国産RPGの二大巨頭「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」。ドラクエ派の自分にFFがプレイできるのであろうか?

できるかなファイナルファンタジー

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スポーツの起源

前回、ひょんなことからミシディアに寄り道してしまったフリオニールは、遅れを取り戻すべくヒルダ王女が賞品になっている闘技会へ出場するため、カシュオーンの南の砂漠方面に向かいます。一体全体どんな気の迷いでミシディアにいってしまったのでしょう。思い起こせばアルテアはヒルダ王女を心配する声でいっぱいでした。だのに、そんな中一人だけまだ帰らないミンウを心配する人がいたのです、たしか。それを聞いたフリオニールが究極魔法の存在を思い出して、ついつい気になっちゃったのです。結果、ドッペルゲンガーという存在に通せんぼされて、がっかりしながら帰ってきたのでした。
ドッペルゲンガーって最初にその存在を私が知ったのは、多分、クロノトリガーをプレイしたときだったと思います。お祭りで盛り上がっている冒頭のシーンで、出店の一つにドッペルゲンガーが出店している店があったのです。そこのミニゲームに勝つとペットとかペットの餌とかどっぺる君人形とかが貰えるんですよ。
当時は、やはりドッペルゲンガーの意味をイマイチ理解できず、分身的な何かぐらいに思っていて、友達に相談したりもしましたが、正解には辿りつかなかったですね。後で何かの本にドッペルゲンガーについての記述がたまたま載っているのを見て、「見たら死ぬ自分じゃない自分」という認識を得たのだと思います。まだ、フリオニールは生きていますが、ドッペルゲンガーをみてしまったので死期が近いのかもしれません。これからパラメキア皇帝のところに行こうというのに、なんとも縁起の悪いものをみてしまったそうです。

闘技場発見アルテアから船でずっと東に進むと、カシュオーンの南に位置する砂漠が見えてきました。以前、チョコボに乗って通ったことがあったと思いますが、そのときは確か山岳部に城のようなものがそびえていて、近づこうにも近づけずそのままミシディアに歩を進めてしまったのでした。(よもやそれがチョコボの罠だとは・・・。)で、その城の麓に闘技場とおぼしき円形の建物がみえてきました。前に通ったときにこんな施設あったかなぁ?

コロシアムっぽさ中に入ると、入り口の先にスペインの闘牛場のように決戦場となる砂地が見えてきました。あぁ、ここで屈強な男子が腕力を競っているわけですね。そして優勝者には射手座の黄金聖衣が与えられるということですね。グラード財団のコロッセオのようなエキシビジョン用の巨大スクリーンは設置されていないようですが、白銀聖闘士に壊されてしまったのかな。
ところで気になることに、闘技会だというのに観客が一人もいらっしゃらない様子です。草野球の試合だってもうちょっとギャラリーが入ってるってもんです。このフリオニールの美技が炸裂する試合だというのにA席もS席もガラガラです。チケットが売れなかったのかな・・・。観客動員数と打率が比例する男・フリオニールとしてはイマイチ盛り上がりません。

