンが逃げ出してしまったことを今でも鮮明に覚えています。

アルテミスト・マリアで、一冊しかないアルテマの本を誰に使うか、という問題ですが、悩んだ結果、無難にMPの高いマリアに覚えさせました。自分の中でマリアは「ファイアの女」という立ち位置だったのですが、今日から彼女には「アルテミスト」という新しい称号を授けたいと思います。で、覚えたらアルテマはやっぱり熟練度1から始まるんですね。これはどういうことでしょう。かつて地上の魔物を一掃し、その威力ゆえに当時のミシディアの民が厳重に封印したとかいう伝説の呪文のクセにレベル1です。きっと「大魔王のメラは通常のメラゾーマ以上の威力」の法則の通り、レベルは1でも威力はファイアLV12以上、といった感じなんでしょう。

シドの遺品回収あらためてアルテミスト・マリアを従え、シドの残した遺品を求めて旧ポフト市街にたどり着きます。ここは皇帝の竜巻によって潰されていることは以前にも確認していました。今回は、正式に飛空艇の所有者ということで、堂々と飛空艇の中に乗り込みます。太陽の炎的なものがエンジンをふかすと、ブワッと機体が空中に浮かびます。いつもはお客様だったので、直線距離で目的地に運ばれるだけでしたが、今や運転席にはフリオニール。どこにでも行きたい放題です。っていうか、操縦資格とかライセンス的なものは不要なんですよね。世界に一機しかないものだし。他所のマシンとニアミスすることもありません。離陸、着陸、方向転換ができれば多分大丈夫。コックピットには特にミサイルボタンや緊急脱出ボタン、自爆ボタンなどはないようです。進め、ヤッターワン!

ディストへひとっ飛び初のフライトで向かったのは、パラメキア城ではなくディストでした。もう一つのやり残したこととは、リチャードのことでした。彼のことを振り返ってみると、パラメキア皇帝の脅威からディストの竜騎士たちの間でアルテマの封印を解くべきだという議論がさかんになり、その代表としてクリスタルロッドの探索の旅に出たのが彼でした。結果、リバイアサンに飲み込まれ、腹の中からでることもままならず、悶々としていたのです。そして、その間に故郷の飛竜はパラメキア兵の仕組んだ毒入りの水で死滅し、機動力を失った竜騎士も一網打尽にされていたのです。
まさか自分の留守中に故郷が崩壊していようとは夢にも思わないことでしょう。夏休み明けに登校したら、花火の不始末で校舎が全焼していたのを目の当たりにするぐらい衝撃的で受け入れがたい事象のはずです。そんなショッキングな出来事を一度は知らせたものの相次ぐ連戦でリチャードをディストに連れて行ってあげることは今まで適いませんでした。なんていうか・・・ディストって行くまでが面倒くさいのです。船にのってわざわざあんな辺鄙な所に二度三度と行きたいと思わないじゃないですか。でも、今は文明の利器・飛空艇がありますからスイーッとリチャードを故郷に連れてくることも簡単なのです。

お母さんはフィリップの妻・エリナ。息子はカインディストを二人でけなげに支える未亡人とその息子は今も元気にやっているでしょうか。ディストの中に入るとその静かな様子にリチャードが動揺し始めます。そして、未亡人の姿をみるやガバッとのしかかるように、ことの経緯を確認します。真実を同郷の人に知らされ愕然とするリチャード。いやはや、ここで未亡人とその息子、そして元だんなの名前が判明します。竜騎士・フィリップの奥さんがエリナで、息子がカインだそうです。フィリップはリチャードともそれほど年が変わらない友人だったりもしたのでしょうか。エリナとリチャードの会話の端々から同族以上の関係性が読んでとれます。

それは未亡人かどわかし?ついにはリチャードから「私がついてる・・・!戦が終われば、必ず戻ってくる!」なんて発言も飛び出してしまいました。これはなんていうかストレートに受け取ってしまってもいいものなんでしょうか。リチャードがこの戦いから帰ってきたときに、はたしてカインは新しいお父さんを受け入れることができるのか、新しいドラマが生まれそうな予感です。こんな変な仮面をつけた男が新しいお父さんだなんて、自分ならちょっとご免こうむりたいところですが、きっと前のお父さん・フィリップも同様のお面をかぶっていたことでしょうからうまいこと、ことが運ぶのでしょう。むしろ前のお父さんよりもかっこいいお面だったりしたら、願ったり適ったりです。
日本はずっと戦争をしていないので、あんまり似たようなシチュエーションを見聞きしたことはないのですが、戦時中はやはり戦死した人の兄弟や友人がその未亡人や子供をひきとるなんて例がたくさんあったようです。自由恋愛が今ほど許されなかった背景も関係すると思いますが、知人の奥さんが困っていたら自然と助け合うという風潮にあったと推測されます。もちろん死んだ旦那さんに操を立て続ける女性もいたでしょうが、やはり経済的に今ほど女性が自立できませんでしたから、良縁があれば一緒になるというのが自分のためにも子供のためにもよいという判断がつきやすかったのだと思います。エリナさんにしてみれば、フィリップとの付き合い方をみてリチャードが「多分」誠実であろうことはわかっているだろうし、リスクは少ないんじゃないでしょうか。
というわけでリチャードは次代のディストを担うため、この戦いで生きて帰らなくてはならなくなりました。これまでの独身生活とはおさらばですから、責任の二文字がフラフラしていたこれまでの生活を縛りつけることになります。ディストの未来に幸あらんことを。