柵の向こうのラスボス渋々、闘技場の中央を通って反対側の参加申込所に移動します。すると、柵のむこうのVIP席に唯一の観客がふんぞり返って座っていました。ラスボスのパラメキア皇帝です。残念ながらマリアのファイアが届く距離ではないので、柵のむこうに攻撃は仕向けられませんが、弓ならあるいは。いやいや、ここで下手に動いてヒルダ王女に何かあったらことです。ここは大人しく闘技会に参加して、優勝した暁に油断して柵を外した皇帝を殺る「男塾」作戦でいきましょう。
それにしてもはじめて皇帝の顔を拝みましたが・・・細面に吊りあがった切れ長の目、眉も短く、顔は白っぽい、能面のような顔をしています。髪の毛も長く、薄く黄色を帯びた銀色なので、ますます伝統芸能・の役者さんのようです。顎が細そうなので固いお肉は食べられないと思われます。こんな男ですが、魔界からモンスターを呼び出して、戦力にするというものすごい魔力を秘めているのです。やってることはドラクエ2の大神官ハーゴンと一緒ですが、こちらは皇族という分、性質が悪いです。魔物と同時に権力を振りかざしてを操ってきますからね。人間VS魔物という図式であれば「戦って倒す」という非常にシンプルな構造をとれます、人間VS人間という要素が入ってくると、戦争になってしまいますからね。善悪の基準が複雑になってしまいます。FF2を始めてわりとすぐに考えていたことではありますが、主人公のフリオニールが戦争孤児というシビアな設定が結構重たいですよね、他のゲームと比べて。パラメキアにダークナイトことレオンハルトがいることによって、一層戦争の悲惨な部分が強く感じられるようになっていると思うのです。どうして、パラメキア皇帝は戦争をしかけてきたのか。なぜレオンハルトがパラメキアについているのか。そこら辺の理由付けを一つ間違えると、とんでもないダメな作品で終わってしまいそうな危惧が私の中にあります。ファミコンのメインターゲットはあくまでも子供ですからね。噛み砕いてわかりやすく伝えてやらないと、FF2の本質がわからないまま「フィン王国が勝ったから善」で終わってしまいそうです。
さて、上から目線で、闘いを促すパラメキア皇帝に従って、闘技場の中央に戻って対戦相手を待ちます。観客はパラメキア皇帝一人ですけど、石油産出国のセレブだって、野球チームを二つ呼んだり、プリンセステンコーを呼んだり、マイケルジャクソンを呼んだりして、自分ひとりのためだけにエンターテインさせますもんね。国有者のような金持ちなら、闘技場を作って殺しあう様子を一人で観戦するくらい普通なのかもしれません。
そもそもスポーツの起源ってそんなもんじゃないんですか?金持ちをパトロンにして、一定のルールに沿って人を競わせて、勝者に褒美を出すというところからきていると思うんですよ。現代のスポーツは出資者を広く一般人まで募って、みんなで観戦するスタイルが普通になってますが、元を質せば権力者の戯れの一環でしかなかったのかも。まぁ、競技それ自体が楽しすぎてスポーツはどんどん民主化していったのです。(仮説)

サーベルタイガー?パラメキア皇帝の下から闘技場中央に下がっていく途中、なんだかものすごく既視感を覚えました。なんだろう、この気持ち。なんだか賞品に月の紋章がもらえるような気がしてきます。あぁ、画面左手の檻から、対戦相手が出てきます。どうみても人ではなくモンスターの類です。あぁ、おそらくはサーベルタイガーに違いありませんよ。ここはデルコンダル。

ベヒーモスって前に倒したようなドラクエ2の似たシチュエーションのテンションで、ベヒーモスとの対戦です。てっきり闘技会というのは天下一武道会のように人と人が腕力を競い合う競技なのだとばかり思っていましたが、相手は魔物です。ベヒーモスはやたらでかいでかすが、多分以前倒したことがある三下です。名前の最後に「モス」がついているわりに昆虫の蛾っぽくないなぁと思って調べてみたところ、水陸両生の架空の動物でカバや水牛に由来するとかなんとか。グラフィックは爬虫類っぽいですが、ああ見えて普段は水辺の草とかをモヒモヒと噛んでいるのでしょう。好物はモスバーガーなので、メガマックでダメージを与えることもできます。(できません。)

ヒルダ王女が賞品という約束近所にマックとモスと両方のチェーンがある身としては、両方頑張って切磋琢磨していってもらいたいものです。ただ、近所のマックのバイトに一人盛り付けが雑な人がいるようで、その人に製造されたメガマックは食べはじめた途端に変形を開始し、その原型を留めない異形のものへと化します。また、そのマックのチェーン店は商品の入れ忘れが多いことで、近所の人との世間話にのぼったりします。あまりイケてない店舗のように思うのですが、それでも土日は人でいっぱいになります。みんなマック大好きだね。
さて、ベヒーモスを打倒し、パラメキア皇帝自らご褒美を遣わしてくれるそうですよ。賞品の入れ忘れなしのここは優良店舗ということになります。大人だけど、ハッピーセットのおもちゃが気になることもあるさ。大人だからっておもちゃを入れ忘れないで下さい。(実話)

懐に飛び込めぃ!ここでフリオニールは思い出します。賞品の受け渡しこそ、皇帝暗殺の最大のチャンスであることを。わざわざテロップが知らせてくれているのですから、忘れようがありません。そういえば、闘技場に入る前にセーブしたっけか?なんかこのまま、パラメキア皇帝とのバトルに突入して、勝算があるのかないのか検討もつきません。本当にここで挑んでいいのだろうか。負けたらヒルダ王女の脇にでも吊るされて、見せしめとして国中を引き回されるんじゃなかろうか。自らの立ち振舞いに疑問を抱きつつ、ええい、ままよとパラメキア皇帝の懐に飛び込んでいきました。ここで皇帝を逃したら、後で探し出すのが難しいのですよ、多分。特攻あるのみ。

素性バレバレすると、パラメキア皇帝の口からフリオニールの名前が飛び出してきました。「ほうびは、これだ。反乱軍の戦士、フリオニールよ。」いやはや、皇帝に名前を覚えられるとは、フリオニールの武将度もなかなか高まってきているんじゃないでしょうか。しかし、素性が丸分かりの状態で闘技会に飛び込んでしまうとは、フリオニールの迂闊度もなかなか高まってきているんじゃないでしょうか。ちょっと自分を過小評価しすぎていたのかもしれません。大戦艦を落とした男が、こんな敵の懐に飛び込んで、危険視されないわけがないじゃないですか。しかも賞品がヒルダ王女の闘技会なんていうみえみえの罠に。やはりここは慎重を期して、パラメキア皇帝暗殺は一旦諦めて、闘技場地下の牢獄に捕まっているヒルダ王女をこっそり救出するのが先でしたね。
しかし、大戦艦のときと同様にピンチをチャンスに変える男・フリオニールであれば、王女の誘拐というピンチを、暗殺+救出を一度にこなして一挙両得なチャンスに変えてくれるものとどこかで信じていました。一挙両得・・・いい響きです。ですが、今回はちょっと欲張り過ぎました。

お兄ちゃんの罠でしたパラメキア皇帝からのご褒美の正体はダークナイトを筆頭にしたキャプテンか何かの集団でした。あまりの多勢に無勢ぶりに、なすすべもなく御用となってしまう反乱軍の稼ぎ頭・フリオニール。この場で惨殺されるのでもなく、地下の牢屋に収容されることになってしまいました。まさかフリオニールをダシにアルテアの反乱軍と何らかの交渉を行うわけではないでしょう。やはりパーティーに参加してきた王族・ゴードンを政治的な切り札としてキープするつもりなんでしょうか。まぁ、でも、パラメキア皇帝に名前を呼ばれたのは、ゴードンじゃなくて、フリオニールだもんね。ひょっとしたら、レオンハルトのようにパラメキアにヘッドハンティングされることもあるかもしれません。もしも、そうなったら「○○○ナイト」とかいう称号が与えられることになると思うので、今から「○○○」の中身を考えておいた方がいいかも。「ゴージャスアンドビューティフルナイト」あたりで手をうっておこうかな。名前欄に入りきらないので天才ゴールキーパーのように「GABK」なんて略称表記でもいいですよ。
それにしても、ダークナイトは生きていたんですね。大戦艦と一緒に沈んだはずなのに、しぶとい男です。どうも今回の闘技会だまし討ち作戦にもこの男は絡んでいそうですね。策士としてまたちょっと一歩上をいかれてしまったということになるのでしょうか。仮にダークナイトが同僚だったとしたら、出世街道を邁進する上でいつか目の上のたんこぶになることでしょう。「GABK」も捨てがたいですが、やはりパラメキアに下っても出世の芽がダークナイトに潰されてしまいそうです。これまで通りフィンで上を目指すのが、得策か。牢屋に連行されながら、思索をめぐらすフリオニールでした。

あーあ、賞品はヒルダ王女だったはずなのに・・・。てりやきバーガーを頼んだのに、なぜかチーズバーガーが入っていたあの日の気分です。昔、私はチーズの存在を憎んでいた時期がありまして、肉のパティにこびりつく白い塊に辟易としたものです。紙袋を開ければ、そこは牢獄とは。(その後、スタッフがおいしくいただきました。)